Smart at M-SOLUTIONS[stg]

MENU

ブログ

BLOG ブログ BLOG ブログ
  • Home
  • ブログ
  • 【保存版】kintoneとスプレッドシート連携の全手順|無料・プラグイン・GAS・APIまで徹底比較
2025/11/20 kintone

【保存版】kintoneとスプレッドシート連携の全手順|無料・プラグイン・GAS・APIまで徹底比較

【保存版】kintoneとスプレッドシート連携の全手順|無料・プラグイン・GAS・APIまで徹底比較
  • facebook
  • x
  • line
  • はてなブックマーク

この記事でわかること

  • kintoneとスプレッドシートを連携する目的と必要性
  • kintoneとスプレッドシート連携4つの方法と比較
  • kintoneとスプレッドシート連携方法の選び方
  • kintoneとスプレッドシート連携設定の手順
  • 部門別・業務別のkintoneスプレッドシート連携の活用例
  • kintoneとスプレッドシート連携におけるセキュリティ・データ管理の注意点
M-SOLUTIONSメディア編集部

執筆者

M-SOLUTIONSメディア編集部

kintoneをもっと便利にするプラグイン・連携サービスを提供中

M-SOLUTIONSではkintoneプラグイン・連携サービスを25種類以上提供中です。
全サービスが乗っているカタログを今すぐ無料ダウンロード!
カタログを無料ダウンロード

kintoneとスプレッドシートを連携させて、データ管理や業務効率を改善したいと考えていませんか?日々の業務で「kintoneのデータをスプレッドシートに出力したい」「スプレッドシートの内容をkintoneに取り込みたい」といったニーズは多く、現場の担当者にとって切実な課題です。

 

本記事ではプログラミング不要で使えるプラグインから、柔軟な連携を可能にするGAS・API連携、無料でできるCSV連携までkintoneとスプレッドシートをつなぐ4つの方法を徹底解説します。


それぞれの特徴やメリット・注意点、導入手順を実例を交えて紹介することで、どの方法が自社の業務に最適かが明確にわかる構成となっています。読み終える頃には連携方法の全体像とベストな選択肢が把握でき、すぐに実行に移せる状態になるはずです。

またkintoneの基本的な情報について詳しく知りたい方は是非こちらをご参考ください。

 

 

目次

kintoneとスプレッドシートを連携する目的と必要性

業務のデジタル化が進む中で、データの一元管理と柔軟な加工・分析の両立が求められるようになりました。kintoneはノーコードで業務アプリを構築できるプラットフォームである一方、Googleスプレッドシートは自由度の高いデータ操作ツールとして広く活用されています。

 

この2つを連携させることで現場の作業効率が飛躍的に向上し、データ活用の幅も広がります。本章では両ツールの特性を整理しつつ、なぜ連携が必要とされているのか、そして連携によって得られる業務効果について段階的に解説していきます。

 

kintoneとスプレッドシート、それぞれの特徴と役割

日々の業務を効率化するうえでツールの使い分けと組み合わせは非常に重要です。kintoneとスプレッドシートはどちらも業務改善に役立つツールですが、それぞれ異なる強みと用途があります。

 

kintoneは業務アプリによるデータの集約・管理に優れており、スプレッドシートは自由な加工や分析、共有に強みを発揮します。両者の特徴を理解することでそれぞれの役割を明確にし、連携によって得られる価値をより具体的にイメージできるようになります。ここでは両ツールの基本的な特性について整理します。

 

kintoneとは

kintoneはサイボウズが提供する業務改善プラットフォームで、ノーコードで業務アプリを作成できる点が最大の特徴です。顧客管理や案件進捗管理、日報、申請ワークフローなど、さまざまな業務に合わせたアプリをドラッグ&ドロップで構築できます。

 

さらにレコード単位でのアクセス権限設定やメンション機能によるチーム内の情報共有も可能なため、業務プロセスの可視化と一元管理を実現できます。特に中小企業や現場主導でのIT活用を進めたい組織にとって、手軽で柔軟な選択肢となります。

 

スプレッドシートとは

Googleスプレッドシートはクラウドベースの表計算ソフトで、関数やフィルター、グラフなどを用いて直感的にデータ分析が行えるツールです。複数人でのリアルタイム編集や共有が可能であり、社内外の関係者とスムーズに情報をやり取りできる点が大きな強みです。

 

またスクリプトによる自動化(GAS)や外部サービスとの連携にも対応しており、自由度の高いカスタマイズが可能です。

 

なぜkintoneとスプレッドシート連携が求められるのか

業務でkintoneを活用する企業では、「集計や分析はスプレッドシートの方が慣れている」「現場の担当者がスプレッドシートで情報を共有したい」といった声が上がることがあります。

 

これはスプレッドシートでのグラフ作成や条件付き書式による見える化が容易であることや、Excel文化の根強い職場ではスプレッドシートの形式で確認・出力するのが一般的であることが背景にあります。さらに社外関係者とのデータ共有においても、スプレッドシートの方が柔軟に対応しやすいと感じるケースがあります。

 

そのためkintoneで集めたデータをスプレッドシート上で活用したい、あるいはスプレッドシート上のデータをkintoneに取り込みたいといったニーズが現場から自然に生まれているのです。

 

連携によって解消できる課題と得られる効果

kintoneとスプレッドシートを連携させることで、いくつかの業務課題を解消し明確な改善効果を得ることができます。まず同じデータを両ツールに手入力する必要がなくなるため、二重入力が削減されます。

 

またkintone側の変更をスプレッドシートに自動で反映できる仕組みを整えれば、常に最新データをもとに業務を進めることが可能になり、情報更新の遅れを防ぐことにもつながります。

 

加えて手作業でのコピー&ペーストによる入力ミスや漏れといったヒューマンエラーも防止できます。さらにkintoneから出力されたデータをそのままスプレッドシートで加工・分析できるため、集計作業の効率が向上します。

 

例えば営業現場では、kintoneに入力された案件情報が即座にスプレッドシートへ連携されることで、会議資料や進捗報告書の作成がスピーディかつ正確に行えるようになります。

 

kintoneとスプレッドシート連携4つの方法と比較

kintoneとスプレッドシートを連携させる方法には、主に「Google Apps Script(GAS)」「プラグイン」「API」「CSVファイルを使った手動連携」の4つが存在します。どの方法も特徴があるため、自社の業務内容やITリテラシー、予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。

 

本章ではそれぞれの方法について概要と特徴を整理し、比較できるように解説していきます。

 

kintoneとスプレッドシート連携4つの方法

 

Google Apps Script(GAS)を使った連携方法

GASは無料で利用できるうえ、柔軟にカスタマイズできる点が大きな魅力です。スクリプトを書けば定期的な自動同期や条件を絞ったデータ抽出など、プラグインでは実現しにくい処理も可能になります。例えば「毎朝9時にkintoneのデータをシートへ更新」といったバッチ処理も実装できます。

 

ただしコードの記述やエラー対応などのメンテナンスが必要なため、エンジニアやGASに詳しい人材がいない環境では難易度が高めです。小規模チームが低コストで始めたい場合や、業務に合わせた独自要件を実装したい場合に向いています。

 

プラグインによるノーコード連携方法

プログラミングの知識がなくても導入できるのが、プラグインを使ったノーコード連携です。特に現場主導で運用している組織やIT人材が限られている企業にとっては、導入・運用のしやすさが大きなメリットとなります。代表的な連携用プラグインには「DBHUB」や「krewSheet」があり、それぞれ異なる特徴を持っています。

 

kintoneのプラグイン設定に関してさらに詳しく知りたいという方は是非こちらの記事もご参考ください。

 

DBHUBを活用した連携方法

DBHUBはリアルタイムで双方向の同期が可能で、常に最新データを共有したい場合に適しています。営業活動で入力した案件がすぐに会議用のシートに反映されるといったスピード感のある運用ができます。操作画面も直感的で、専門知識がなくても扱えるのが大きな利点です。

 

一方で、月額費用が発生するためランニングコストを許容できるかどうかが選定のポイントになります。安定性と即効性を重視する現場には特におすすめです。

 

参考:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/JVX001.html

 

krewSheetを活用した連携方法

krewSheetはGoogleスプレッドシートとの直接連携は行いませんが、kintone上でスプレッドシートのような操作性を実現できます。表形式での一括編集や条件付き書式を活用すれば日常的な入力作業を効率化できるのが特徴です。

 

外部シートとの同期が不要でも「kintoneをExcel感覚で使いたい」というニーズに応えられるのが魅力です。費用はかかりますが、現場スタッフの操作負担を減らしたい企業にとっては投資する価値のある手段といえます。

 

参考:https://krew.mescius.jp/products/krewsheet.htm

 

kintone APIを活用した高度な連携方法

kintoneが提供するREST APIを利用すると、スプレッドシートに限らず社内システムや外部サービスとも自在に連携できます。大量データの処理や複雑な条件分岐にも対応できるため、拡張性と自由度の高さは他の方法と比べても圧倒的です。


一方で、開発スキルや運用体制が必要で要件次第では開発コストも大きくなる点に注意が必要です。例えば「基幹システムと統合して全社的なデータ活用をしたい」といった高度なニーズに応えることができます。長期的にシステム基盤を整備したい企業にとって最も柔軟で強力な選択肢です。

 

kintone APIについてさらに詳しく知りたいという方は是非こちらの記事をご参考ください。

 

CSVエクスポート/インポートによる手動連携

CSVを使った方法は最もシンプルで追加費用もかからず、誰でもすぐに取り組めます。kintoneからデータをCSVで出力してスプレッドシートで開いたり、その逆にインポートしたりする形です。更新頻度が低い場合や、特定のタイミングでのみデータをやり取りしたい場合に適しています。


ただし手作業に依存するため、リアルタイム性や自動化には向きません。業務が煩雑にならない範囲で使うのが現実的です。小規模運用や一時的なデータ移行、社外との共有など限定的なケースであればコストゼロで簡単に実現できる有効な手段となります。

 

無料での実現方法と有料プラグインの比較

kintoneとスプレッドシートの連携は、まず無料で実現できる方法として GAS(Google Apps Script) と CSVの手動連携 が挙げられます。いずれも追加費用はかかりませんが、GASはスクリプトの知識が必要でCSVは都度手作業が必要になるという特徴があります。コストをかけずに連携を試したい場合には、この2つの方法から検討するのが出発点となるでしょう。

 

一方で、DBHUBやkrewSheetといった有料プラグインを利用すれば設定だけで運用を開始でき、スキルや工数に依存せずにスムーズに連携できます。どの方法が適しているかはリアルタイム性や自動化の要件、社内のスキルセット、そして予算によって変わります。以下に解説した順番に沿って主要な選択肢を比較できるよう整理しました。

 

連携方法 コスト 自動化・リアルタイム性 導入難易度 向いているケース
DBHUB 有料(中) 定期的なデータ同期を手軽に行いたい場合
krewSheet 有料(中) kintone内で表計算操作をしたい場合
GAS 無料 中~難 エンジニアがいて柔軟な制御をしたい場合
API開発 開発費用あり 大規模連携や独自要件を満たしたい場合
CSV手動 無料 × 更新頻度が低く、一時的に連携したい場合

 

 

無料手段はコストを抑えられる一方でスキルや工数が必要、有料プラグインは費用がかかる分スムーズに導入できる、というトレードオフがあります。次の章では具体的に「目的別」「予算別」での選び方を整理し、どのケースにどの手段が最適なのかを解説していきます。

 

kintoneとスプレッドシート連携方法の選び方

連携の手段を選ぶとき、多くの方がまず気にされるのは「何を目的として使いたいのか」という点です。リアルタイムでの同期を重視するのか、定期的な更新ができればよいのか、大量データを扱いたいのかによって選択肢は変わります。本章では目的ごとに適した方法を順番に確認していきます。

 

目的別のkintone スプレッドシート連携方法の選び方

kintoneとスプレッドシートを連携するとき、最適な方法は「どのように使いたいのか」という目的によって変わります。リアルタイムで最新データを共有したいのか、定期的な更新で十分なのか、大量のデータを安定的に扱いたいのかによって選択肢は異なります。ここでは代表的な3つの目的ごとに適した方法を整理します。

 

目的別のkintone スプレッドシート連携方法の選び方

 

リアルタイム同期を行う必要がある場合

常に最新の情報をスプレッドシート上で確認したい方には、DBHUBのようなプラグインがおすすめです。kintoneで入力されたデータが即時にシートへ反映され、双方向で更新できるため情報の鮮度を保ったまま業務を進められます。営業会議や日々の進捗確認で常に最新の数字を使えるのは大きな利点です。設定作業も簡単で専門知識がなくても導入できるのが強みです。特にスピードが求められる営業活動や在庫管理で力を発揮します。

 

定期更新を行う必要がある場合

日次や週次といった定期的な更新で十分な場合には、GASを使った連携が効果的です。時間トリガーを設定するだけで決まったサイクルで自動的にデータを取得・更新できます。例えば「毎朝9時にkintoneの案件情報を集計し、スプレッドシートに反映する」といった仕組みを簡単に作れます。エンジニアやスクリプトに慣れた方がいれば無料で導入でき、柔軟な条件分岐や加工処理も実装可能です。定期バッチ処理やレポート作成を自動化したいときに向いています。

 

大量データ処理を行う必要がある場合

数千件を超えるような大量データを扱う場合にはkintone APIを使った連携が最適です。APIを利用すればページング処理や再試行制御を組み込めるため、処理中にエラーが出ても安定した同期が可能です。

 

例えば経理部門で売上明細を一括処理したいケースや、全社的なデータ分析基盤に取り込みたいケースで効果を発揮します。開発スキルは必要ですがその分だけ柔軟に設計でき、セキュリティ要件にも対応できます。信頼性と拡張性を重視する組織におすすめの方法です。

 

予算別のkintone スプレッドシート連携方法の選び方

kintoneとスプレッドシートの連携を検討するとき、多くの方が気にするのは「どのくらい費用をかけるべきか」という点です。完全に無料で済ませたいのか、できるだけコストを抑えたいのか、あるいは費用をかけてでも高機能を優先するのかによって選択肢は変わってきます。ここでは予算の観点から、それぞれのケースに適した方法を整理します。

 

予算別のkintone スプレッドシート連携方法の選び方

 

無料で連携を実現したい場合

初期費用も運用費用もかけずに連携を実現したい場合は、GASとCSVが有力な選択肢になります。GASを使えば定期的な同期や条件付きの抽出も自動化できますが、スクリプトの知識が必要です。一方CSVは最もシンプルで誰でもすぐに利用できますが、手作業が必要なためリアルタイム性はありません。小規模チームやまずは試してみたい段階では、この2つの方法から始めるとよいでしょう。

 

極力低コストでの連携を実現したい場合

「完全無料でなくてもよいが、できるだけ安く済ませたい」という場合はGASを基本に据えつつ、必要に応じて一部のプラグインを組み合わせる方法が適しています。例えば主要な同期処理はGASで自動化し、表計算ライクな操作性が必要な場面ではkrewSheetを導入する、といった組み合わせです。これにより、費用を抑えながらも現場に使いやすい環境を作ることができます。特に中小企業やスタートアップにとっては現実的な選択肢です。

 

高機能な連携を実現したい場合

業務の規模が大きくリアルタイム同期や大量データの安定処理が欠かせない場合には、有料プラグインやAPI連携を中心に設計するのが望ましいです。DBHUBを使えば専門知識がなくてもリアルタイム同期を実現でき、API連携なら自社システム全体と統合した高度な処理が可能です。費用はかかりますが作業効率やトラブル防止につながるため、結果的にコストパフォーマンスが高くなるケースも多いです。信頼性や拡張性を重視する企業にはこのアプローチが最適といえます。

 

kintoneとスプレッドシート連携設定の手順

kintoneとスプレッドシートを連携させる方法はいくつかありますが、実際に導入する際には「どう設定すればいいのか」が気になるポイントです。ここではプラグインを使った場合、GASを利用する場合、そしてAPIを直接活用する場合の設定手順を順番に紹介していきます。

 

プラグイン設定の流れ

プラグインを利用すると、コードを書かずにkintoneとスプレッドシートを連携できます。ここからは代表的なプラグインを例に、設定の流れをステップごとに見ていきましょう。操作はkintoneの管理画面から行えるのでITに詳しくない方でも導入しやすい方法です。ここからはプラグイン導入時の設定手順を順番に確認していきます。

 

1.プラグインをkintoneに追加する

まずはkintoneの管理画面にログインし、「システム管理」から「プラグイン管理」を開きます。利用したいプラグインのファイルをアップロードして追加します。追加後は対象となるアプリにプラグインを適用する必要があります。

 

2.アプリ設定でプラグインを有効化する

対象アプリの「アプリ設定」画面を開き、「プラグイン」一覧から追加したプラグインを有効化します。ここで選んだプラグインによって以降の設定内容が変わります。DBHUBであれば同期の設定、krewSheetであれば画面表示の設定などが必要です。

 

3.接続情報を入力する

プラグインによってはkintoneの接続情報を入力する必要があります。DBHUBを利用する場合はサブドメインやアプリID、そして事前に発行したAPIトークンを登録します。これによりプラグインとkintoneの間でデータ通信が可能になります。

 

4.同期や表示の設定を行う

DBHUBの場合は「どの方向に同期するか(kintoneからスプレッドシート、スプレッドシートからkintone、または双方向)」を選択します。さらにどのデータを対象にするか、同期の間隔をどうするかを設定できます。krewSheetの場合は表示するフィールド、列の並び順、条件付き書式などを設定し、使いやすい画面を整えます。

 

5.テスト実行と確認を行う

設定が完了したらテスト同期を実行し、スプレッドシートにデータが正しく反映されるかを確認します。日付や数値、選択肢などのデータ形式が崩れていないかを丁寧にチェックしてください。問題があれば設定を調整して再度テストします。

 

GASでのスクリプト設定例

Google Apps Script(以下、GAS)を活用するとkintoneとスプレッドシートを柔軟に連携させることができます。無料で利用できるうえに定期的なデータ同期や条件付きのデータ抽出など、プラグインでは難しい高度な処理を実装できるのが強みです。ただしスクリプトの記述が必要になるため、多少のプログラミング知識は求められます。

 

1.同期の設計を決める

まずは連携の方向性を明確にします。kintoneからスプレッドシートへデータを取り込むのか、逆にスプレッドシートからkintoneに反映するのか、あるいは双方向で同期させるのかを決定します。加えて同期のタイミングを手動、定期的、あるいはイベントトリガーとするかを整理します。

 

2.スクリプトプロジェクトを作成する

対象となるGoogleスプレッドシートを開き、拡張機能から「Apps Script」を起動します。新しいプロジェクトを作成し連携用のコードを書ける状態にします。

 

3.認証情報を設定する

kintoneで事前に発行したAPIトークンやドメイン情報、アプリIDをスクリプトのプロパティに保存します。これによりソースコード内で直接認証情報を扱うことを避け、安全に管理できます。

 

4.kintoneからデータを取得する処理を書く

GASのUrlFetchApp.fetchを用いて、kintone REST APIのエンドポイント(/k/v1/records.json)を呼び出します。取得したJSONデータを整形しスプレッドシートに出力できる形に変換します。

 

5.スプレッドシートからkintoneへ登録・更新する処理を書く

シート内の行データを読み取り、kintoneのAPIを呼び出して新規レコードを追加したり既存レコードを更新したりします。キー項目を基準にアップサートできるようにするのがポイントです。

 

6.エラー処理と制御を実装する

実行時にエラーが発生した場合を想定し、再試行処理やAPIの制限回避のための待機処理(スリープ)を組み込みます。また、件数が多い場合はページング処理を行うことで安定した同期が可能になります。

 

7.トリガーを設定して自動化する

最後にApps Scriptの「トリガー」機能を利用して、定期的にスクリプトが実行されるように設定します。これにより日次・週次などのバッチ処理が自動化され、手作業を減らすことができます。

 

API利用時の接続手順と注意点

kintoneのREST APIを使うとスプレッドシート連携にとどまらず社内外システムとの高度な統合が実現できます。自由度が高い一方で、設計・実装・運用の各段階で押さえるべき注意点も増えてきます。そのため最初に全体像を整理してから取り組むことが重要になります。

 

APIでの接続手順概要

ここからはAPIを利用してスプレッドシートと連携する手順を順番に確認していきます。必要に応じて中間サーバーを挟んで処理するケースもあります。

 

1.要件を定義する
扱うデータ範囲や同期方向(片方向/双方向)、実行頻度(リアルタイム/定期)どちらをマスターにするか、衝突時の優先ルールを明確にします。

 

2.認証方式と接続情報を準備する
対象アプリでAPIトークンを発行し必要最小限の権限を付与します。ドメイン、アプリID、フィールドコードを整理しておきます。

 

3.疎通確認を行う
cURLやPostmanを使って /k/v1/records.json のGETを実行し、想定したレコードが取得できるか確認します。続けてPOSTやPUTで登録・更新も試し、レスポンスの型を把握しておきます。

 

4.実装環境を選定する
運用チームに馴染みのある言語や基盤(Node.js/Pythonなど)を選び、設定管理、ログ出力、例外処理の枠組みを整えます。

 

5.取得・登録・更新の処理を実装する
limit/offsetを利用したページング、キー項目によるアップサート、必須項目のバリデーション、日付や数値の型変換を組み込みます。

 

6.運用制御を実装する
短時間に集中しないようスロットリングを入れ、一時的失敗には指数バックオフで再試行できるようにします。処理は見当等性(同じリクエストを繰り返しても結果が重複しない性質)を担保して、データの重複登録を防止します。

 

7.本番リリースと監視を整える
段階的リリースを行い失敗時のロールバック手順も準備します。失敗件数や処理遅延を監視し、しきい値を超えたら通知されるよう設定します。

 

APIトークンや認証情報の安全な管理

APIトークンはいわばkintoneへの「鍵」の役割を果たすため、漏えいすると不正アクセスやデータ改ざんのリスクにつながります。安全に管理するためにはソースコードに平文で直接書き込まず、環境変数やGoogle Apps Scriptのプロパティサービスなどを利用して外部に隠すことが重要です。また、トークンは用途ごとに発行し最小限の権限だけを付与しましょう。定期的に再発行し古いトークンを破棄する運用を徹底することで、万一の漏えい時のリスクも軽減できます。

 

リクエスト回数制限とパフォーマンスの最適化

kintone APIには短時間で大量のリクエストを送信すると制限にかかる仕組みがあります。これを回避しつつ効率的に処理するためには工夫が必要です。具体的には一度に取得する件数を調整してページング処理を行ったり、差分更新に切り替えて必要なデータだけを取得したりする方法があります。

 

また処理間隔にスロットリングを入れ、429エラー(リクエスト過多)を避けることも重要です。さらに必要なフィールドだけを指定して通信量を減らすことで、速度と安定性の両立が可能になります。

 

エラー処理とリトライ制御の実装

API連携では、ネットワーク遅延や一時的な障害によってリクエストが失敗することがあります。そのためエラー処理とリトライ制御をあらかじめ組み込んでおくことが大切です。例えば通信エラーや一時的なサーバーエラーが発生した場合には、一定時間待機した後に再試行する「指数バックオフ方式」を用いると効果的です。

 

また同じリクエストを繰り返し送っても結果が重複しないよう、同じ操作を繰り返しても結果が変わらない性質を意識した設計を取り入れることも重要です。これらを実装することで安定した連携が可能になります。

 

CSVエクスポート/インポートによる連携設定手順

CSVファイルを利用した手動連携はもっともシンプルかつ無料で実現できる方法です。追加のツールや開発が不要ですぐに始められるのが大きな魅力です。

 

リアルタイム性や自動化は期待できませんが、必要なときにだけデータをやり取りしたい場合や定期的なバッチ処理のような用途には十分実用的です。ここからはCSVを使ってkintoneとスプレッドシートを手動で連携する手順を紹介します。

 

1.kintoneからCSVをエクスポートする

対象アプリの一覧画面を開き、エクスポート機能を使ってCSVファイルを出力します。この際必要なフィールドを選び、日付やユーザー項目などの形式が崩れないように注意が必要です。

 

2.GoogleスプレッドシートでCSVを開く

出力したCSVファイルをGoogleスプレッドシートに取り込みます。インポート時に列幅や日付形式を整えることで後の分析や共有がスムーズになります。

 

3.スプレッドシート上で加工したデータを再度CSVに保存する

データを整理したらGoogleスプレッドシートから再度CSV形式で書き出します。ここで列順やヘッダ名をkintone側で必要とされるフィールドコードに合わせることが重要です。

 

4.kintoneにCSVをインポートする

kintoneのアプリ設定から「CSVインポート」を選び、保存したファイルをアップロードします。項目マッピングを確認し、新規追加か更新かを選択して取り込みを実行します。

 

5.インポート結果を確認する

インポート後はレコード数が合っているか、数値や日付が正しく反映されているかを確認します。選択肢型フィールドがずれていないかも要チェックです。

 

6.運用ルールを整える

手動連携は担当者に依存するため実施者や頻度、テンプレートCSVの保管場所、万一のロールバック手順を決めておきます。これにより属人化を避けつつ安定的な運用が可能になります。

 

部門別・業務別のkintoneスプレッドシート連携の活用例

kintoneとスプレッドシートの連携はさまざまな部門や業務で具体的な成果につながります。本章では営業・経理・総務の3つを例に、実際にあった活用のケースを紹介しながらその効果を見ていきます。

 

営業管理(顧客情報・案件進捗の共有)

営業管理では案件情報をkintoneに一元化し、スプレッドシートに自動同期する仕組みを導入するとチーム全員が常に最新の進捗を共有できます。例えば案件ごとのステータスをスプレッドシートに一覧化し、グラフで可視化すれば営業会議で即座に状況を把握できます。さらに顧客フォローの優先度を整理しやすくなるため、見込み顧客への対応漏れを防止することも可能です。結果的に営業活動のスピードアップと受注率の向上を図ることができます。

 

経理(売上集計・請求管理)

経理業務ではkintoneに登録された売上や請求情報をスプレッドシートに自動で反映させることで、手作業による転記や集計の手間を大幅に削減できます。例えば取引先別や商品別に売上を自動集計しておけば請求漏れの防止につながり、月次決算の準備も迅速に進められます。スプレッドシートのフィルタ機能や関数を使えば売上推移や未回収の請求を簡単に可視化でき、経営層への報告にも活用可能です。従来スプレッドシートで行っていた集計作業を自動化することで正確性とスピードの両立を実現できます。

 

総務(シフト管理・社内資産管理)

総務業務ではシフトや社内資産の情報をkintoneで管理し、それをスプレッドシートと連携させることで現場での確認や調整が容易になります。例えばシフト表をスプレッドシートに自動反映すれば従業員は自分の勤務予定をリアルタイムで確認でき、急な変更も即座に共有可能です。また社内資産管理では、備品の貸出状況をスプレッドシートに一覧化し返却期限を条件付き書式で強調することで、紛失や重複購入のリスクを減らせます。こうした仕組みにより総務業務の透明性と効率性を高めることができます。

 

kintoneとスプレッドシート連携におけるセキュリティ・データ管理の注意点

kintoneとスプレッドシートを連携させるとデータ活用の幅は広がりますが、その分セキュリティリスクや管理上の注意点も増えてきます。アクセス権限の不備による情報漏えい、外部サービスとの接続に起因する不正利用、あるいは設定ミスで業務が停止するトラブルなど、適切な対策を怠れば大きな損失につながりかねません。本章では安全かつ安定的に運用するために押さえておきたい代表的なポイントを整理します。

※kintoneとスプレッドシート連携におけるセキュリティ・データ管理の注意点をまとめた画像挿入を推奨

アクセス権限設定の基本

権限設定はデータを守るための最初の防御線になります。設定が甘いと本来アクセスすべきでない人にまで顧客情報や内部データが閲覧・編集されてしまう危険があります。実際、社内外で権限設定の不備が原因となった情報漏えい事例は少なくありません。kintoneではアプリ単位だけでなくフィールド単位での権限設定が可能です。業務内容や役職に応じてアクセスできる範囲を制御し、不要な権限は付与しないことが基本です。

 

スプレッドシート側でも「リンクを知っている全員に公開」など安易な設定は避け、閲覧専用・編集可能・コメントのみといった制御を丁寧に行う必要があります。これらを徹底することで万一の事故を未然に防げます。kintoneのセキュリティに関してさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考ください。

 

 

 

外部連携時のセキュリティチェック項目

外部サービスやプラグインを利用してkintoneとスプレッドシートを連携する場合、便利さの裏側でセキュリティリスクが高まります。提供元が不明確だったり通信が暗号化されていなかったりすると、情報漏えいや不正アクセスにつながる可能性があります。ここでは外部連携を導入する際に必ず確認しておくべきポイントを整理します。

 

接続先サービスの信頼性と提供元の確認

サービスの信頼性を確認しないまま導入すると、突然のサービス終了やデータ消失といったリスクに直面することがあります。提供元の企業が信頼できるかどうか、導入実績や更新頻度、サポート体制を必ず調べておきましょう。

 

通信経路の暗号化と認証方式の確認

外部とデータをやり取りする際に通信経路が暗号化されていなければ、第三者に盗聴や改ざんをされるリスクがあります。HTTPSやTLSといった暗号化プロトコルの利用は必須です。

 

また認証方式についても単純なID・パスワード認証だけでは不十分な場合があり、多要素認証やOAuthといった仕組みを活用することで安全性を高められます。特に営業先や外出先など、外部環境からアクセスするケースが多い場合にはこうした対策が実効性を持ちます。

 

アクセス権限とデータ範囲の最小化

外部連携では「必要なデータだけを扱う」という原則を徹底することが大切です。全件データを無条件で共有すると、漏えい時の被害が大きくなります。例えば営業部門には案件データだけ、経理部門には請求データだけを同期させるなど、利用目的に応じて権限とデータ範囲を限定しましょう。APIやCSVでも抽出条件を指定することで、不要な情報をやり取りしないようにすることが可能です。

 

よくあるエラーやトラブル時の対処法

kintoneとスプレッドシートの連携では、初期設定の不備や接続先の仕様変更などによって思わぬエラーやトラブルが発生することがあります。完全にトラブルをなくすことは難しいですが、よくある原因とその解決のヒントを知っておけば業務への影響を最小限に抑えることができます。ここでは代表的なトラブルとその対処の考え方を紹介します。

 

基本設定と接続状況の確認で多くのエラーは解決できる

実際に起きているトラブルの大半は初歩的な設定ミスに起因しています。APIトークンの権限が「読み取りのみ」になっていたり、スプレッドシートの共有設定が不十分だったりといったケースです。ある企業でも「連携ができない」と相談を受けたところ、原因はAPIトークンの設定に書き込み権限が付与されていなかったことでした。まずは基本設定と接続状況を落ち着いて確認することが解決の第一歩になります。

 

エラーメッセージを読み解き原因を突き止める

エラーが発生した際にメッセージを確認せず、手探りで設定を変えてしまうとかえって問題が複雑化することがあります。kintoneやスプレッドシートはエラー発生時に具体的なコードや内容を返すため、それを丁寧に読み解くことが重要です。例えば「401 Unauthorized」は認証情報の不備、「429 Too Many Requests」はリクエスト回数超過を意味します。こうした典型的なメッセージを理解しておけば原因を素早く突き止め、的確な対応を取ることができます。

 

まとめ

kintoneとスプレッドシートの連携は営業や経理、総務など幅広い部門で業務効率化に役立ちます。方法としてはプラグイン、GAS、API、CSVと複数の選択肢があり、それぞれの特徴やコスト、運用負担を理解したうえで目的や予算に応じて選ぶことが大切です。

 

実際の導入に際しては設定手順やエラー対応、セキュリティの観点も無視できません。外部サービスの利用や権限管理には注意を払い、トラブル時の解決手順を押さえておくことで安定運用につながります。自社の業務課題を明確にし最適な連携方法を選ぶことでデータ活用の幅が広がり、日常業務の効率と精度が大きく向上します。

 

弊社ではkintoneのデータ連携開発はもちろん、kintoneをより便利に拡張することができるプラグインサービスを提供しています。kintoneとスプレッドシートの連携を行いたい、セキュリティ面に不安があるなどのご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

資料ダウンロードはこちら 無料トライアルはこちら お問い合わせはこちら

kintoneをもっと便利にするプラグイン・連携サービスを提供中

M-SOLUTIONSではkintoneプラグイン・連携サービスを25種類以上提供中です。
全サービスが乗っているカタログを今すぐ無料ダウンロード!
カタログを無料ダウンロード

プロフィール

  • M-SOLUTIONSメディア編集部

    10年以上kintoneに携わっているkintoneのスペシャリストチーム。 kintoneだけでなく、サイボウズ関連製品や最新テクノロジーにも精通。 kintoneをより便利にする情報をお届けします。 kintone認定アソシエイト・アプリデザインスペシャリスト・カイゼンマネジメントエキスパート取得者所属。

Other recommended articles その他おすすめ記事 Other recommended articles