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kintoneで勤怠管理はできる?導入ステップからプラグイン活用・事例まで徹底ガイド
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働き方の多様化が進むなか、勤怠管理の運用に課題を感じる企業は少なくありません。たとえば「直行直帰やフレックス勤務への対応が現行ツールでは運用しづらい」、「勤怠申請の承認フローが複雑で担当者の負荷が高い」といった悩みは、規模や業種を問わず耳にします。
本記事では、こうした課題に対する解決の選択肢のひとつとして、kintone(キントーン)を基盤にした勤怠関連業務の設計・運用を解説します。「勤怠の申請・承認や周辺業務を自社仕様に合わせて柔軟に回したい」、「外部の勤怠SaaSやチャット、会計、人事システムと連携して全体最適を図りたい」という方に、具体的な設計・比較・運用のヒントをお届けします。
まずkintoneについて知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
目次
kintoneが勤怠管理ツールとして選ばれる理由
多様な働き方が広がるなか、勤怠管理には柔軟性と業務効率化が一段と求められています。紙・Excel・メールや複数システムの併用で煩雑化している企業も少なくありません。こうした背景から、ノーコードで業務アプリを構築できるkintoneを“基盤”として、申請・承認や周辺業務を自社仕様に設計するアプローチが注目されています。
なぜkintoneで勤怠管理をするべきか?
kintoneはドラッグ&ドロップで画面や項目を自由に設計でき、自社のフローに合わせた申請・承認(プロセス管理)を構築できます。さらにグラフや通知で滞留の見える化・リマインドも可能です。打刻や就業規則に基づく自動計算が必要な場合は、プラグインや外部の勤怠SaaSと連携し、一連のデータ連携をWebhook/APIやiPaaSで自動化することで、勤怠管理にとどまらない業務全体の効率化を実現できます。
自社の勤務ルールにあわせて柔軟に設計
一般的な勤怠ツールでも多様な勤務形態に対応できる製品はありますが、自社固有の申請・承認分岐や例外運用まで含めると、運用が複雑になることがあります。
kintoneはノーコードの業務プラットフォームとして、プロセス管理(ワークフロー)で承認経路や条件分岐、代理承認などを柔軟に設計できます。サンプルアプリを起点に、勤務区分や申請項目を自社仕様に調整し、業務フローに沿った仕組みを構築可能です。
また、スマートフォン/タブレットでも利用でき、外出先からの申請や承認、打刻操作も可能です。
申請〜承認〜集計までを一元管理
kintone上で申請→承認を回し、集計・可視化まで同一アプリ(または関連アプリ)で運用できます。これによりツール間の分断や転記を減らし、入力ミスや確認漏れのリスクを抑制できます。
一方で、就業規則に基づく厳密な自動計算や法改正への迅速な追随は、専用勤怠SaaSと連携する設計のほうが適する場合があります。要件に応じてkintone単体/連携を選択してください。
既存の社内ツールとスムーズに連携
kintoneはCSV出力やAPI/Webhookを備え、人事・給与・会計・チャットなど外部システムとのデータ連携を容易にします。たとえば、勤怠データを給与計算へ渡したり、LINE WORKS等のチャットに承認依頼を自動通知することも可能です。(WebhookやiPaaS、連携ツールを利用)。これにより二重入力を減らし、ミスと工数を大幅に削減できます。
kintoneで勤怠管理を導入するステップ
kintoneを使って勤怠管理を導入する際は、単にアプリを作るだけではうまくいきません。企業ごとに異なる勤務ルールや運用フローに適した設計を行い、現場にスムーズに浸透させるための段階的なアプローチが必要です。
ここではkintoneで勤怠管理を構築・運用していくための5つのステップを順を追って解説します。
勤怠管理に必要な要件を整理する
まず最初に取り組むべきは、自社における勤怠管理の目的や要件を明確にすることです。従業員の勤務形態や就業規則、申請が必要な勤怠パターン(例:残業、直行直帰、有給休暇など)を洗い出し、それらをkintone上でどのようにデータ化し管理するかを検討します。
この段階で必要な項目や処理フローが整理されていれば、後の設計や設定作業がスムーズに進むだけでなく、運用開始後の混乱も防ぐことができます。
テンプレートを活用してアプリを作成する
kintoneのアプリストアにあるサンプル(例:タイムカード等)や外部提供のテンプレートを起点に、不要フィールドの削除・項目追加・計算式の調整を行うことで、自社の運用にフィットしたアプリに仕上げられます。申請区分や打刻種別の選択肢も、運用ルールに合わせて柔軟に編集できます。
打刻・申請・承認フローを設計・設定する
出退勤の打刻は、kintoneの入力画面を用意したり外部の勤怠サービス/打刻デバイスと連携したりすることで、スマートフォンやPCから運用可能です。申請・承認はkintoneのプロセス管理と通知/Webhookを組み合わせて自動化し、ルールに沿ったフローをシステムに明確化します。
社内展開に向けたマニュアル整備・説明を行う
どれほど優れたシステムでも、実際に使用する現場の従業員にとって使いにくければ定着しません。そのためアプリ構築後には利用者向けに操作マニュアルを作成し、社内説明会や研修を通じて運用ルールの周知徹底を図る必要があります。
特に打刻ミスの訂正方法や申請時の注意点など日常的に発生しやすい操作を中心に説明することで、従業員が不安なくシステムを使えるようになります。また現場からの質問やフィードバックを受け付ける窓口を設けることで、導入後のスムーズな運用にもつながります。
テスト運用を経てスムーズな本格導入へ
本格運用を始める前に、まずは一部部門や小規模チームでのテスト運用を行いましょう。実際に使用する中で、想定していなかった入力ミスや承認漏れなどの課題が発見されることもあります。そうした問題点を洗い出し、改善策を取り入れてアプリを調整してから全社導入へと進むことで、スムーズな本格運用が可能になります。
初期段階で不具合を最小限に抑えることで利用者の混乱や抵抗感も減り、kintone勤怠管理アプリの定着率を高めることができます。
kintoneの勤怠管理を強化するプラグイン紹介
kintoneは標準機能だけでも勤怠管理を構築できますが、より効率的かつ高度な運用を実現するには専用プラグインの導入が効果的です。
プラグインを活用することで申請業務の自動化や外部データの取り込み、リアルタイムな情報共有など、kintoneの機能を拡張し、勤怠管理業務の質を一段階引き上げることができます。ここでは勤怠管理において特に有効な3つのプラグインをご紹介します。
Smart at tools for kintone 申請パック|勤怠申請業務をまるごと効率化
「Smart at tools for kintone 申請パック」は勤怠申請から承認、集計までの一連の業務プロセスを大幅に効率化できるプラグインです。
kintone上に専用の申請フォームを追加し、残業や休暇など各種申請を画面上から簡単に入力・送信できるようになります。入力内容は自動で所定の承認ルートに回され、ステータスの可視化や通知機能も備わっているため、承認漏れや遅延の防止に貢献します。
また集計結果はCSV形式で出力できるため、給与システムとの連携にも対応しやすくなります。人事・労務部門の業務負担を軽減しつつ、従業員にとっても使いやすい申請環境を構築できるのがこのプラグインの大きな特徴です。
FormBridge|外部フォームからの勤怠申請を自動で取り込み
FormBridgeはkintoneに外部の入力フォームを連携させるプラグインで、kintoneのアカウントを持たないユーザーからもデータを受け取れる仕組みを構築できます。
例えばアルバイトや派遣社員など、ライセンスを割り当てていない従業員が勤怠申請を行うケースでも、FormBridgeを利用すればWebフォームから直接kintoneにデータが反映されるため、別途手入力やメール転記の手間が不要になります。
この機能は社外スタッフを多く抱える店舗やイベント現場などにおいて特に有効です。フォームの設計もノーコードで行えるため、専門的な知識がなくても直感的にフォームを作成・管理でき、柔軟な運用が可能です。
kViewer|勤怠データをリアルタイムで可視化・共有
kViewerはkintone内の勤怠データをリアルタイムで一覧表示し、外部公開や部門内共有を実現できるビューツールです。例えば各社員の出勤状況や休暇予定を一覧で表示し、チーム内で共有することで、業務の割り振りやコミュニケーションを円滑にします。
表示内容は設定画面から簡単にカスタマイズでき、必要な情報だけを抜き出して見せることができるため、閲覧者にとっても視認性の高いレイアウトを実現できます。管理者が全体の勤怠状況を確認するだけでなく、現場リーダーや部門長が自チームの状況を把握する目的にも活用できるため、組織内の情報共有と透明性の向上に寄与します。
kintoneで勤怠管理を成功させるためのチェックポイント
kintoneによる勤怠管理は自由度の高い設計が可能であり、多様な企業に適用できる柔軟性が魅力です。しかしその反面、設計・運用の方向性を見誤ると使い勝手が悪くなり、現場に定着しない恐れもあります。
ここでは自社に最適な設計方針を見極めるための判断軸と、長期的な運用を見据えたリスク対策について解説します。
自社のタイプに合ったkintone勤怠管理の活用方法を見極める
kintoneは業種や企業規模、勤務形態の違いに応じて柔軟に設計できる点が大きな魅力です。しかし自由度が高いがゆえに、事前に「自社がどのタイプに当てはまるか?」を見極めたうえで活用方法を検討することが不可欠です。
このセクションでは「従業員数」「職種の傾向」「勤務スタイル」という3つの視点から、自社に合ったkintoneの勤怠管理設計の考え方を具体的に解説していきます。
従業員数に応じた導入のしやすさを確認
従業員数が少ない企業であれば、まずはシンプルな構成で導入し、必要に応じて徐々に機能を追加していく「スモールスタート」が効果的です。申請や承認の人数も限られるため、テンプレートをベースにした短期間での立ち上げが可能です。
一方従業員数が多い場合には部署や雇用形態によって勤務ルールが異なるケースも多く、勤怠区分や集計条件を複雑に設計する必要があります。この場合は部門ごとに運用ポリシーを整理したうえで、kintone上に複数のアプリやフィールドを用意し、柔軟な管理ができるように設計することが求められます。
職種に合わせた運用方法を確認
社内にPC常時利用のデスクワークが多い場合は、kintoneのブラウザ画面から日々の打刻や申請が自然に行えます。しかし工場や店舗スタッフ、営業職など現場で働く従業員が多い企業では、スマートフォンやタブレットでの操作性が特に重要になります。
操作画面は大きなボタンやシンプルなレイアウトを意識し、外出先からでもストレスなく打刻や申請が行えるUI設計を目指すべきです。端末に制限がある現場スタッフ向けには、プラグインを用いた外部フォーム連携も効果的です。
勤務スタイルへの対応力を確認
直行直帰やテレワークを採用している企業では、位置情報や時刻情報を取得できる仕組みが求められます。GPS連携やモバイル打刻機能を活用することで、不正打刻の防止とリアルな勤務実態の可視化が可能になります。
またシフト制を採用する企業では複数パターンの勤務時間を登録・管理できるようにし、シフト表との連動や予定と実績の差異をチェックできる仕組みを取り入れると、運用負荷を大きく軽減できます。
長く使い続けるための運用設計とリスク対策
勤怠管理は毎日利用される業務基盤であり、一度導入したら長期的に安定運用することが前提となります。
そのため初期導入だけでなく、継続的なメンテナンスや運用体制も設計段階で視野に入れることが不可欠です。以下の3点はkintoneを長く安全に活用するために特に重視すべき観点です。
バックアップとデータの保全体制を確認
勤怠情報は給与計算や法定帳簿とも密接に関係するため、データ消失や改竄が許されない重要な情報です。kintoneでは標準でデータの保存が行われますが、さらに安心して運用するには定期的にCSV形式でバックアップを取得する仕組みを整えておくと良いでしょう。
また誤ってデータを削除した場合に備えて削除ログや復旧手順も明文化しておくと、トラブル時の対応が迅速になります。
セキュリティとアクセス制御の最適化
誰がどの情報にアクセスできるかを明確にするアクセス制御は、運用上のトラブルや情報漏洩を未然に防ぐうえで欠かせません。例えば一般社員には自分の申請データのみを表示させ管理者には全体の勤怠情報が見えるように設定することで、情報の閲覧範囲をコントロールできます。
またモバイル端末からのアクセスが多い環境では、端末認証やIPアドレス制限などのセキュリティ対策も併せて検討すべきです。
変更やアップデートに対応できる運用設計をチェック
業務や制度の変更に合わせて、勤怠ルールも更新されることがあります。例えばフレックスタイム制の導入や働き方改革による制度変更などに迅速に対応するには、アプリやワークフローを柔軟に修正できる運用体制が必要です。
そのためには社内にkintoneの設定変更ができる担当者を育成する、あるいはパートナー企業と連携し、いつでも仕様変更が行える体制を確保しておくことが望まれます。属人化を避け、ドキュメント化やマニュアル整備を進めておくことも重要です。
kintoneにおける勤怠管理の導入事例
kintoneを使った勤怠管理は業種や企業規模を問わず多くの現場で実際に導入され、日々の業務に活用されています。特に従来の勤怠管理ツールでは対応が難しかった現場スタッフの運用や複数拠点にまたがる人員管理、そして紙やExcelからの脱却を目的としたシステム移行など、具体的な課題解決に直結する事例が増えてきました。
この章では「LINE WORKS」と連携した現場向けの打刻運用を実現した企業と、全国規模でスタッフ管理の最適化を進めた企業の2つの導入事例を取り上げます。それぞれの企業がkintoneを導入した背景、どのようにアプリを構築・運用し、どのような業務改善効果を得たのかを解説することで、読者自身が自社に適した活用法を具体的にイメージできるようになることを目的としています。
キンコン導入事例|LINE WORKSとの連携による現場運用の最適化
1つ目の事例は、株式会社ソウルウェアが提供するkintone連携サービス「キンコン」を活用しているM-SOLUTIONS株式会社の取り組みです。もともとはPCからWebブラウザにアクセスして打刻を行っており、入力漏れや月末のまとめ入力が課題でした。また同社ではkintoneを基幹システムとして運用していたため、勤怠データも一元管理できる仕組みが求められていました。
そこで導入されたのが、LINE WORKSと連携可能なチャット打刻機能を備えたキンコンです。従業員はLINE WORKSのグループチャットで「業務開始」などのキーワードを入力するだけで打刻が完了し、そのデータは自動的にkintoneに連携されます。この仕組みにより打刻操作のストレスが軽減されるだけでなく、打刻漏れも大幅に削減されました。
出典:kintone、LINE WORKSとの連携でスムーズな勤怠管理
コクヨ&パートナーズ株式会社|カスタマイズによるスタッフ管理の効率化
続いてご紹介するのは、コクヨ&パートナーズ株式会社の事例です。全国のクライアント企業に常駐するスタッフの勤務状況や労務情報を適切に管理する必要がありながら、従来はExcelやメールでのやり取りが中心で、情報の集約・共有に多大な手間と時間がかかっていました。また勤怠やシフト調整、雇用契約の管理が属人的で、業務ミスや対応遅れが発生しやすい状況にありました。
この課題を解決するため、同社ではkintoneをベースに「スタッフ管理システム」を構築しました。特に勤怠表や休暇申請、シフト調整など日々の業務に直結するアプリを中心に既存の帳票に近い画面設計を取り入れながら、現場が使いやすいシステムとして導入されました。その結果申請や確認の迅速化によって業務の負担が大きく軽減され、勤怠や稼働情報の管理もリアルタイムかつ正確に行えるようになりました。
まとめ
kintoneによる勤怠管理は、自社の業務や働き方に合わせて自由に設計できる柔軟性が最大の特長です。テンプレートをベースにした導入から始まり、プラグインの活用による機能拡張、外部ツールとの連携、さらには各企業の導入事例からも、その実用性の高さがうかがえます。
一方で導入にあたっては自社の規模や職種、勤務スタイルに応じた活用方法を見極める必要があり、長期運用を見据えたリスク管理も欠かせません。
正しい手順と設計を踏まえることで、kintoneは単なる勤怠管理の枠を超え、組織全体の業務効率を底上げする基盤となり得ます。自社に最適な形での導入・運用を目指して、この記事を参考に一歩踏み出してみてください。
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