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展示会で交換した名刺のデータ化をkintoneとAIで解決した話
M-SOLUTIONS株式会社は、kintoneの開発やプラグインを販売している会社です。弊社では、自社サービスを広く知っていただくため、IT関連の展示会によく出展しています。
展示会に出展した後に手間になるタスクといえば、交換した名刺のデータ化です。
今回はその展示会後の名刺のデータ化をkintoneとAIを使って解決することに成功しました。
本記事では、その解決した業務について紹介します。
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展示会後の名刺のデータ化。課題とは?
展示会では、弊社のサービス情報を知りたいお客様と接触し、必要に応じて名刺交換をします。
1回の展示会での名刺交換は、数十件から多いときは数百件、時には数千件にもなります。M-SOLUTIONSではkintoneで顧客管理を行っています。
これまでは展示会で交換した方の名刺情報を1件ずつ手入力で登録していました。しかし、この作業には膨大な時間がかかり、手入力ゆえにミスも発生します。マーケティング担当者はこの作業に苦労していました。
kintoneとAIを活用して名刺情報のデータを効率化
名刺情報のデータ化を簡単にしたいと考えていたところ、ある社員が「Smart at AIでデジタル化できるのでは?」というアイデアを出しました。
Smart at AIはkintoneにAI機能を追加できるプラグインです。
その社員によると、Smart at AIは2024年6月のアップデートで画像認識機能に対応したため、この機能が名刺データの読み取りに役立つと考えたそうです。
早速、M-SOLUTIONSのkintone環境にSmart at AIを適用したところ、名刺画像をkintoneにアップロードするだけでテキスト化に成功しました。さらに、氏名やメールアドレスを個別のフィールドに格納することも可能です。
横向きの名刺を縦に登録すると精度が若干低下することがありますが、テキスト化の精度は非常に高いです。さらに、Smart at AIはGPT-4o-miniというOpenAI APIの最新モデルに対応しており、このモデルを使用することで安価に名刺情報をデータ化できます。
実は、M-SOLUTIONSでは最近、展示会の対応が増えてきており、他社の名刺管理サービスの導入を検討していました。しかし、大手のサービスを利用するには費用がかかり、更にkintoneにデータを格納するためには、名刺管理サービスとkintoneをAPIやCSVで連携する必要がありました。
Smart at AIで名刺情報をデータ化する方法は、他社のソリューションを導入することなく、kintone上で名刺情報のデータ化が実現できるようになりました。
この効率化により、M-SOLUTIONSのマーケティング担当者は「名刺情報の手入力がなくなって嬉しい」と、大変喜んでいました。
営業担当もスマートフォンから名刺を登録するように
この名刺取り込み機能をkintoneに設定したところ、M-SOLUTIONSの営業担当者も利用するようになりました。商談で交換した名刺を商談後にスマートフォンで撮影し、取り込むだけで、お客様の情報がデータ化されます。
もともとはマーケティング担当者の業務効率向上を目指していましたが、実際には営業担当者にとっても便利な機能となりました。名刺情報の手入力が削減され、業務効率が向上しました。
今後は名刺の一括取り込みも実現予定
名刺情報のデータ化が、Smart at AIによって、名刺をkintoneに添付するだけでできるようになりました。次の改善としては、名刺の一括取り込みができるようにアプリを改良予定です。
Smart at tools for kintone CSV入出力というkintone連携サービスを利用すると、パソコンのフォルダに名刺画像を格納するだけで、kintoneに名刺画像を一括取り込みできます。
Smart at tools for kintone CSV入出力は一部のクラウドストレージに対応しています。M-SOLUTIONSはファイル共有にDropboxを利用しています。
改善が進めば、M-SOLUTIONSの社員はスマートフォンで名刺を撮影したあと、名刺画像をDropboxに格納するだけで、自動的にkintoneに名刺情報が登録できるようになります。
これにより、名刺の取り込みがほぼ自動化されるため、名刺のデータ化にかかる時間を大幅に削減できると見込んでいます。
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まとめ
AIのおかげで、手間のかかっていた名刺情報のデータ化作業を減らすことに成功しました。AI技術は常に進化しており革新的ですが、実際の業務に適用する際にはアウトプットの細かい制御が必要で、なかなか難しいこともあります。
しかし、今回は名刺情報のデータ化において、比較的情報が固定化されている画像の変換をAIに任せたことで、業務で十分に使えるものになりました。
この方法は、請求書や点検情報の電子化など、他の業務にも活用できる可能性があります。
Smart at AIはkintoneを利用している方ならお試しが可能ですので、興味がある方はぜひダウンロードしてください。
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