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Smart at AIがアップデート!「プロンプト条件設定」と「結果保存先フィールドの種類拡充」で業務効率化がさらに加速
業務効率化のためのツールとして広く活用されているkintone。そのkintoneをさらにパワーアップさせるプラグイン「Smart at AI for kintone Powered by GPT(以下、Smart at AI)」が、2025年4月・5月にアップデートされました。今回のアップデートでは、「プロンプト条件設定機能」と「結果保存先フィールドの種類拡充」という2つの新機能が追加され、kintoneとAI連携の可能性がさらに広がりました。この記事では、新機能の概要と活用例について詳しく解説します。
Smart at AIとは?
「Smart at AI」は、M-SOLUTIONS株式会社が提供するkintoneプラグインで、OpenAI、Anthropic、Gemini、Azure OpenAIといった各種生成AIをkintoneと連携させることができるツールです。レコード情報を基にAIによる文章生成やデータ分析を行い、業務の自動化や効率化を実現します。
このプラグインの特徴は、以下の点にあります。
- 複数のAI生成モデルに対応(OpenAI、Anthropic、Gemini、Azure OpenAI)
- プロンプト設定の自由度が高く、業務に合わせたカスタマイズが可能
- レコード更新やレコード追加など、kintoneの操作と連動したAI生成
- 検索拡張生成(RAG)機能によるアプリ内データの活用
- エージェント実行機能による定期的な自動生成
2つの新機能、プロンプト条件設定と結果保存先フィールドの種類拡充が対応
4月のアップデートでは、以下の2つの主要な機能が追加されました。
- プロンプト条件設定:特定の条件に合致するレコードのみでAI生成を実行できる機能
- 結果保存先フィールドの種類の拡充:AI生成結果を保存できるフィールドの種類が拡充
これらの機能により、より細かな条件でのAI活用や、多様なフィールドタイプへの出力が可能になりました。
プロンプト条件設定とは?
プロンプト条件設定機能は、特定の条件を満たすレコードに対してのみAI生成を実行する機能です。この機能によって、例えば「ステータスが特定の値のときだけ」「数値が一定以上のレコードのみ」といった条件付きでAI生成を行うことが可能になりました。
実行条件に利用できるフィールドとして、以下のものが挙げられています。
- レコード番号
- 文字列(1行)
- 文字列(複数行)
- リッチエディタ
- 数値
- 計算
- リンク
- ステータス
- チェックボックス
- ラジオボタン
- 複数選択
- ドロップダウン
- 作成日時
- 更新日時
- 日時
- 日付
- 時刻
条件の設定も「等しい」「含む」などの比較演算子を使って詳細に設定可能で、複数の条件を組み合わせることもできます。
結果保存先フィールドの拡充対応とは?
これまでのバージョンでは、AI生成の結果を保存できるフィールドの種類が文字列一行や文字列複数行、リッチテキストフィールドなどに限られていました。今回のアップデートにより、AI生成結果を保存できるフィールドの種類が大幅に拡充されました。
新たに対応したフィールドタイプには以下が含まれます。
- 文字列(1行)
- 文字列(複数行)
- リッチエディタ
- 数値
- ラジオボタン
- ドロップダウン
- 日付
- 時刻
- 日時
- リンク
これにより、AI生成の結果を直接数値フィールドに出力したり、日付/時刻フィールドに保存したりといった、より柔軟な使い方ができるようになりました。
条件実行機能の活用例
条件実行機能の活用例を紹介します。
契約書レビューの自動化で法務業務を効率化
法務部門では、日々多くの契約書審査に追われています。従来は全ての契約書を法務担当者が一から確認する必要がありましたが、プロンプト条件設定機能を活用することで、業務フローを改善できます。
具体的には、ステータスが「初回審査待ち」に設定された契約書に対して、Smart at AIが自動実行されるように条件を設定します。営業担当者が契約書をkintoneに登録してステータスを「初回審査待ち」に変更すると、Smart at AIが即座に契約書の内容を解析し、リスク箇所や要確認ポイントを抽出します。その後、法務担当者はAIが提示した審査結果を基に最終確認を行い、ステータスを「審査完了」に変更して上長承認フローに進めます。
この仕組みにより、法務担当者の初期審査時間の削減、人的な見落としリスクも軽減できます。特に定型的な契約書については、AIが初期スクリーニングを担当することで、法務担当者はより複雑で重要な案件に集中できるようになります。
既存顧客への対応をパーソナライズ
カスタマーサポート部門では、顧客からの問い合わせ内容によって対応方法を変える必要があります。プロンプト条件設定機能を使えば、顧客種別が「既存顧客」である場合にのみAIが作動するよう設定できます。
既存顧客から質問が登録されると、AIは自動的にその顧客の過去の契約情報や利用履歴、以前の問い合わせ内容を参照し、個別の状況に応じた対応案を生成します。サポート担当者は、このAI提案をベースにしてよりパーソナライズされた回答を作成できるため、画一的な回答ではなく、顧客の状況に即した質の高いサポートを提供できます。
用途に応じたAI選択で最適なコンテンツ制作
マーケティング部門では、制作するコンテンツの種類によって最適なAIモデルが異なります。この課題を解決するため、「使用AI」というラジオボタンフィールドを設け、選択値に応じて実行するAIを動的に切り替える仕組みを構築できます。
「Claude」を選択した場合は創造性を重視したマーケティングコピーの生成、「ChatGPTo3」選択時は論理的で詳細な分析レポートの作成、「Gemini」選択時は多言語対応コンテンツの生成といった具合に、それぞれのAIの特性を活かした使い分けができます。
結果保存先フィールド種類拡充の具体的活用例
結果保存先フィールドの種類拡充機能の活用例を紹介します。
請求書処理業務の自動化を実現
経理部門では、毎月大量の請求書PDFを処理する必要があります。従来のSmart at AIの機能では、AIが請求書の内容を解析して文字列で出力した後、経理担当者が手動で各フィールドに転記していました。しかし、結果保存先フィールドの種類が拡充されたことにより、この作業が不要になります。
今回のアップデートで、AIが請求書を解析すると同時に、請求金額は数値フィールドに、支払期日は日付フィールドに、税区分はドロップダウンフィールドに直接出力されます。請求先企業名も文字列フィールドに自動で設定されます。
請求金額が、数値フィールドに直接保存され、月次請求金額の自動集計が可能になり、日付フィールドへの保存により支払期日のリマインド通知も利用できるようになりました。これらの機能により経理業務の精度と効率性が大幅に向上しています。
社内問い合わせの振り分け自動化
総務部門には、社内からの様々な相談や問い合わせを適切な部門に振り分ける業務があります。以前は、AIが問い合わせ内容を分析して「人事部向け」「総務部向け」といった文字列を出力し、窓口担当者が手動で振り分け作業を行っていました。
今回、結果保存先フィールドの種類が拡充されたことで、AIが問い合わせ内容を解析し、担当部門を登録するドロップダウンフィールドに「人事部」「総務部」「情報システム部」として直接設定されます。同時に、緊急度もラジオボタンで「高」「中」「低」に自動判定され、対応期限も日付フィールドに自動計算された期限日が設定されます。
この機能より、振り分け作業を自動化でき、さらに各部門の担当者への自動通知も実現できます。窓口担当者の作業を削減し、より付加価値の高い業務に集中できるようにできます。
プロジェクト管理の精度と効率を同時に向上
プロジェクト管理部門では、新しいタスクの工数見積もりや期日設定に多くの時間を費やします。従来は、過去の作業経験をもとに時間を見積もり、工数を算出していました。
結果保存先フィールドの種類が拡充されたことにより、AIが予想作業時間を数値フィールドに直接出力し、完了予定日も自動で日付フィールドに設定できるようになりました。タスクの難易度は「簡単」「普通」「困難」のいずれかに自動分類できるようになります。AIによる見積で工数を削減することができます。
まとめ
Smart at AI for kintoneの最新アップデートで、「プロンプト条件設定機能」と「結果保存先フィールドの種類拡充」が追加され、AI活用の柔軟性と実用性が大幅に向上しました。
このアップデートにより、以下のような効果が期待できます。
・条件を満たすレコードのみにAIを適用し、無駄なコストを削減
・業務内容に応じた最適なAI処理で、作業の精度と品質を向上
・文字列、数値、日付、リンクなど多様なフィールドタイプに直接出力し、後処理を自動化
・業務フローの最適化により、作業時間を大幅に短縮
Smart at AI for kintoneは無料版から試せるため、導入のハードルも低く、効果を確認してから有償版に移行できます。すでにkintoneを利用している企業であれば、数分で設定が完了し、すぐに利用できます。導入をご希望の方は、以下の申し込みフォームからご登録ください。
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