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導入事例

株式会社KADOKAWA 株式会社KADOKAWA

電子書籍管理の大容量データを
kintoneとAWSのハイブリッドで実現!

株式会社KADOKAWA

KADOKAWAグループは、出版、映像、ゲーム、Webサービスなどを手掛ける総合エンターテインメント企業です。その中の電子書籍事業は出版セグメントの55%を占め、10万点以上のアイテムを電子化しています。電子書籍事業は年々売上を伸ばしており、フェアやセールを通じてさらに売上を増やしていましたが、電子書籍自体の管理とフェアの企画や運営には課題が多くありました。その課題解決のためにkintoneを利用してシステムを開発し、改善をしました。本記事では開発の進め方などを詳しくご紹介します。

 

どのような用途でkintoneを利用していますか?

 

電子書籍部門で利用しています。具体的には、電子書籍のフェア管理やアイテム管理など、複雑で時間を要する業務プロセスの自動化と最適化にkintoneを活用しています。

 

どのような課題がありましたか?

 

電子書籍部門の業務は非常に複雑で、多岐にわたる要件を満たす必要がありました。

 

まずKADOKAWAでは、10万点以上の電子書籍アイテムを持っており、これらのデータ管理が非常に複雑でした。

 

紙の書籍と異なり、電子書籍は絶版になることが少なく、アイテム数がどんどん増え続けるため、効率的なデータ管理が必要でした。

 

次にフェア管理が煩雑でした。KADOKAWAでは年間400以上のフェア(セールイベント)を実施しており、これらのフェアの企画、準備、アイテム選定、割引率設定、各ストアへの情報提供などの管理作業が膨大でした。

 

特に、これらの作業がExcelベースで行われていたため、作業ミスのリスクや労力の負担が大きな課題となっていました。

 

電子書籍に関連する情報が複数のデータベースやファイルに散らばっており、情報の一元化が困難でした。

 

これにより、情報の検索や更新作業に多くの時間が費やされ、業務の効率が低下していました。

 

この状況を改善しようと、外部のコンサルタントと一緒に分析を行いました。

 

しかし、電子書籍部門の業務は、変化が激しい点が特徴です。

 

調査検討が終わる頃には業務が変わってしまい、効果的なシステム設計が難しい状況でした。

 

なぜkintoneを選定したのですか?

 

kintoneを選定した理由は、次の通りです。

 

まずスピード感ある開発ができる点です。kintoneは、ローコードでアプリを開発できます。

 

そのため、開発期間を大幅に短縮し、迅速にシステムを立ち上げることが可能です。

 

電子書籍部門のデータ管理は日々業務が変わるので、その変化のスピードに合わせられるシステムが必要と考えており、kintoneはこの要求に適していました。

 

次に柔軟性の高いカスタマイズができることです。kintoneは業務のニーズに合わせて簡単にカスタマイズが可能です。

 

電子書籍事業では複雑な要件に合わせてシステムを柔軟に調整する必要があり、kintoneがこのニーズに合っていました。

 

最後に情報の一元化ができる点です。kintoneを使用することで、散在していたデータを一元管理することが可能になります。

 

電子書籍のアイテム情報やフェア情報など、多岐にわたるデータを一元管理したいと考えており、kintoneはこの要求を満たす適切なソリューションでした。

 

 

M-SOLUTIONSに開発を依頼した背景と評価について教えてください。

 

kintoneを選定する上で、最も懸念だったのが、電子書籍やフェアに紐づく30万件以上のデータをkintoneで扱えるかという点でした。

 

この点に関して、開発ノウハウを持っていたのがM-SOLUITONS株式会社でした。

 

電子書籍やフェアに紐づく膨大なデータの扱いに関しては、kintoneのみを利用せず、AWSとのハイブリッド構成を提案してくださいました。

 

 

 

また、今回のシステム構築では、フェーズを分けて開発いただきました。

 

フェーズ1では最小限のシステムを一括請負で開発いただきました。

 

その後のフェーズ2、3では、改善を主目的として、ポイント制のアジャイル開発で開発いただきました。

 

その結果、開発自体もスピーディに行うことができました。

 

また全てを開発するのではなく、必要に応じて、サービスを組み込む提案をしてくださったのも魅力的でした。

 

例えば、AWSとkintoneの連携には、M-SOLUTIONSが提供するクラウドサービス「Smart at」を利用しています。

 

このように常に柔軟な提案を行ってくださり、電子書籍部門の複雑な業務要件にも対処いただきました。

 

 

 

導入したシステムの評価はいかがでしょうか?

 

kintoneを導入したことで、電子書籍のフェア管理やアイテム管理などの複雑な業務プロセスが自動化され、手作業による時間と労力を大幅に削減しました。

 

以前は、データが散在していましたが、kintone上でデータを一元管理することにより、データの整合性が向上。これにより、作業ミスの減少と情報の正確性が保たれました。

 

トータルでは年間約4000時間の作業時間が削減できると見込めています。

 

このままの調子でいけば、kintoneを導入したことで、会社に利益をもたらすことができると考えています。

 

現場スタッフからもkintoneの導入は高評価で、「業務が効率化した」と実感する声も上がっています。

 

また、ユーザー自身がシステムを更に活用するために独自マニュアルを作成するなど、積極的に活用する動きもあり、システム導入担当としてはひと安心しています。

今後、kintoneで業務改善を検討している方に向けてメッセージをお願いします。

 

kintoneで開発する上で、以下の6つのポイントが重要です。

 

まずはスピードが大事です。業務はシステム開発を待ってくれません。業務は常に変化してしまうので、その変化に対応できるスピードが大事です。

 

その次に分かりやすさが重要です。kintoneは実際に動く画面をすぐに確認できる点が魅力です。M-SOLUTIONSさんは進める上でkintoneでプロトタイプを作ってくださり、それを我々に見せながら調整してくださいました。この点はとてもやりやすかったです。

 

3つ目は、プロジェクトにはシステム側と事業側の両方をリードできる人材をそれぞれ参画させることです。それぞれの領域に精通した人員がリードすることで、プロジェクトの成功率がアップします。

 

4つ目は、RFP、できればRFIを作成し要求を明確にした上で調達をする事です。これを行っておくと、複数の可能性から自分たちの最適な対策を見つけやすくなります。

 

5つ目は短期間での基盤作りです。システムの土台を早く作ることで、プロジェクトがスムーズに進行します。M-SOLUTIONSさんが提案してくださったフェーズ1の開発は、システムをブラッシュアップするための土台となり、開発が進めやすくなった要因でした。

 

そして最後に、高難度業務のDXへの対応はアジャイル開発が重要です。業務は日々変わるため、土台をもとに追加開発ができ、業務の変化に合わせて開発の順番入替が常にできるような体制を持っておくことが重要です。

 

高難易度業務のDXには、これらのポイントが参考になるかと思います。他の皆様が高難易度業務のDXに挑戦する際の参考となれば幸いです。

 

-ありがとうございました。

 

 

株式会社KADOKAWAとは?

 

出版・映像・ゲーム・Webサービス・教育・ところざわサクラタウンを中心としたIP体験施設の運営など、幅広い事業を展開する総合エンターテイメント企業です。優れたIP(Intellectual Property)を安定的に創出し、さまざまな形で世界に届ける「グローバル・メディアミックス」戦略を、テクノロジーの活用により実践しております。

 

株式会社KADOKAWAのWebサイト

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