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kintoneプラグイン完全ガイド|業務効率化に役立つおすすめ機能と導入手順を徹底解説
「kintoneを導入したけれど、思ったほど業務改善が進まない」とお悩みではありませんか?
そんな課題を解決する強力なツールが、「kintoneプラグイン」です。標準機能では実現できない柔軟なカスタマイズや自動化を、ノーコードで簡単に追加できるのが最大の魅力。とはいえ、「どのプラグインを選べば良いか分からない」「導入方法が複雑そう」といった声も多く聞かれます。
そこで本記事では、kintoneプラグインの基本から用途別おすすめプラグイン、導入・設定手順、注意点、さらには開発や導入事例までを網羅的に解説します。プラグイン活用によってどのように業務が変わるのか、具体的なイメージを掴んでいただけるはずです。
kintoneの利便性を最大限に引き出したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
また、まずはkintoneについて詳しく知りたい方はこちらの記事をまずはご覧ください。
kintone プラグインとは何か
kintoneは業務アプリをノーコードで作成できるクラウド型の業務改善プラットフォームです。多機能で柔軟な設計が可能ですが、標準機能だけでは対応しきれないニーズも少なくありません。そこで注目されているのが「kintoneプラグイン」です。
kintoneプラグインとはkintoneに追加機能を手軽に導入できる拡張モジュールのことです。特定の操作を自動化したり、入力補助やUI改善を行ったりするなど、ユーザーの業務効率を飛躍的に高めてくれます。しかもプログラミング不要で利用できるものが大半のため、非エンジニアでも簡単に導入・設定が可能です。
本章ではまずkintoneプラグインが提供する基本機能と、その導入が進んでいる背景について詳しく解説します。
kintoneプラグインの基本機能とは
kintoneプラグインには標準機能ではカバーしきれない多様な機能が揃っています。業務の効率化や正確性の向上を目的としており、導入することで現場の作業負担が大幅に軽減されます。ここでは代表的な機能を6つのカテゴリに分類し、それぞれの特徴を表で整理します。
機能カテゴリ | 主な機能内容 | 効果・特徴 |
検索機能の拡張 | 複数条件検索、横断検索(複数アプリ対象) | 複雑な検索ニーズに対応し、情報抽出を迅速化 |
通知・リマインド機能の強化 | 既読チェック、メール自動送信など | 確実な情報伝達により、対応漏れ・二重対応を防止 |
入力補助・自動化 | ルックアップの自動反映、採番、文字列の自動結合 | 入力作業の時間短縮とミス削減を実現 |
UI・表示制御の改善 | 条件に応じた表示切替、一覧表示のカスタマイズ | 見やすさや操作性を向上させ、ユーザーの負担を軽減 |
ファイル管理・出力支援 | CSV出力、アクセスログ記録、添付ファイルの分類・整理 | データ管理や情報整理を効率化し、外部との連携もしやすくなる |
集計・可視化機能の追加 | レコード集計、グラフ出力(棒グラフ・円グラフなど) | データを視覚化し、分析や報告業務をサポート |
kintoneプラグインが注目されている背景
kintoneプラグインが急速に注目されるようになった背景には、社会全体のノーコード化・DX推進の流れがあります。
近年企業のITリソース不足が課題となる中、現場部門が自ら業務アプリを改善できるツールとして、kintoneのようなプラットフォームが選ばれるようになりました。しかしkintoneの標準機能では限界もあり、「もう一歩の改善」が実現できないケースも多々あります。
そこで、柔軟なカスタマイズが可能かつノーコードで導入できるプラグインが重宝されています。特に以下のような点が評価されています。
- 属人化の解消:手作業によるミスや担当者依存の業務を自動化できる
- 開発コストの抑制:ゼロからJavaScriptで拡張開発をせずに済む
- 導入のスピード感:インストールと設定だけで即日利用が可能な場合も多い
用途別で探すkintoneプラグイン一覧
kintoneプラグインの利点のひとつは、業務目的に応じて柔軟に機能を追加できる点です。しかし「数が多すぎて選べない」「自社に最適なものが分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本章ではkintoneプラグインを業務用途別に分類し、それぞれの課題に応じたおすすめプラグインを紹介します。目的から選べるように整理することで、導入判断をスムーズに行えるようになります。
ここからは前述した6つの主要機能別にそれぞれのプラグインについて解説します。
検索・フィルター機能を強化するプラグイン
kintoneの標準検索では「検索するためのステップが多い」といった課題があります。また直感的な検索や、アプリをまたいだ横断検索を実現したい場合は、専用のプラグインを活用するのが効果的です。ここでは弊社が提供する検索機能を補完する2種類の代表的なプラグインを紹介します。
検索拡張プラグイン|複数条件の柔軟な検索を実現
kintoneの標準検索では検索するためのステップが多く、ユーザーが使いこなせない場合があります。検索拡張プラグインを導入することで一覧画面上から詳細な検索が可能になり、目的のデータにスピーディーにたどり着けます。
また、ドロップダウンやチェックボックス形式で検索条件を設定できるため操作も直感的です。案件の絞り込みや問い合わせ履歴の検索など、さまざまな業務で活用されています。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 検索拡張プラグイン |
特徴 | AND/OR条件を自由に組み合わせた検索が可能。UIもシンプルで扱いやすい |
主な用途 | 案件進捗管理、対応履歴の検索、各種申請の抽出など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/search/ |
横断検索プラグイン|アプリをまたいだ一括検索が可能
業務で複数のアプリを使って情報を管理している場合、横断的に情報を検索できないのは大きな非効率です。横断検索プラグインを活用すれば、異なるアプリに登録された情報を一括で検索でき関連性のあるデータを一目で確認できます。
複数アプリに散在している顧客情報や対応履歴をまとめて抽出したいときに特に有効で、情報収集の手間を大きく削減します。情報がアプリごとに分かれている運用環境では、必須の機能と言えるでしょう。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 横断検索プラグイン |
特徴 | 複数アプリに対して同時に検索可能。結果は一覧形式で表示され操作もスムーズ |
主な用途 | 顧客管理と対応履歴の一括確認、契約状況や請求データの集約検索など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/crosssearch/ |
通知・リマインドを自動化・強化するプラグイン
kintoneの通知機能は便利ですが標準機能だけでは既読確認ができなかったり、通知対象やタイミングを柔軟に設定できなかったりと実運用において不十分な場面も多くあります。
こうした課題を解消するのが通知やリマインドの自動化を目的としたプラグインです。対応漏れの防止や社内連携のスムーズ化に役立つため、業務の正確性とスピードを同時に高められるのが特徴です。ここでは弊社が提供する通知の確実性を高める2つの代表的なプラグインをご紹介します。
既読チェックプラグイン|通知既読の可視化で漏れ防止
kintoneの標準通知は対象者に通知ができますが、「相手が読んだかどうか」を可視化することはできません。既読チェックプラグインを導入すれば、通知の開封状況を一覧で管理できるようになり情報伝達の確実性が飛躍的に向上します。
「誰が未確認なのか」が一目でわかるため、重要なアナウンスや期日通知などで見落としが許されない業務には特に有効です。結果として対応の遅延やトラブルを未然に防ぐことが可能となります。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 既読チェックプラグイン |
特徴 | 通知に対する既読・未読を一覧で管理。未読者へのリマインド機能も搭載 |
主な用途 | 重要連絡の通知状況確認、社内ルール変更の周知、期日リマインドなど |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/read/ |
メール一斉送信プラグイン|メール通知の自動化に最適
kintoneの標準機能では複数ユーザーに対してメールを一括送信することができず、通知手段が限られてしまいます。メール一斉送信プラグインを導入すれば、複数人にカスタマイズされたメールを一括送信することが可能です。
定型文の自動送信にも対応しているため、催促メールや定期報告など繰り返し行う連絡業務を自動化できます。結果として情報伝達の効率と正確性を大幅に向上させることができます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | メール一斉送信プラグイン |
特徴 | レコード情報をもとにメールを一括送信。送信先・本文の自動設定も可能 |
主な用途 | 一斉連絡、定期的なフォローアップ、契約更新通知など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/mail_send/ |
入力補助・自動処理に役立つプラグイン
日々の業務でkintoneを使っていると、「同じ内容を何度も入力する」「入力ミスが頻発する」「一意の番号を都度手作業で付けている」といった課題に直面することがあります。こうした手間やヒューマンエラーを削減するためには、入力補助や自動処理を行うプラグインの導入が有効です。
ここでは入力の効率化と自動化を支援する代表的なプラグインを4つ紹介します。
ルックアップコピー先反映プラグイン|入力項目の自動反映
ルックアップのコピー元のデータを更新したときに、コピー先のフィールドに自動で反映させるプラグインです。例えばコピー元の顧客の住所や電話番号を変更した際に、コピー先の情報を一括更新します。これにより、転記ミスや手作業による負荷を軽減でき、入力作業を大幅に効率化します。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | ルックアップコピー先反映プラグイン |
特徴 | ルックアップのコピー元の変更情報をコピー先へ一括反映 |
主な用途 | 顧客情報・取引先情報の更新、繰り返し入力項目の簡略化 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/copy/ |
ルックアップ自動取得プラグイン|ルックアップデータの自動連携
レコードの再利用やアクション機能での新規作成時で、ルックアップフィールドに値が入っていたときに、ユーザーがルックアップの取得ボタンを押さなくても、自動的にルックアップ元の情報を取得するプラグインです。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | ルックアップ自動取得プラグイン |
特徴 | ルックアップ元の情報を自動取得。データ選択の手間を省略 |
主な用途 | 商品情報・担当者情報の即時表示、情報の選択ミス防止 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/lookup/ |
文字列結合プラグイン|複数フィールドの結合を簡単に設定
複数の文字列フィールドの値を連結して、1つの出力項目にまとめたい場合に活用できるプラグインです。氏名を「姓+名」でまとめたり、住所情報を一行にまとめたりといった使い方が可能で、帳票出力やデータ整理時にも役立ちます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 文字列結合プラグイン |
特徴 | 任意の文字列や記号を挟みながら複数フィールドの値を結合 |
主な用途 | 氏名・住所・コードの連結、帳票用の出力整形 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/combination/ |
自動採番プラグイン|一意の番号を自動付与
申請番号や伝票番号など、レコードごとに一意の番号を付けたいときに活躍するプラグインです。重複の心配がなくフォーマット(例:YYYY-001)も柔軟に設定できるため、さまざまな業務フローに対応できます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 自動採番プラグイン |
特徴 | 一意の連番を自動発番。接頭辞・日付フォーマットのカスタマイズにも対応 |
主な用途 | 申請番号・伝票番号の自動付番、業務ログや帳票管理の一元化 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/auto-number/ |
表示・UI改善に活用できるプラグイン
kintoneはノーコードで業務アプリを構築できる柔軟性が魅力ですが、表示のカスタマイズ性については標準機能では限界があります。
「条件に応じて項目の表示・非表示を切り替えたい」「見やすい一覧画面にしたい」といったニーズを実現するには、UI改善に特化したプラグインの導入が有効です。視認性や操作性を高めることで、ユーザーのストレスを減らし、業務効率も向上します。
ここからは、弊社が提供する表示制御や一覧画面のカスタマイズに役立つ2つの代表的なプラグインをご紹介します。
表示切り替えプラグイン|条件に応じた表示制御
レコードの値やユーザーの権限などに応じて、フィールドの表示・非表示を切り替えられるプラグインです。例えば特定のステータスのときだけ備考欄を表示したりと、制御が可能になります。
また、業務ルールに基づいた表示設計ができるため入力ミスや混乱の防止にもつながります。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 表示切り替えプラグイン |
特徴 | 条件設定に応じて任意のフィールドを動的に表示・非表示 |
主な用途 | ステータス別の入力画面制御、権限別の表示制御、作業ステップに応じた表示切替 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/switching/ |
一覧拡張プラグイン|一覧画面でのレコード表示件数を増やせる
標準の一覧ビューでは、レコードの行の幅が広く一度に情報を把握しづらいという課題があります。一覧拡張プラグインを使えばカスタムビューを用意して、レコード件数が多い一覧画面を表示できます。
これにより必要な情報を一度に確認することができ、情報確認の効率が向上します。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 一覧拡張プラグイン |
特徴 | 一画面に多くのレコードを表示できる |
主な用途 | 部門別の情報確認、要注意データの確認など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/customview/ |
出力・ファイル管理に活用できるプラグイン
kintoneはクラウド上でデータを管理するプラットフォームですが、実務では「ログを残したい」「CSVで出力したい」「添付ファイルを整理したい」といった外部出力やファイル管理のニーズも少なくありません。
標準機能にも機能はありますが、出力・ファイル管理に特化したプラグインを活用することで、データの二次利用や証跡管理がより便利になります。
ここからは記録・出力・ファイル整理に役立つ3つの代表的なプラグインをご紹介します。
アクセスログ出力プラグイン|ユーザー操作を記録・可視化
誰が・いつ・どのような操作を行ったかをログとして自動記録できるプラグインです。kintoneの標準機能である監査ログ機能や変更履歴機能で履歴の把握ができますが、一部取得できないデータもあります。このプラグインを使えばユーザー単位・日時単位での操作履歴を一覧出力できます。情報管理が厳しい業種や、業務改善の分析にも役立ちます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | アクセスログ出力プラグイン |
特徴 | 閲覧ログを自動記録。閲覧・編集・削除といった操作内容も可視化可能 |
主な用途 | 内部統制対応、ユーザー行動の可視化、証跡管理、セキュリティ強化など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/log/ |
CSV出力設定プラグイン|出力対象の柔軟な設定が可能
標準のCSV出力機能は出力したいユーザーに権限を持たせれば、データの出力が可能です。しかし、標準機能の権限を渡すと、出力させたくない情報が入ったフィールドの情報を設定できてしまいます。このプラグインでは出力対象の項目や並び順を自由に設定し、設定したフィールドの情報だけをユーザーが出力できるように設定ができます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | CSV出力設定プラグイン |
特徴 | 出力項目の選択・並び替え、出力フィールドの制限。条件設定による絞り込み出力も可能 |
主な用途 | 帳票作成、会計・人事など外部連携用データ出力、月次報告など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/outputset/ |
ファイル管理プラグイン|添付ファイルの分類・整理を支援
kintoneに添付されたファイルが増えると、どこに何があるか把握しづらくなることがあります。ファイル管理プラグインを使えば、使い慣れたエクスプローラ画面に添付ファイルを種類別や条件別に分類・表示できるようになり、管理性が大幅に向上します。また、ドキュメントの更新漏れや誤送信リスクの回避にも役立ちます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | ファイル管理プラグイン |
特徴 | 添付ファイルを条件別に分類・整理。表示順や閲覧権限のカスタマイズも可能 |
主な用途 | 契約書・申請書などの分類、社内文書の管理、顧客資料の一元整理 |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/file/ |
集計・分析に役立つプラグイン
kintoneには標準でグラフ表示や一覧集計の機能が備わっていますが、複雑な条件による集計や複数項目の横断的な分析には限界があります。そのような場合に役立つのが、集計・分析に特化したプラグインです。視覚的にわかりやすい形でデータを把握できるようになるため、報告業務や意思決定のスピードが大きく向上します。
ここからは、弊社で提供している記録されたデータを効率的に集計・可視化するための代表的なプラグインを紹介します。
集計プラグイン|レコード集計とグラフ化を効率化
日々蓄積されるレコードを条件別・項目別に自動で集計し、一覧画面上に集計値を表示できるプラグインです。実績管理や傾向分析などに最適です。集計業務の省力化と視認性向上により、情報把握の手間も大幅に削減されます。
項目 | 内容 |
プラグイン名 | 集計プラグイン |
特徴 | レコードの自動集計。条件設定や複数フィールドの集計も対応 |
主な用途 | 営業成績の集計。部門別の業務件数の集計、アンケート結果の集計など |
サービスページ | https://smartat.jp/kintone-solution/aggregate/ |
kintoneプラグインの4つの選定基準
kintoneプラグインは便利な機能が多数ありますが、「何を基準に選べばいいのか分からない」「導入後に想定外の不具合が起きた」という声も少なくありません。目的や課題に合致しないプラグインを選んでしまうと、かえって業務の妨げになるリスクもあります。
そのため導入前にはいくつかの観点からしっかりと比較・検討を行うことが重要です。ここからはプラグイン選定時に押さえておくべき4つの判断ポイントを詳しく解説します。
業務課題に適合しているかを確認する
プラグイン選定の第一歩は「なぜ導入するのか」という目的を明確にすることです。多機能なプラグインであっても、自社の業務課題に合致していなければ意味がありません。例えば「申請の入力ミスが多い」「進捗状況の見える化ができていない」といった具体的な悩みに対して、プラグインがどのようにその課題を解決してくれるのかを見極めましょう。
機能そのものよりも「業務フローの中でどこに効果があるか」を意識した選定が大切です。
設定のしやすさとサポート体制を比較する
導入のハードルを下げるうえで重要なのが、設定の簡便さとベンダーのサポート体制です。ノーコードで設定できるプラグインであれば、ITに不慣れな現場担当者でも柔軟に使いこなせます。
また、操作マニュアルが整備されているか、困ったときに問い合わせできる窓口があるかも重要な判断材料です。長期的に使っていく上で、サポートの質が運用の安定性に直結します。
費用対効果と無料トライアルの有無をチェック
プラグインの中には無料で使えるものもあれば、月額費用や初期導入コストが発生する有償タイプもあります。コスト面だけで判断するのではなく、「どれだけの業務改善効果が見込めるか」を冷静に比較しましょう。
時間削減や人的ミスの回避など、定量的に効果を測れる観点を意識すると判断しやすくなります。また、可能であれば無料トライアルで実際の操作感や機能のフィット感を検証してから本導入するのがおすすめです。
他の拡張機能との干渉がないかを見極める
kintoneは柔軟に拡張できる反面、複数のプラグインやJavaScriptを併用すると機能が競合して動作不良が起こることがあります。特に画面制御系や自動処理系のプラグインは、同じタイミングで動作しようとするとバッティングしやすいため注意が必要です。
導入前にすでに使用中の拡張機能と併用実績があるか、プラグインベンダーのサポートに確認を取るのが安全です。不具合が起きた場合に備えて、テスト環境での事前検証も推奨されます。
kintoneプラグインの導入方法と設定手順
kintoneプラグインは「インストール → 設定 → テスト」という流れで比較的簡単に導入できますが、導入の手順を正しく理解していないと、うまく動作しなかったり既存アプリに影響を及ぼしたりする可能性もあります。
本章ではプラグイン導入が初めての方でも迷わないよう、導入から設定、アンインストール時の注意点までをステップごとに解説します。
インストールの流れ
プラグインの導入は主に「kintoneシステム管理」と「kintoneアプリ設定画面」から行います。以下の手順で進めるとスムーズです。
1. プラグインファイル(.zip形式)を用意
kintoneプラグインは提供元の公式サイトで申し込みをすることなどでダウンロードできます。.zip形式で配布されており、インストールに必要な構成ファイルが格納されています。あらかじめローカル環境に保存しておきましょう。
2. kintoneの管理画面にログインし、[kintoneシステム管理] → [プラグイン]を選択
kintoneのトップ画面から「歯車マーク」をクリックし、「kintoneシステム管理」内の「プラグイン」クリックします。ここでプラグインのアップロード・管理が行えます。個別アプリに追加する前段階として、ここで全社管理用に一括登録しておく流れです。
3. 「読み込む」ボタンから、事前に取得したプラグインファイルをアップロード
「読み込む」ボタンをクリックし.zipファイルを選択してアップロードします。アップロードが成功すると、一覧に該当プラグインが追加され、社内全体または特定アプリに割り当て可能な状態になります。エラーが出た場合はファイル形式や構成を再確認しましょう。
4. プラグインを利用するアプリで[アプリの設定] → [プラグイン]を開き、対象プラグインを追加
次にプラグインを使いたいkintoneアプリを開き、「歯車アイコン」→「アプリの設定」→「プラグイン」の順に進みます。ここで先ほど追加したプラグインを選択し、対象アプリに適用します。この段階でまだ有効化は完了していません。
5. アプリの更新をすることで、プラグインの有効化が完了します
プラグインの追加後、アプリ設定画面右上の「アプリの更新」ボタンをクリックすることで変更が反映されます。これによりアプリにプラグインが適用された状態となり、画面上でプラグインの設定項目や動作を確認できるようになります。
設定画面の使い方
プラグイン追加後は、各プラグインごとに設定画面で詳細な挙動を定義します。設定は画面上の項目に従って選択や入力を進めるだけで完了し、多くのプラグインがノーコードで利用できる設計になっています。動作確認はアプリの動作テストで確認ができます。
アンインストールの注意点
kintoneプラグインをアンインストールする際は、ただ削除するだけでなくその影響を十分に把握した上で作業を行う必要があります。プラグインはアプリの挙動に深く関わるため、不用意な削除は業務に支障をきたすリスクがあります。ここではアンインストール時に特に注意すべきポイントを3つの観点で解説します。
プラグイン削除による業務影響を事前に確認する
プラグインが提供していた機能(自動入力、表示制御、通知処理など)が停止すると、業務フローに支障をきたすことがあります。特にプラグインに依存していた自動化処理や画面制御が突然無効になると、利用者が混乱し入力ミスや抜け漏れの原因にもなりかねません。
削除前に対象アプリの利用者や関連業務への影響を事前に洗い出すことが重要です。
プラグイン設定のバックアップを取っておく
一部のプラグインでは設定内容がkintone上に保存されない、またはアンインストールと同時に設定情報が初期化されることがあります。再インストールや他アプリへの転用を検討している場合は、設定画面のスクリーンショットや入力内容の記録を残しておくと安心です。
設定情報が複雑なプラグインほど、この作業が後々の工数削減につながります。
削除後はアプリの再利用と動作確認を忘れずに
アンインストール作業が完了したら、対象アプリの「アプリの更新」操作を必ず実行してください。これによりプラグインに依存していた設定が正しく解除されます。
また、削除後は実際の入力画面や表示制御の挙動を確認し不具合がないかをチェックしましょう。ユーザーに事前周知しておくことで混乱も最小限に抑えられます。
kintoneプラグイン導入後の注意点
プラグインは導入すれば終わり、というものではありません。実際の運用フェーズではkintone本体のアップデートや利用環境の変化に対応しながら、継続的に安定稼働させることが求められます。
この章ではプラグイン導入後に起こり得るトラブルを未然に防ぐために確認しておくべき注意点を3つの視点から解説します。
互換性とバージョンアップ対応
kintoneは定期的にアップデートが行われており、新しい機能追加や仕様変更がなされることがあります。その際利用中のプラグインがアップデートに追従していないと、正しく動作しない・設定画面が開けない・エラーが発生するといった不具合が生じることがあります。
プラグインを選定・導入する際は、以下のような点を確認しておくと安心です。
- 提供元がkintoneの最新バージョンに随時対応しているか
- 更新履歴やアップデート情報が公式サイトに掲載されているか
- プラグインの最終更新日が1年以上前などで放置されていないか
導入後は定期的にkintoneとプラグインのバージョン情報を確認し、必要に応じて更新を行いましょう。
アクセス権限・セキュリティ設定
kintoneプラグインを導入する際に見落とされがちなのが、アクセス権限やセキュリティ設定との関係です。
例えば特定のユーザーには見せたくないフィールドが、プラグインを設定する過程で表示してしまうことがあります。また管理者のみが操作すべきボタンや機能が、一般ユーザーにも表示されてしまうケースもあります。さらに添付ファイルの分類や出力先の変更が、権限のないユーザーにも許されてしまうような設定ミスも起こり得ます。
このようなリスクを避けるには、プラグインを導入した後に必ずkintone側のアクセス権限・フィールド権限・アクション権限を一通り見直すことが必要です。情報漏洩や誤操作を未然に防ぐためには、最小限の権限で必要な業務が遂行できるよう権限の再設計と動作確認を徹底することが求められます。
運用後のトラブル時の対応フローを事前に想定する
実際の運用中には突発的な不具合や想定外の動作が発生することもあります。たとえばプラグインが機能停止したり、予期しないデータ変化が起こった場合に、社内でどのように対応するかのフローを事前に決めておくと安心です。
具体的には以下のような対応体制があると理想です。
- 社内の問い合わせ窓口担当を明確にしておく
- 導入元ベンダーへの問い合わせ方法・連絡先を共有しておく
- トラブル時の応急措置(プラグインの無効化、過去データの復元など)を明文化しておく
こうした備えを事前に行うことで万が一の際も慌てずにスムーズな復旧対応が可能になります。
kintoneプラグイン開発の基礎知識
kintoneプラグインはサイボウズ社が提供する公式仕様に基づいて、JavaScriptを中心とした技術を用いて開発されています。既存プラグインの活用だけでなく「自社の業務に特化した機能を自作したい」「細かな要件に柔軟に対応したい」といったニーズがある場合、プラグイン開発への理解が不可欠です。
この章ではプラグイン開発に必要なスキルセット、構成ファイル、開発支援リソースなど、これからkintoneプラグイン開発に挑戦したい方に向けて基本的な知識を分かりやすく整理します。
開発に必要な知識・言語
kintoneプラグイン開発には、主に以下のフロントエンド技術が必要です。
まず中心となるのがJavaScriptで、kintoneの画面上の挙動やユーザー操作に対する反応などを記述します。加えて設定画面のデザインや構造にはHTMLとCSSが用いられます。また、kintoneのレコードデータを操作するには、REST APIの基本的な理解も重要です。
特にkintoneが提供する「kintone JavaScript API」や「kintone REST API」は頻繁に使用するため、それらの仕様を読み解く力も求められます。高度な処理や拡張を行う場合は、ロジックの分離や外部ライブラリの活用といったWeb開発の一般的な設計技法も活かされます。
ファイル構成と実装の流れ
kintoneプラグインは、複数のファイルをフォルダにまとめて構成し、専用の署名付きZIPファイルに変換してkintoneにアップロードして使用します。ZIP化には公式CLIツールである @kintone/plugin-packer
を使用し、署名用鍵(.ppkファイル)を用いてパッケージ化します。
一般的なプラグイン構成
-
manifest.json
:プラグインの基本情報、読み込むファイル、権限設定などを定義する必須ファイル。 -
アイコン画像(例:
image/icon.png
):manifest.json
でicon
に指定する必要あり(必須)。 -
config.html
/config.js
/config.css
:プラグイン設定画面のUIとそのロジック(任意。設定が不要な場合は省略可)。 -
JavaScriptファイル:
-
desktop.js
(例):PC画面での処理を記述(ファイル名は任意)。 -
mobile.js
(例):モバイル画面での処理を記述(必要に応じて。省略可)。
-
-
CSSファイル:外観を調整するためのスタイル(任意)。
これらのファイルを含むフォルダを作成し、manifest.json
にすべてのファイルパスを正しく定義します。ローカル環境で動作確認を行った後、plugin-packer
でZIPファイルを生成し、kintoneの管理画面からプラグインとして読み込みます。
開発の基本的な流れ
-
ファイル構成と
manifest.json
を整備 -
ローカルで設定画面やイベント処理の動作検証
-
plugin-packer
により署名付きZIPファイル(plugin.zip
)を作成 -
kintoneの「システム管理」→「プラグイン」→「読み込む」からアップロード
-
対象アプリにプラグインを追加し、必要な設定を行う
プラグイン開発は基本的に「ユーザーの操作 → イベント発火 → 処理 → DOM制御やREST APIでデータ取得/更新」という構造で進みます。ファイル名は慣例上 desktop.js
などとされることが多いですが、manifest.json
で正しく指定すれば名前は自由です。
おすすめの開発支援リソース
初心者がプラグイン開発を始める際に役立つのが、サイボウズ社が提供する公式コミュニティやドキュメント群です。
特に「Cybozu Developer Network」にはAPIリファレンス、チュートリアル、コードサンプルが充実しており実践的な情報が得られます。また、QiitaやGitHubでも有志によるサンプルプラグインが公開されており、カスタマイズや機能拡張の参考になります。
初めは既存の公開プラグインを分解して学ぶのが効果的で、自社用にアレンジしていく中で理解が深まります。導入企業のニーズに応じた独自機能を実装できるようになれば、kintoneの活用範囲は一気に広がります。
kintoneプラグインの導入事例とユーザーの声
kintoneプラグインは多機能で便利ですが、実際にどのような場面で活用されどのような効果が出ているのかを知ることで自社導入のヒントになります。
本章では導入企業による成功事例と、実際にプラグインを利用したユーザーの評価や感想を紹介します。どのような業種・課題に対してどのプラグインが有効だったのかを具体的に知ることで、自社での活用イメージを明確にすることができます。
導入企業の成功事例
ここからは具体的にkintoneプラグインを導入した企業の事例をご紹介します。
事例①:株式会社エフ・コード:Smart at message
株式会社エフ・コードは、デジタルマーケティングの戦略提案やSaaS提供、BtoB向けのインサイドセールス支援を行う企業です。以前はインサイドセールスで使用するコールリストをスプレッドシートで管理していましたが、検索性や入力ミス、履歴確認の煩雑さに課題があり、kintoneを導入しました。
さらに、ステータス変更時のSlack通知を自動化するため「Smart at message」を採用。手動で行っていた引き継ぎ連絡を自動化し、1人あたり月6〜10時間の業務時間を削減しました。今後は見積作成時の通知など、他部門への展開も視野に入れています。
参考:株式会社エフ・コード様事例:Slack連携で手入力を自動化 残業を最大10時間削減!
事例②:トライズ株式会社:クラウド連携プラグイン for Box
トライズ株式会社は1年間で1,000時間の学習を支援する英語コーチングプログラム「TORAIZ」を展開する企業で、受講生の進捗管理や学習記録にkintoneを活用しています。以前は学習時間の集計作業やレッスンのフィードバック管理、レッスン動画の保存方法に課題がありました。
これらの課題解決のため、M-SOLUTIONSに相談し集計とフィードバック機能を独自開発。また、動画保存に関しては「クラウド連携プラグイン for Box」を導入しました。開発後は手間のかかっていた学習時間の集計作業が不要となり、レッスン品質の可視化や動画管理の効率化が実現。業務の大幅な省力化と改善につながっています。
今後はOneDriveに分散しているデータもBoxへ統合し、さらなるファイル管理の一元化を目指す予定です。情報システム部門を持たない同社にとってM-SOLUTIONSのサポートは重要なパートナーとなっています。
参考:トライズ株式会社:追加開発でkintoneを改善。「クラウド連携プラグイン for Box」を使いながら、受講生管理をより便利に!
事例③:株式会社 Japan General Aviation Service:ルックアップ自動取得プラグイン/ルックアップコピー先反映プラグイン
JGASは航空機・ヘリコプターの整備や関連部品の販売、飛行訓練事業を手掛ける企業です。従来はExcelで航空機整備管理を行っていましたが、データ容量の増加による動作の遅さ在宅勤務時のVPN接続の煩雑さ、誤操作や履歴確認の難しさといった課題がありました。
そこでより効率的な管理を実現するためkintoneを導入。飛行時間集計アプリと整備作業期限管理アプリを構築しました。しかし標準のルックアップ機能ではデータが自動更新されず、アプリ間連携の精度に課題が残っていました。
この問題を解決するためにM-SOLUTIONSの「ルックアップ自動取得プラグイン」と「ルックアップコピー先反映プラグイン」を導入。これにより常に最新情報が自動反映される仕組みを実現し、理想的なデータ連携環境を構築しました。サポート体制が整っている点も選定の決め手となりました。
参考:株式会社Japan General Aviation Service:2つのルックアッププラグインが導入の決め手!Excelの航空機整備管理システムをkintoneへ移行
まとめ
kintoneプラグインは標準機能では実現できない業務改善や自動化を手軽に追加できる非常に強力な手段です。検索機能の拡張や通知の自動化、入力補助、UI改善、データ出力・管理、分析支援といった多彩な用途に対応しており、目的に応じた組み合わせによって現場の業務効率は大きく変わります。
導入時には業務課題への適合性や費用対効果、他機能との干渉リスク、サポート体制の有無などを十分に確認することが重要です。さらに、運用後のトラブル対応やkintone本体とのバージョン互換も視野に入れ、継続的に安定して使える環境を整えておく必要があります。
また既製のプラグインで解決できない課題には、自社専用のプラグイン開発という選択肢もあります。基本的な技術と構成を押さえておけば独自機能の開発にも対応できます。
本記事を通じてプラグイン導入の全体像と活用方法を体系的に理解できたことで、自社に最適なkintoneプラグインを選び、業務改善をより一層加速させるヒントを掴んでいただけたなら幸いです。
弊社では「Smart at」シリーズとして、kintoneを効率化・強化するための様々なプラグインを提供しています。kintoneを活用した業務効率化を行いたい方は是非お気軽にご相談ください。
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