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kintoneに完全無料でAIを実装する方法
「kintoneでAIを便利に使いたいけど、まずは費用をかけずに試してみたい…」
このように考えている方はいませんか?
実は、kintoneにAI機能を完全無料で実装し、試せる方法があります!
本記事では、具体的な手順から活用事例まで、kintoneの可能性を最大限に引き出す無料AI連携の方法を徹底解説します。
どうやってkintoneにAI無料で実装するのか?
kintoneにAIを完全無料で実装するには、「Smart at AI for kintone Powered By GPT(以下、Smart at AI)」を利用します。
Smart at AIはkintoneとChatGPTなどのAIモデルを連携するサービスです。
Smart at AIには無料版があり、無料で試すことが可能です。しかし、これまではSmart at AIでAIを使う場合、AIモデルの利用料は払う必要がありました。
そのような中、Smart at AIは2024年7月のアップデートでGoogleのAIサービス「Gemini」に対応しました。
Geminiには無料のAIモデル「Gemini 1.5 Flash」があります。Smart at AIはGemini 1.5 Flashにも対応しています。
これにより、Smart at AIとGemini 1.5 Flashを組み合わせることで、kintoneにAIを無料で実装できるようになりました。(2024年9月現在)
コストをかけずにkintoneにAIを実装できるので、kintoneにAI導入して試してみたい方には大変おすすめです。
kintoneにAIを実装する手順
では、ここからkintoneにSmart at AIとGemini 1.5 Flashを設定する方法を紹介いたします。
Gemini 1.5 FlashのAPIキーを取得する
まず最初に、kintoneとSmart at AIを設定する前に、Gemini 1.5 FlashのAPIキーを取得しておきましょう。
なおSmart at AIは、OpenAI API、Claude API、Gemini API、Azure OpenAI Serviceに対応しています。
Gemini 1.5 Flash以外のAIを利用することも可能です。(※Smart at AIの有料版やAIサービスの有料APIキーが必要です)
Gemini 1.5 Flashの設定方法
Gemini 1.5 FlashのAPIキーを取得する手順は以下の通りです。
Google AI Studioのウェブサイトにアクセス
Google AI for Developerの公式ウェブサイトにアクセスし、「Get API Key in Google AI Studio」をクリックします。
アカウントの作成またはログイン
まだアカウントを持っていない場合は、アカウントを作成します。すでにアカウントを持っている場合は、ログインします。
APIキー取得ページにアクセス
「Get API Key in Google AI Studio」をクリックすると、APIキー取得ページに遷移します。「APIキーを作成」ボタンをクリックします。
APIキーの生成
「新しいプロジェクトでAPIキーを作成」をクリックします。
APIキーの保存
APIキーが生成されます。APIキーは必ず安全な場所に保存しておきます。
この手順に従うことで、Gemini 1.5 FlashのAPIキーを取得することができます。
「Smart at AI」をダウンロードする
「Smart at AI」をウェブサイトからダウンロードしてください。(すでにダウンロード済みの方は不要です。)
「kintone」に「Smart at AI」のプラグインを設定する
Smart at AIのプラグインをダウンロードしたら、「kintone」に設定します。手順は以下の通りです。
(なお設定方法は、設定マニュアルにも詳しい記載があります。)
- 「kintone」のトップページを開く
- 右上の歯車マークをクリック
- 「kintoneシステム管理」を選択
- 「プラグイン」項目をクリック
- プラグイン設定画面で「読み込む」をクリック
- 「参照」をクリックし、ダウンロードしたプラグインファイルを選択(解凍不要)
- 「読み込む」ボタンをクリック
以上の手順で、「kintone」上で「Smart at AI」が利用可能になります。
kintoneのアプリストアから議事録アプリをインストールする
「kintone」には既製のテンプレートアプリが用意されています。
今回は議事録アプリを例に設定方法を説明します。アプリストアから議事録アプリを選択してください。
(他のアプリに設定したい場合は、別のアプリを選んでも構いません)
議事録アプリにフィールドを追加する
議事録を作成するために必要な情報を入力できるフィールドを追加します。
今回の例では、文字列(複数行)フィールドを追加し、フィールド名(文言追加)とフィールドコードを「メモ」と変更してください。
アプリにSmart at AIを追加する
kintoneアプリの設定画面で、プラグインを選択してください。
プラグインの設定で「追加する」をクリックし、その中から「Smart at AI」を選択して追加してください。
Smart at AIの設定を行う
Smart at AIの設定画面を開きます。
①Smart at AIのライセンスキーを入力する(※初回設定時はライセンスキーは自動で発行されます)
②AIのAPI Keyを入力する
③プロンプトを入力する
プロンプトは以下のプロンプトをコピー&ペーストしてください。
あなたは優秀な秘書です。以下の指示に従って、提供されたメモから専門的な議事録を作成してください。
メモが空欄の場合は、メモが空欄のため議事録作成ができないと記載してください。
メモの内容を注意深く読み、会議の主要なポイントを特定してください。
以下の構造に従って議事録を作成してください:
a. 会議の基本情報(日時、場所、参加者)
b. 議題
c. 各議題の討議内容(要点を簡潔に)
d. 決定事項
e. 次回のアクションアイテム(担当者と期限を含む)
f. 次回会議の予定(決まっている場合)
専門的で簡潔な言葉遣いを心がけ、口語表現や不要な詳細は避けてください。
箇条書きや番号付きリストを適切に使用し、読みやすさを重視してください。
必要に応じて、議論の要約や重要なポイントを強調してください。
メモに不明確な点や矛盾がある場合は、その旨を注記してください。
最後に、作成した議事録を見直し、形式と内容に一貫性があることを確認してください。
メモが空欄の場合は、メモが空欄のため議事録作成ができないと記載してください。
メモ: %%メモ%%
④生成タイミングを設定する
・高度な設定を開き、生成タイミングは「ボタン」にチェックする。
・レコード上部に表示を選択する。
・ボタン名は「議事録を作成する」と入力する。
⑤設定を保存する
プラグインの保存ボタンをクリックする。
アプリの設定を保存する
最後に「kintone」のアプリ設定を保存してください。これで「Smart at AI」の設定は完了です。
kintoneでSmart at AIを利用する
設定が完了したら、実際に議事録アプリに情報を入力し、「Smart at AI」を使ってテキストを生成してみましょう。
議事録用にメモしていた情報を「kintone」に登録すれば、議事録が整形された文章に変わります。
これにより、議事録を見やすく整える手間が省け、議事録作成のスピードと品質を向上させることが可能です。
なお議事録以外でもSmart at AIは活用できます。活用例は以下の記事をご覧ください。
まとめ・注意点
以上、Smart at AIを設定する方法をご紹介しました。
今回ご紹介した無料のGemini APIを利用する際は下記の点にご注意ください。
・入力されたデータはAIの改善に利用されます
・1分あたり15回、1日あたり1,500回の利用制限がございます
※2024年9月24日時点
以上の注意点を理解しながらご利用くださいませ。
「Smart at AI」を利用すれば、「kintone」に手軽にAIを実装できます。
AIは日々進化しており、早い段階から活用することで生産性が向上し、多くの利点があります。
「Smart at AI」は無料で始められるので、興味がある方はぜひお気軽にお申し込みください。