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kintoneポータルをもっと使いやすく!初心者でも分かるカスタマイズや事例を紹介
この記事でわかること
- kintoneポータルの基本と役割
- ポータルの主要機能と表示の工夫方法
- ポータルの効果的な運用のポイント
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kintoneを導入したものの、「ログイン後のポータル画面が使いにくい」「必要な情報が見つけづらい」と感じていませんか?ポータルは業務の起点となる重要な画面である一方、初期設定のままでは情報が整理されておらず、ユーザーの利便性が大きく損なわれてしまうことがあります。
本記事では、kintoneポータルの基本構成と役割から標準機能やよくある課題、そして自社に合わせたカスタマイズ手法までを解説します。ノーコードでの設定変更やプラグインの活用事例、さらにJavaScriptを使った高度な応用例も紹介します。ポータルを改善することで社内情報の共有が円滑になり、日々の業務が大きく効率化されます。
また、まずはkintoneについて詳しく知りたい方はこちらの記事をまずはご覧ください。
目次
kintoneポータルとは?
kintoneポータルはユーザーがログインした際に最初に表示される画面であり、アプリや通知、掲示板などの情報を一覧で確認できる業務の起点となる場所です。業務に必要な情報を一元化し、各ユーザーが迅速に目的の情報へアクセスできるよう設計されています。
本章ではポータル画面の基本的な構成や役割を理解し、どのように活用されているのかを解説します。
kintoneポータルの基本構成と役割
この章では、kintoneポータルの役割を解説します。kintoneポータルの役割は次のとおりです。
kintoneのログイン後に最初に表示される画面
kintoneポータルはユーザーがログインした際に最初にアクセスする標準画面です。日常的に利用されるため、ユーザーにとっての玄関口ともいえる存在です。ポータルにはアプリやスペース、通知、お知らせ、未処理一覧などが表示され、業務に必要な最新情報をまとめて確認できます。
他の画面との違いは操作対象のアプリやスペースを開く前の全体ビューとして機能している点にあります。そのため情報の視認性や導線の設計が非常に重要です。
アプリや通知などの業務情報を一画面でまとめて確認できる
ポータル画面では、主に以下のような情報が一覧で表示されます。
機能項目 | 内容の概要 |
アプリ | 業務アプリへのリンク。業務の起点として活用される。 |
通知一覧 | コメントやレコード更新など、自分に関係する最新の通知情報を確認できる。 |
お知らせ | 社内全体や部門単位での共有事項・通達などを表示。重要な情報の見逃しを防止。 |
スペース | 部署やプロジェクトごとに情報共有・コミュニケーションを行う専用エリア。 |
未処理一覧 | 自身が対応すべき申請やタスク、承認待ちの一覧を表示。対応漏れの防止に役立つ。 |
これらの情報は業務に関わる多くのユーザーにとって毎日確認すべき内容です。一画面にまとまっていることで無駄な遷移を減らし、業務の効率化が図れます。
情報が整理されているため必要な情報に素早くアクセスできる
情報の整理整頓がなされているポータルは、ユーザーにとって非常に使い勝手のよい環境を提供します。例えば業務で頻繁に使うアプリが画面の上部に配置されていれば、探す手間を省け、未処理のタスクがすぐに確認できれば対応の抜け漏れも防げます。
一方で初期状態のままではアプリや通知が無秩序に並び、必要な情報を探すのに時間がかかることもあります。そのためポータルの情報配置をユーザー目線で最適化することが重要です。
kintoneポータルの主要機能
kintoneポータルは業務の起点となるさまざまな情報が一画面に集約されています。ここでは、ポータルに表示される代表的な機能やパーツについて、それぞれの名称と役割、実際に業務にどう活かされるかを詳しく解説します。
ポータルの切り替え
タブをクリックすると、表示するポータルを切り替えることができます。2枚目以降のポータルが追加されている場合、ポータルを切り替えるタブが表示されます。※ライトコースをご契約の場合、2枚目以降のポータルは作成できません。また2枚目以降のポータルはPC版のみ表示されます。 ゲストユーザーには2枚目以降のポータルは表示されません。
お知らせ掲示板
ユーザーに共有したい情報を集約できるエリアです。メンバーに共有したい情報を記載したり、グラフやリンク集を作ったりして、ダッシュボードとして活用できます。掲示した内容は、kintoneの全ユーザーのトップページに表示されます。
未処理一覧
未処理一覧はワークフローや申請など自分が対応しなければならないタスクや承認待ちレコードを一覧で表示する機能です。
対応漏れやタスクの遅延を未然に防ぐために設けられており、業務上の重要なチェックポイントとして機能します。ポータルに表示されることで日々の業務の中で自然に確認する習慣が身につきやすくなります。
通知一覧
通知一覧はアプリのレコード更新やコメントの追加など自分に関係するアクションを一覧で確認できる機能です。
通知は時系列で並び、最新情報から順に確認することができるため業務の進捗や他ユーザーからのフィードバックを即座に把握するのに役立ちます。リアルタイム性の高い業務環境では通知機能が業務スピードに直結します。
スペース一覧
スペース一覧はチームやプロジェクトごとに作成されたスペースの一覧を表示し、各スペースにすぐ移動できる機能です。
スペース内ではファイルの共有やスレッド形式の会話、アプリの運用などが行われており、チーム内の情報共有とコミュニケーションを促進します。部門別の業務運営がされている企業にとって非常に重要なポータル要素のひとつです。
アプリ一覧
アプリ一覧は自分が利用可能なアプリを一覧形式で表示する機能です。ポータル上からすぐにアクセスできることで業務効率を大きく向上させます。
特にアプリの数が多くなる大企業や日々複数の業務アプリを扱う職種にとっては、並び順の調整やカテゴリごとの整理が不可欠です。視認性を意識したカスタマイズによってユーザーの作業導線が明確になり、操作ミスの防止にもつながります。
kintoneポータルを初期設定のまま使うと使いづらい理由
kintoneは柔軟なカスタマイズが可能なプラットフォームですが、初期状態のポータル画面は汎用的に設計されており、すべての企業や現場の業務に最適化されているわけではありません。そのまま運用し続けることで情報が埋もれてしまったり、必要な通知に気づけなかったりといった課題が生じることがあります。
この章では代表的な3つの使いづらさを具体的に取り上げ、なぜカスタマイズが必要なのかを明確にしていきます。
必要なアプリが埋もれていてすぐにアクセスできない
kintoneのポータルに表示されるアプリ一覧は初期状態では並び順がユーザーの業務フローを考慮していないため、目的のアプリを探すのに時間がかかることがあります。特にアプリ数が多い組織では使わないアプリが先頭に表示されていたり、業務でよく使うアプリが画面下部に追いやられているといった状況が起きやすくなります。
このような構成ではユーザーが必要な情報にたどり着くまでに何度もスクロールやクリックを強いられ、日々の業務効率に悪影響を及ぼします。並び替えや表示対象の調整など目的に応じたカスタマイズが求められます。
通知やお知らせが目立たず更新に気づきにくい
通知機能はレコードの更新やコメントの追加、ワークフローの進行など自分に関係する動きがあったことを知らせる重要な情報源です。しかし初期状態では通知エリアの位置が目立たず、文字サイズや表示形式も他の情報と差別化されていない場合が多くあります。
その結果通知が埋もれてしまい、更新内容を見逃してしまうリスクが高まります。お知らせの見逃しは、業務遅延や情報共有のミスに直結する可能性があります。視認性を意識した設定の工夫が必要です。
レイアウトや情報配置が整理されておらず直感的に使いづらい
ポータル上に表示される情報が視覚的に整理されていないと、ユーザーはどこを見ればよいか分からないと感じてしまいます。
直感的な操作ができないポータルは利用頻度が自然と下がってしまい、結果としてkintone全体の活用度にも悪影響を及ぼします。
業務に必要な情報を何よりも分かりやすく配置することが、ポータルの価値を最大限に引き出すカギとなります。
kintoneポータルのカスタマイズ方法
kintoneポータルは初期状態でもある程度の利便性は確保されていますが、本当の効果を発揮するには、自社の業務内容や組織構成に合わせた調整が不可欠です。
この章では、kintoneポータルをより使いやすくするためのカスタマイズ方法を、ノーコードからプログラミングを活用する高度なものまでレベル別に整理して解説します。
ノーコードでできるカスタマイズ方法
ここでは開発スキルがなくても取り組めるカスタマイズ手法を、現場担当者やシステム管理者向けに紹介します。kintoneの柔軟性を活かす第一歩として、以下の4つの方法を押さえておくことでポータルの使い勝手を大きく改善できます。
お知らせ掲示板の編集
kintoneのポータル上部には自由にメッセージを表示できるスペースがあります。ここに業務連絡や操作手順、重要なお知らせなどを記載することで、ユーザーがログインした瞬間に必要な情報を認識できるようになります。テキストの強調やリンク設置も可能なため、社内ポータルとしての機能を補完できます。
ポータル機能のON/OFF
ポータル上にアプリや外部サイトへのリンクを設置することで、ユーザーの操作ステップを削減できます。例えば経費精算アプリやGoogleカレンダー、業務マニュアルへの直リンクを追加すれば、目的の作業にスムーズに着手できるようになります。リンクはテキスト形式だけでなくアイコンやボタン風にカスタマイズすることも可能です。
2枚目以降のポータルの設定
ポータルはスタンダードコース以上であれば、2枚目のポータル設定が可能です。最大3つまでの設定が可能です。部署別にポータルを作成したり、子会社向けにポータルを作ったりすることが可能です。
2枚目以降のポータルは、「ウィジェット」と呼ばれるパーツを使って、表示内容やレイアウトを設定します。
ワイドコースのポータル拡張
kintoneには全社/大規模利用者向けのコースのワイドコースがあります。このコースに変更をすると、ポータル拡張といった機能が付与されます。ポータル拡張では、kintoneのポータルを強化することができます。以下の3つの機能を利用できます。
組織・グループ別の表示制御
組織やグループごとに異なるお知らせやアプリ、スペースへのリンクメニューを表示できます。
アプリやスペースをソート/分類で見つけやすく
アプリやスペースをカテゴリに分類して表示できます。「人事関連」「IT申請」「困った時は」など業務や利用シーン別にアプリやスペースを分類しておくことで、必要な機能にすぐ到達できます。
外部システムへのリンクもまとめて管理
アプリ、スペースのメニューには、kintone以外のシステムへのリンクを表示できます。kintoneアプリとそれ以外のシステムへのリンクをまとめて表示することで、利用者にとって分かりやすいシステム導線を実現します。
JavaScriptやAPIを活用した高度なカスタマイズ
より高い業務効率や柔軟な情報設計を求める場合は、JavaScriptやkintoneのAPIを活用したカスタマイズが有効です。開発者による実装が必要になりますがユーザーやプロジェクト単位で最適な表示制御が可能になり、ポータルの操作性を大きく高めることができます。
ログインユーザーの属性に応じた表示切替
ユーザーの部署や役職、所属チームなどに応じて表示するアプリやお知らせを出し分けることが可能です。例えば営業部門のメンバーには営業アプリのみを表示し、管理部門には別の通知を表示するなど業務に即した情報提供ができます。
プロジェクト別に出し分けるポータル構成
複数のプロジェクトを運用している場合、プロジェクトごとにポータル画面を動的に切り替えることで情報の混在を防ぎます。担当者が関与するプロジェクトのみが表示されるようにすることで不要な情報による混乱を避け、集中力を高めることができます。
iframeを用いた外部ツールの埋め込み
GoogleカレンダーやBIツール(例:Google Data StudioやTableau)などの外部サービスをiframeで埋め込むことで1つの画面上に必要な情報を集約できます。これにより複数のツールを行き来する必要がなくなり、業務の一元管理が実現できます。
ポータルでのアプリ表示の工夫
ポータルは日々の業務の起点となる重要な画面です。そこに表示されるアプリが使いにくければ、業務効率やユーザー体験に大きく影響を及ぼします。この章ではkintoneポータル上に表示されるアプリを探しやすく、見やすく整理するためのカスタマイズ手段を紹介します。
よく使うアプリをお知らせ掲示板に表示する
日常的によく使うアプリは、ポータル画面の目につきやすい位置に配置することで、ユーザーが迷わず目的の操作にたどり着けます。
ポータル画面では、お知らせ掲示板が左上に表示されており、視認性が高くなっています。そこにアプリのリンクを設置することで、利用頻度の高いアプリや全社向けのアプリをすぐに見つけられるようになり、ユーザーの利便性が向上します。
アプリを非表示にして不要な情報を画面から除く
すべてのユーザーに同じアプリを表示すると、業務に関係のない情報が目に入り、混乱を招くことがあります。そのため、ポータルに表示するアプリはユーザーごとに最適化することが望ましいです。
最も簡単な方法は、アプリのアクセス権限を調整することです。特定のアプリを特定のユーザーグループのみに表示する設定により、必要な情報だけを画面に表示できます。
このような設計を行う際は、誰に何を表示するかを明確にし、適切に管理することが重要です。また、非表示にしたアプリについては、必要に応じてヘルプ文や注釈を添え、ユーザーが混乱しないよう配慮しましょう。
全体カスタマイズを活用して見た目と導線を改善する
kintoneでは、JavaScriptやCSSを使って全体の動作や画面をカスタマイズできます。PC画面とスマートフォン画面の両方に対応しており、ノーコード機能だけでは不十分な場合に、ポータルの見た目や機能を柔軟に変更できます。自社に合わせた運用を実現したい場合は、独自のポータル画面を作成する方法も有効です。
ただし、全体カスタマイズにはJavaScriptやHTML/CSSの知識が必要となるため、実施する際は専門の担当者が対応できる体制を整えることが重要です。
kintoneポータルを効果的に運用するコツ
kintoneポータルは作成して終わりではなく、いかに現場の業務に根づかせ継続的に活用され続けるかが重要です。初期構築がいかに優れていても日々の運用が形骸化してしまえば、せっかくのポータルも使われない画面になってしまいます。
この章ではポータルを継続的に活用し、組織内の情報共有基盤として育てるための実践的なポイントを4つに分けて解説します。
運用前に目的と利用者を明確にする
ポータルの設計段階でまず行うべきことは、誰のために、何の目的で情報を配置するのかを明確にすることです。例えば営業チーム向けに案件進捗を可視化する、全社に向けた通達事項を確実に届けるなどターゲットと目的を絞り込むことで、迷いのない構成が可能になります。
目的が曖昧なまま要素を詰め込むと、結果として使いづらい画面になりがちです。設計の初期段階で具体的な利用シーンをイメージしながら情報の配置を検討することが、成功するポータルづくりの第一歩です。
定期的に情報を見直して更新する
一度作成したポータルをそのまま放置してしまうと、情報が古くなり、ユーザーからの信頼も失われてしまいます。例えばリンク先のアプリが更新されたり、使われなくなったお知らせがそのまま残っていたりするとポータルを見ても役に立たないと思われ、利用頻度が下がる要因となります。
そのため定期的にポータルの表示内容を見直し、不要な情報を削除したり新たな業務に合わせて構成を調整したりする作業が必要です。更新頻度の目安を決め、月1回や四半期ごとなど定例的に棚卸しを行う仕組みを取り入れると継続的な改善がしやすくなります。
利用者の声を取り入れて改善する
ポータルの改善は実際に使っている利用者の声を聞くことが何よりも効果的です。ヒアリングやアンケートを定期的に実施し、何が使いやすいか、何が使いづらいかを直接集めることで表面的なUI改善ではなく本質的な業務支援に繋がる調整が可能になります。
例えば申請アプリの位置が分かりづらい、通知が目に入らないなどのフィードバックがあれば、配置の見直しや視認性向上のヒントになります。ユーザーの意見を取り入れることで自分たちのポータルという意識も芽生え、活用度も高まります。
掲示板やスペースを社内情報の発信拠点として活用する
ポータル上にある掲示板やスペース機能もうまく運用すれば社内情報の発信拠点として大きな役割を果たします。しかしこれらのエリアが更新されないまま放置されると、情報が陳腐化し、逆に見られない場所になってしまいます。
この問題を避けるためには情報発信のルールと頻度を明確に設定し、定期的に投稿・更新を行う体制を整えることが重要です。例えば週1回の更新をルール化する、投稿テンプレートを作成して誰でも投稿しやすくするといった工夫が効果的です。
また部署ごとにスペースを使い分け、必要な情報をカテゴリごとに整理することで情報の発信と受信がスムーズに行われる環境が整います。ポータルを単なるリンク集で終わらせず、社内コミュニケーションの中心として機能させる視点が大切です。
まとめ
kintoneポータルは業務の起点となる重要な画面です。初期状態でも利用できますが、自社の業務やユーザーに合わせてカスタマイズや運用を行うことで、真の効果を発揮します。
アプリの配置や通知の見やすさ、導線設計を工夫することで、業務効率の向上や情報の見落とし防止が可能になります。さらに定期的に見直し、利用者の意見を反映した改善を続けることで、ポータルは単なる入口ではなく現場に根付いた業務支援ツールへと進化します。
ポータルの設計と運用を丁寧に行い、kintoneを最大限に活用して、より効果的な業務運用を進めましょう。
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