導入事例 YKK AP株式会社
YKK APがkintoneとRPA、Smart at tools for kintone CSV入出力で申請業務の標準化を実現
月5000件の申請業務をペーパーレス化し、業務効率を大幅に改善
YKK AP株式会社は、住宅・ビル用の窓・ドア、エクステリア製品、リノベーションサービスなど幅広い製品・サービスを提供する建材メーカーです。M-SOLUTIONS株式会社は、YKK AP株式会社へのkintone導入支援とkintoneプラグインである「Smart at tools for kintone CSV入出力」を提供させていただきました。本記事では、具体的な導入内容とその成果について、導入担当者の岡部様に伺いました。
担当者様の情報を教えてください。
岡部様:私はYKK AP株式会社業務本部営業業務企画部という部署に所属しています。当部署は営業担当者と業務担当者における業務の標準化を推進したり、営業の業務改善をサポートする役割を担っています。
kintoneはどのような用途で利用していますか?
岡部様:営業が製品を販売する際に必要な申請業務をkintoneで管理しています。約10種類の申請書をアプリで管理しています。ある申請アプリは月間平均で約5,000件の申請数があり、年度末になると7,000~8,000件に増加することもあります。
kintoneを導入する前はどのように管理していましたか?
岡部様:Excel帳票での管理を行っていました。申請者はExcelに必要事項を入力し、それを紙に出力して承認印をもらうという流れでした。コロナ禍以前は、承認者から直接印鑑をもらうために紙の申請書を持ち回る必要があり、非常に手間のかかる作業でした。コロナ禍以降はDocuWorksを使用してデータでのやり取りに変更しましたが、本質的な業務改善には至っていませんでした。
導入前の課題を教えてください。
岡部様:1つ目は紙やExcel帳票では承認取得に時間がかかり、また承認状況の可視化もできませんでした。申請者は自分の申請がどこまで進んでいるのか分からず、確認のために承認者や業務担当者に都度問い合わせる必要がありました。
2つ目は、承認済みデータの処理に関する課題です。承認が完了した申請内容は基幹システムに手作業で入力する必要がありました。特に月末や年度末には申請が集中するため、入力作業のために臨時スタッフを増員することもありました。
kintoneを選定した理由を教えてください。
岡部様:主に2つの理由からkintoneを選定しました。1つ目は、すでに日報管理ツールとしてkintoneを営業部門で利用していたことです。営業担当者が日常的に使用しており、操作に慣れていたため、新しいシステムの導入に比べて抵抗感が少ないと考えました。
2つ目は、コスト面での優位性です。kintoneはすでに日報管理ツールとして利用していたため、追加のライセンス費用を購入することなく、社内展開ができる見込みがありました。
他のツールも検討しましたが、既存のライセンスが活用できる点と、使い慣れている点を総合的に判断して、kintoneに決定しました。
kintoneの導入の進め方はいかがでしたか?
岡部様:我々自身、システム導入の経験がなく、最初は手探りの状態でした。そのため、M-SOLUTIONSの支援を受けながら段階的に進めていきました。
まず要件定義から始め、画面のモックアップを作成しました。その過程で、承認フローの確認や、マスターデータの構成についても綿密な打ち合わせを行いました。特に承認フローについては、標準化を進めるにあたり、かなりの時間を費やしました。
特に苦労したのは、各支社の独自ルールの標準化です。例えば、ある支社では営業担当者のみが申請を作成していましたが、別の支社では業務担当者も申請作成に大きく関わっているなど、運用方法が異なっていました。これらの違いを吸収し、標準的なプロセスを確立するのに苦心しました。
運用開始に向けては、説明会の開催方法やマニュアルの作成など、初めての経験が多く、M-SOLUTIONSが手がけた他社事例を参考にさせていただきました。
kintoneで構築した効果はいかがでしたか?
岡部様:導入効果は予想以上に大きいものでした。承認者を明確に設定し、システムで制御することで、運用の標準化が図られました。また入力項目の制御・必要項目の必須化により記載ミスも大幅に減少しました。
承認状況の可視化も実現し、申請者は自分の申請がどの段階にあるのかをリアルタイムで確認できるようになりました。これにより、問い合わせの手間が削減され、業務効率が向上しました。
さらに、Smart at tools for kintone CSV入出力とRPAを活用することにより、kintoneのデータを基幹システムに自動連携することを実現できました。これにより、入力業務の人員を大きく削減することができ、特に繁忙期の業務が軽減されました。
ペーパーレス化による効果も見逃せません。特に年度末には7,000~8,000件の申請があり、これらが全て紙で処理されていた従来と比べると、大きなコスト削減になっています。
M-SOLUTIONSの支援に対する感想と評価を教えてください。
岡部様:M-SOLUTIONSには手厚いサポートをいただきました。特に印象に残っているのは、導入初期の支援です。説明会の実施方法やマニュアルの作成方法など、システム導入の経験が少ない私たちに対して、他社の事例を交えながら具体的なアドバイスをいただきました。
例えば、マニュアルについては画面キャプチャの活用方法や、特に説明が必要な機能については詳細なページを作成するなど、実践的なアドバイスをいただきました。
また、RPAとの連携においても大きな支援をいただきました。RPAの開発ベンダーを交えた3社間の調整や対面でのサポートなど、積極的に関わっていただいたおかげで、スムーズな連携を実現できました。社内の独自の慣習や仕組みについても、丁寧にヒアリングしていただき、最適な解決策を提案していただきました。
Smart at tools for kintone CSV入出力の効果と使い勝手についてご評価ください。
岡部様:Smart at tools for kintone CSV入出力(以下、CSV入出力)は、当初の期待以上の効果をもたらしてくれました。kintoneのデータを30分ごとに自動で出力し、RPAと連携して基幹システムに取り込む仕組みを構築できたことで、業務の自動化が大きく進展しました。
特に効果が顕著だったのは繁忙期の対応です。以前は月末や年度末の申請集中時期に苦労していましたが、RPAの連携により、業務の平準化が実現しました。
人的ミスも大幅に減少し、データの正確性が向上しました。また、入力グループの業務負荷が軽減され、より付加価値の高い業務に時間を振り向けられるようになりました。
今後の展望を教えてください。
岡部様:今回の結果をふまえ更なる展望を計画しています。他の申請への展開を検討しています。現在、これらの業務もExcelで運用していますが、kintoneでの管理に移行することで、同様の効果が期待できると考えています。また、従来は見えづらかった申請状況が、可視化されることで、より効果的な業務改革に繋がると期待しています。営業担当者の感覚に依存していた部分を、データに基づく意思決定に変えていくことで、更なる業務効率化に繋がると期待しております。
-ありがとうございました。
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(パーパスとは、企業の社会的な存在意義を示すこと)