ブログ
kintoneのテーブルの使い方と活用例|制約を超えて実現する業務効率化に向けた工夫
kintoneを日々活用する中で「同じ情報を繰り返し入力するのが面倒」「履歴や明細を1レコードで管理できない」と感じたことはありませんか?
その課題「テーブル」機能で解決できるかもしれません。
kintoneのテーブルは1つのレコード内で複数の行を持てる機能で注文管理や営業日報、交通費精算など繰り返し項目のあるデータ管理に非常に便利です。
入力内容に応じて行を自由に増減できるため視認性や入力効率が大幅に向上します。
一方で「テーブルって難しそう」「設定や操作に制限はないの?」と不安を感じる方も多いはず。
本記事ではkintoneのテーブルの基本から設定手順、具体的な業務活用事例、制限とその回避策、そして実務で使えるTipsまで実務目線でわかりやすく解説します。
この記事を読めばkintoneのテーブル機能の導入判断ができるだけでなく、自社業務にどう取り入れるべきかのイメージまでしっかり掴めるはずです。
kintoneのテーブルの基本理解と構造
kintoneにおける「テーブル」機能は単なるデータ入力の補助機能ではなく、複数の情報をひとつのレコードに整理して保持できる仕組みです。
日々の業務において繰り返し記録が必要な情報をひとまとまりとして扱えるこの構造は情報の整理整頓だけでなく入力の効率化にも大きく貢献します。
この章ではkintoneのテーブルの仕組みと基本的な用途、導入前後での業務上の変化について具体的に解説していきます。
kintoneのテーブルとは何か
kintoneのテーブルは繰り返し入力が必要なデータを1つのレコード内にまとめて記録・管理するための仕組みです。ここではテーブルの基本的な構造や特長について例を交えながら解説していきます。
1レコード内で複数データを扱える構造
kintoneのテーブルの最大の特長は行として情報を増減できる「可変構造」を備えている点です。
従来のように同一項目を複数フィールドで並べて対応するのではなく、必要なだけの行を追加して記録していけるため、レコードの中で情報をグループ化したまま管理できます。
これにより、データの視認性が高まり情報の入力や確認がスムーズに行えるようになります。
また、入力時の手間を削減しながら後から見返す際も、ひと目で内容を把握できます。
履歴・明細・繰り返し項目をまとめて管理可能
kintoneのテーブルは繰り返し情報や履歴データの記録に特に向いています。
例えば、営業日報では訪問先や訪問目的、提出資料などを1行ずつ記録することで日ごとの行動を簡潔にまとめられます。
注文管理では商品ごとに単価や数量、小計を入力していく構成にすることで案件ごとの明細管理がしやすくなります。
さらに交通費精算や勤務時間の記録など1ヶ月分のデータをレコードとして集約するケースでも、テーブルは高い利便性を発揮します。
複数の入力を一括して管理できることで作業時間の短縮や記録ミスの削減にもつながります。
kintoneのテーブル機能を使うときの代表的な業務課題とは
kintoneのテーブルを使う前の運用では同じ情報を複数回記録する必要がある場合に似たようなフィールドを並べて対応するケースが一般的でした。
しかしこの方法では項目が増えるほど画面が煩雑になり入力作業の負担や視認性の低下が問題となります。
また、想定された件数を超えて入力することができず、急な対応が必要な場合には対応しきれないこともあります。
こうした課題に対してkintoneのテーブル機能は入力構造をより柔軟にし、業務ごとに最適な形でデータを管理できるようにしてくれます。
フィールドの増加による混乱を避けつつ必要な分だけ情報を記録できる点は現場の業務改善に直結する重要なポイントです。
画面を見ながらkintoneのテーブル構造を理解する
kintoneのテーブル機能は実際の画面で見て触れてみることでその仕組みや使い方がより自然に理解できます。
フォームの編集画面では左側にある「フィールド」一覧から「テーブル」を選び、フォーム上に配置すると縦方向に複数の行を持つエリアが現れます。
このエリアに「訪問時間」や「訪問先」など入力に必要なフィールドを横並びで加えていくことで1行ごとの入力構造が完成します。
完成したテーブルはレコードの登録画面で1つのまとまりとして表示され、右下の「+」ボタンで行を自由に追加できます。
例えば1日の訪問件数に応じて行を増やしたり不要な行を削除したりすることも簡単に行えます。
こうした構成によってテーブルは繰り返し情報の入力や明細管理をスムーズにし、1レコードの中で関連情報を整理して記録できるようになります。
実際の画面を確認しながら操作してみるとその柔軟さや視認性の高さを実感できるはずです。
kintoneのテーブルの設定手順
kintoneのテーブルは便利な機能である一方、設定方法を正しく理解していないと活用しきれないこともあります。
ここではkintone上でテーブルを追加・編集・保存・更新するまでの基本的な手順を説明します。
特に初めて設定する方でも迷わないよう画面構成や操作の流れを具体的に解説していきます。
kintoneのテーブルの配置とフィールド設定方法
kintoneのテーブルを利用するにはまずアプリのフォーム画面上にテーブルを追加しその中に必要なフィールドを配置する必要があります。
ここでは実際にどのようにテーブルを追加しフィールドの設定を行うかを紹介します。
テーブルの追加とフィールド配置
1. kintoneのアプリを開き、上部メニューから設定画面に進みます。
2. 画面左側の「フィールド」一覧から「テーブル」をドラッグアンドドロップでフォーム内に配置します。
3. 配置したテーブル内に、必要なフィールドを追加します。
営業日報アプリの場合は「時刻」「文字列(1行)」「添付ファイル」などが適しています。
フィールドの選択と名称変更
1. テーブルに追加した各フィールドにマウスを合わせ、右上に表示される歯車アイコンをクリックします。
2. 表示された設定画面で「フィールド名」を分かりやすい名称に変更します(例:「訪問時間」「訪問先」「訪問目的」など)。
3. フィールド名の入力後は必ず「保存」ボタンをクリックし、反映させます。
4. すべてのフィールド名を設定した後、フォームの見た目と名称に漏れがないか確認します。
5. テーブル自体にもフィールド名、フィールドコードの設定が可能です。
テーブル内フィールドの濃い部分よりも上に設定の歯車マークが表示されます。
「この行をテーブルにする」操作の補足
テーブルの設置方法として、フィールドを一つの行に配置してからテーブル化する方法もあります。
1. すでに複数のフィールドを横に並べて配置している状態でその行の右端に表示されるアイコンにカーソルを合わせ、「テーブルの設定」をクリックします。
2. 表示されるメニューから「この行をテーブルにする」を選択します。
3. 自動的にテーブル化されるので、その後テーブルの名称を入力し、「保存」します。
4. テーブル化したあとに、各フィールド名が目的に合った内容になっているかを確認し、必要に応じて修正します。
アプリの保存と更新方法
1. フォーム編集が完了したら、画面左上にある「フォームを保存」ボタンをクリックします。
2. 続けて、画面右上の「アプリを更新」ボタンをクリックします。
3. 「アプリの変更を運用環境に適用します。よろしいですか?」という確認画面が表示されたら、「アプリを更新」を選択して反映させます。
4. アプリの一覧画面に戻り、設定内容が反映されているか、レイアウトやフィールドの誤りがないかを確認します。
テーブル利用時の基本操作
1. アプリのレコード一覧画面から「+」ボタンをクリックし、新規レコードの登録画面を開きます。
2. テーブル内に必要事項を入力します(例:訪問先の時間・場所・目的など)。
3. 追加したい行数に応じて、テーブル内の「+」ボタンをクリックし、入力行を増やします。
4. 不要な行がある場合は、各行の右側にある「削除」アイコンをクリックして削除します。
5. 入力が完了したら「保存」をクリックし、レコードを登録します。
業務アプリ別のkintoneのテーブル活用事例とメリット
kintoneのテーブルは設定のしやすさに加えて多くの業務アプリで実践的に活用されている点が大きな魅力です。
用途に応じて適切なレイアウトやフィールド構成を設計することで日々の入力作業やデータ整理の効率が飛躍的に向上します。
この章では訪問記録や注文管理、交通費精算、問い合わせ対応など現場で実際に使われている業務アプリを例に挙げながらテーブルの具体的な活用シーンとそのメリットを解説していきます。
自社での活用イメージを描くためのヒントとしてぜひ参考にしてください。
訪問記録・日報管理
営業やフィールドスタッフが日々行う訪問記録を効率よく管理するのにテーブルは最適です。
テーブル内に訪問時間や訪問先、目的、提出資料などを1行単位で整理できるため情報の記録と確認が非常にしやすくなります。
訪問時間・目的・資料添付などを1画面で完結
例えば、訪問時間を「時刻」フィールドで、訪問先や目的を「文字列(1行)」で、資料添付を「添付ファイル」で構成することで、1つの行の中に訪問のすべての情報を収められます。
これにより担当者は1画面内でその日の活動を一覧でき報告内容を把握しやすくなります。
行数の柔軟な追加による入力効率化
訪問件数が日によって異なる場合でも「+」ボタンで行を追加するだけで対応できます。
入力作業が定型化しやすく無駄な空欄やフィールドの増設が不要になるため、入力者の負担が減り報告の精度向上にもつながります。
注文・見積業務の明細管理
テーブルは注文処理や見積作成といった複数商品の明細を扱う業務にも高い効果を発揮します。
1行につき1商品を入力する構成にすることで注文内容の可視化と金額管理の効率が向上します。
商品ごとの単価・数量・小計を一括入力
テーブルに「商品名」「単価」「数量」「小計」といった項目を設定すれば1行単位で明細を入力・確認できます。
これにより1つの注文に対する全体像を整理しながら把握でき、見積や請求書の作成もスムーズに行えるようになります。
注文内容に応じて行数を自由に追加可能
取引ごとに必要な商品数が異なる場合でも行を自在に追加するだけで柔軟に対応できます。
フィールドを固定数用意する必要がないため、アプリの保守や再設計の手間も減り運用負荷が軽減されます。
交通費や勤務時間の月次集計
毎月の経費精算や勤務状況の記録を1レコード内でまとめて管理する場合にもテーブルは非常に有効です。
日ごとの記録を行単位で並べて管理し、合計値の自動計算まで対応できます。
1ヶ月の勤務や移動履歴をレコードで管理
テーブルに「日付」「区間」「交通手段」「金額」「勤務時間」などの項目を並べることで、1か月分の行動履歴を1レコードに集約できます。
Excelに頼らずクラウド上で履歴を一元管理できるようになるため申請や確認業務も効率化されます。
合計金額や時間の自動集計
数値フィールドに計算式を設定すればテーブル内の「交通費合計」や「勤務時間の合計」を自動で算出することができます。
これにより集計作業の手間が省けるだけでなく、計算ミスも防止できるというメリットがあります。
問い合わせ・資料変更履歴の記録
やり取りが複数回発生する業務では、履歴を蓄積する目的でもテーブルは有効です。
特に問い合わせ対応や資料の改訂記録など、時系列での管理が必要な業務で役立ちます。
やりとりや更新履歴を1レコードに蓄積
1回の問い合わせに対して対応日時・担当者・対応内容・添付ファイルをテーブルに記録していけば、すべてのやりとりが時系列で整理されていきます。
これにより、誰がいつ何を対応したのかを簡単に追跡できるようになります。
検索性と一覧性を両立した履歴管理が可能
テーブル内の履歴は1レコードの中でまとまって表示されるため、画面上で全体の流れを把握しやすくなります。
また、条件による検索やフィルタリングも行えるため過去の対応内容を迅速に抽出でき、問い合わせ対応の質も向上します。
kintoneのテーブル機能の制限と対処法
kintoneのテーブル機能は非常に柔軟で便利な一方でいくつかの制限事項が存在します。
事前にこれらの仕様を把握しておくことで運用途中のトラブルや想定外の制約による設計変更を防ぐことができます。
この章ではテーブル機能で注意すべき制限とそれらを補完するための具体的な工夫について解説します。
制限はあるものの代替手段や外部ツールとの連携によって現場の要件を十分に満たす構築は可能です。
kintoneのテーブル機能の制限事項一覧
kintoneのテーブルには主に3つの制限があり、利用時にはこれらの仕様に沿って設計する必要があります。
ここでは代表的な制限内容を整理しそれぞれの具体的な影響について解説します。
一度作成すると削除・移動ができない構造的制限
テーブルそのものはフォーム上で自由に移動することができますが、一度保存したテーブル内のフィールドはテーブル外や別のテーブルへ移動することができません。
そのため、配置後にやはり別の場所で使いたいという場合でも元のフィールドをそのまま流用することはできず、新たにフィールドを作り直す必要があります。
特に、すでに運用中のアプリでテーブル構成を変更しようとするとデータの再入力や構成の見直しが必要になる可能性があるため、導入前の設計段階でフィールドの構成や配置場所を慎重に検討することが重要です。
非対応のフィールド(ラベル・スペース等)
テーブルの内部には使用できないフィールドがあります。以下のフィールドはテーブル内に配置できません。
- 既に使用されているフィールド
- ラベル
- 関連レコード一覧
- スペース
- 罫線
- グループ
- テーブル自身
- レコード番号
- 作成者・更新者
- 作成日時・更新日時
また、ルックアップフィールドはテーブル内に設置可能ですが「コピー元のフィールド」や「ほかのフィールドのコピー」には他アプリのテーブル内のフィールドを指定することはできません。
同様にテーブル内のフィールドが指定できないものとして、関連レコードの「表示するレコードの条件」、レコードタイトル、フィールドのアクセス権などがあります。
一覧表示での制限
テーブルに登録された行の情報はアプリのレコード一覧画面にそのままは表示されません。
テーブルのフィールドを一覧画面に設定することで「表示する」ボタンをクリックして中身を表示することはできますが一覧画面上に常時展開して表示することはできません。
そのため、データの比較や条件抽出をレコード一覧で行いたい場合は拡張機能やテーブル外のフィールドに一部情報を重複保持するなどの工夫が必要になるケースがあります。
制限を超えるための工夫
制限事項を踏まえたうえで補完・回避するために現場で実践されている工夫も多数存在します。
ここではよく使われる2つの対応策を紹介します。
ルックアップや自動取得を実現する方法
テーブル内に対してでもJavaScriptや外部サービスとの連携を用いればルックアップ機能のような自動データ取得を実装することが可能です。
例えば、日報アプリの明細テーブルから特定の行だけを取得するような構成もJavaScriptカスタマイズによって対応できます。
また、cybozu developer networkで公開されているサンプルコードやREST APIを活用した連携方法を参考にすることで基本機能では補えない動作も再現可能です。
並び替えや初期値設定を補完するプラグイン
テーブルに対して柔軟な並び替え機能やレコード追加時にテーブルに複数行を初期値として自動入力などを実現したい場合、kintone向けの有料・無料プラグインを活用することも選択肢のひとつです。
例えば、特定の条件でフィールドに初期値を入力したり、テーブル内の行を特定の基準でソートしたりといった操作は、カスタマイズよりも簡単に導入できます。
こうしたプラグインを導入する際は、自社のセキュリティポリシーやメンテナンス性を考慮しながら目的に応じた製品を選定することが大切です。
このようにkintoneのテーブルにはいくつかの制限があるものの事前の理解と適切な対処により業務要件を満たす柔軟な運用は十分に実現可能です。
kintoneのテーブル機能を拡張するおすすめプラグイン
kintoneのテーブルは明細や履歴を1レコード内でまとめて管理できる便利な機能ですが、基本機能だけではカバーできないケースも存在します。
弊社が提供するプラグインの中には、テーブルと組み合わせて活用することで業務をさらに効率化できる製品があります。
ここではテーブル活用に相性の良いプラグインを目的別に紹介します。
ルックアップデータをテーブル内に反映したいとき
ルックアップコピー先反映プラグイン
ルックアップ元アプリで編集した内容をルックアップ先アプリに自動で反映できます。例えば、商品マスタの商品名や単価の更新があった場合にそれをルックアップしている見積もりアプリにも反映したい場合に活用できます。
ルックアップ自動取得プラグイン
アプリアクションでコピーするフィールドにルックアップがある場合、基本的には手動で取得ボタンを押していく必要がありますが、この作業を自動化できます。
明細テーブルに商品マスタのルックアップがある見積書を複数パターン作る際にアプリアクションを使うような場合に便利です。
テーブル情報の検索性を高めたいとき
横断検索プラグイン
複数のアプリにまたがってテーブル内の情報も含めて検索できるようになります。
対応履歴や注文明細などが複数のアプリに分かれている場合でも、横断的に情報を探せるようになります。
これらのプラグインは、テーブルの弱点を補完し、業務アプリの操作性と精度を大きく向上させてくれます。
それぞれのプラグインは無料トライアルや無料版もございますので是非導入前に業務ニーズとの適合を確認にお使いください。
プラグイン名 | 主な用途・特徴 | 活用シーン | 公式URL |
ルックアップコピー先反映プラグイン | ルックアップ後に、コピー元の値をテーブル内フィールドに一括反映 | 商品マスタ連携・単価自動反映・備品情報の一括取得 | https://smartat.jp/kintone-solution/copy/ |
ルックアップ自動取得プラグイン | ルックアップ選択に連動して他フィールドに自動入力(例:商品名選択→単価反映) | 注文明細の自動入力・在庫情報の反映・取引先住所の自動表示 | https://smartat.jp/kintone-solution/lookup/ |
横断検索 プラグイン |
複数アプリにまたがってテーブル内データを含む横断的検索が可能 | 顧客対応履歴・案件進捗の一括検索・アプリを超えた明細追跡 | https://smartat.jp/kintone-solution/crosssearch/ |
プラグインについてのお悩みや導入後の運用についてお悩みの方はご相談ください。
お問い合わせはこちらkintone テーブル機能でよくある質問と実務に役立つTips
kintoneのテーブルを実務で活用していく中でユーザーから頻繁に寄せられる質問があります。
これらの疑問は多くの現場で共通して発生するものであり、あらかじめ回答を把握しておくことでスムーズな運用やカスタマイズの判断に役立ちます。
この章ではテーブル機能に関する代表的な質問に対し、現実的な制約や解決策を踏まえながら簡潔に解説していきます。
行数の制御・初期値設定の方法は?
基本機能ではテーブルの行数を事前に制限したり、あらかじめ特定の行を表示させたりするような細かな制御はできません。
初期状態ではテーブルは1行のみ表示され利用者が手動で行を追加する仕様になっています。
ただし、JavaScriptカスタマイズを行うことで初期表示行数を固定したり、特定のフィールドに初期値を自動入力させたりすることは可能です。
また、プラグインを使えばコード不要で初期行数の設定や自動入力機能を追加できるものもあります。
ルックアップで値を取りたいときは?
テーブル内に配置したルックアップフィールドでも基本的なデータの取得は可能ですが外部フィールドからの「コピー元」設定や他のフィールドへのデータ連携には一部制限があります。
そのため、複数項目を一括で取得・反映させたい場合や他のフィールドへ値を自動で渡したい場合にはJavaScriptやプラグインによる対応が必要です。
ルックアップの仕様に沿った設計を行うことが制限を回避しながら効率的な連携を実現するポイントです。
レコードの一覧表示にテーブルを表示できる?
テーブルに入力された内容はアプリのレコード一覧画面に直接展開表示することはできません。
レコードの一覧画面ではテーブル内のデータは初期状態では非表示となっており、「表示する」ボタンを押すことでそのレコードのテーブル内容のみが表示されます。
そのため、一覧画面で特定の項目だけでも確認したい場合にはテーブル内容も表示できる一覧を作れるプラグインを使う、テーブル外に重複フィールドを用意し代表的な値を転記・同期させるなどの工夫が必要です。
また、データ出力や分析にはCSV出力機能やグラフ機能を組み合わせるのが有効です。
テーブルで自動計算したいときは?
テーブル内の数値を使って合計や平均などを算出する場合、フィールドにあらかじめ計算式を設定することで自動計算が可能です。
例えば「数量 × 単価」で小計を出したり、複数行の金額を合計したりしてテーブル外の合計金額欄に表示することができます。
計算式の記述はkintoneの基本機能で対応しており特別なスクリプトは不要です。
ただし、複雑な条件分岐や他フィールドの値に応じた計算をしたい場合はJavaScriptやプラグインの活用を検討することでより柔軟な自動化が可能になります。
まとめ
kintoneのテーブル機能は繰り返し情報の入力や履歴の蓄積、明細の管理など実務で頻出する業務課題に対して非常に有効な解決手段となります。
1つのレコード内で複数行のデータを扱える構造により入力作業の効率化だけでなく情報の整理や視認性の向上にもつながります。
また、訪問記録や注文管理、交通費精算など、用途ごとの具体的な活用事例からも分かるように、kintoneのテーブルは業務アプリの汎用性を大きく広げる機能です。
一方で、制限や非対応フィールドが存在するため、導入時には設計段階での注意や、プラグイン・JavaScriptなどを用いた工夫が必要になる場面もあります。
本記事を通じて、kintoneのテーブル機能の基本構造や導入効果、業務への応用、そして制限とその対処法について理解が深まり、自社での活用イメージを具体化する手助けになれば幸いです。
kintoneのテーブルを適切に活用することで、日常業務の質とスピードは確実に変わっていきます。
弊社では、様々なkintoneプラグインの提供や、kintoneを活用したシステム開発など、幅広く対応しております。
具体的なkintoneプラグインの機能やシステム開発のご相談をご希望の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら 資料ダウンロードはこちら 無料トライアルはこちら