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2025/11/07

kintoneで請求書を作成・管理する方法|標準機能・プラグイン・インボイス対応まで徹底解説

kintoneで請求書を作成・管理する方法|標準機能・プラグイン・インボイス対応まで徹底解説
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この記事でわかること

  • kintoneで請求書を作成する具体的な方法
  • kintone請求書に便利なプラグイン
  • インボイス制度・電子帳簿保存法に対応するkintone請求書管理
  • kintone請求書導入の事例と効果
  • 業種別の成功事例(製造業/建設業/サービス業)
M-SOLUTIONSメディア編集部

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M-SOLUTIONSメディア編集部

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請求書の作成や管理に時間と手間がかかっていませんか?特にExcelや紙ベースの運用では、入力ミスや承認の遅れ、データ検索の煩雑さが業務効率を大きく低下させる原因となります。そんな中で注目されているのが、業務改善プラットフォーム「kintone」です。

本記事ではkintoneで請求書は作れるのか?という疑問に答えながら、標準機能で実現できること・できないこと、Excel運用からの移行メリット、請求書アプリの具体的な作成方法、便利なプラグインの活用、さらには近年施行されたインボイス制度や電子帳簿保存法への対応方法までを徹底的に解説します。

クラウド化やDX推進を進めたい中小企業・中堅企業の担当者にとって、kintoneを活用した請求書業務の最適解が見つかる内容です。

またkintoneの基本的な情報について詳しく知りたい方は是非こちらをご参考ください。

 

kintoneで請求書は作成できる?

クラウド型業務改善プラットフォームであるkintoneは、ノーコードで業務アプリを作成できる柔軟性が評価され、様々な業務に活用されています。しかし「kintoneで請求書を直接作成・管理できるのか?」という点については、標準機能の範囲と限界を正しく理解することが重要です。

本章ではkintone標準機能で請求書作成にどこまで対応できるのかを解説したうえで、Excelや紙運用から移行するメリットについても詳しく紹介します。

 

kintoneの標準機能のメリット・デメリット

kintoneには業務アプリを自由に作成・運用できる標準機能が備わっており、請求書作成に必要な基本的な管理業務には十分に対応可能です。ただし、帳票出力やメール送信といった外部に出す処理についてはカバーしきれていない部分もあります。ここではkintone標準機能の長所と限界を明確に整理していきます。

 

kintoneの標準機能のメリット

kintoneの標準機能には請求書作成業務の基盤を支える機能が多数備わっており、特別な追加開発や外部サービスを使わずとも業務設計の中核を構築できる点が大きな魅力です。特に注目すべきは顧客情報・案件情報をアプリ単位で整理できる「データベース機能」とそれらを自由に紐付け・カスタマイズできる「リレーション設計の柔軟性」にあります。

 

例えば請求書アプリとは別に「取引先マスタ」「案件管理」「見積書」などのアプリを用意し、それぞれを関連付けることで一元的に業務データを連携・管理できます。アプリ間の情報連携は自動で行われるため、データの整合性を保ちながらシステムを構築できるという点で従来の表計算ソフトでは再現できない運用が可能になります。

 

さらに一覧表示・フィルタ・ソート・グラフ・カレンダー表示といった可視化機能も標準で用意されており、請求書のステータス管理や月次処理の進捗確認を視覚的に把握できる点も業務効率化に寄与します。これらはすべてノーコードで設定できるため、現場主導で業務改善を進められることもkintoneの導入効果を押し上げる要因となっています。

 

また、レコード単位での変更履歴の自動保存機能も標準搭載されており、請求内容の変更履歴や社内承認の経過をシステム的に記録できます。これにより、万が一の確認やトラブル時にも、透明性のある運用が担保されます。

 

kintoneの標準機能のデメリット

kintoneの標準機能には限界もあります。特に請求書のPDF形式での帳票出力や取引先へのメール送信といった外部とのやり取りに関する機能は標準では実装されていません。

 

加えてインボイス制度や電子帳簿保存法といった法令に求められる要件(例えば、タイムスタンプ付与、保存形式の要件、検索性の担保など)にはプラグインの利用、またはアプリの構成をきちんと整える必要があります。そのため実務でkintoneを活用する場合はプラグインや外部連携サービスを併用することが前提となります。

 

請求書作成業務をExcelや紙運用からkintone請求書へ移行するメリット

従来、請求書作成業務はExcelや紙ベースで行われることが多く転記ミスや承認の遅れ、データ検索の煩雑さといった課題がつきものでした。こうした非効率な請求書管理業務はkintoneに移行することで解消され、業務スピード・正確性・法令対応性が大幅に向上します。

 

ここでは移行によって得られる具体的な3つのメリットを解説します。

請求書作成業務をExcelや紙運用からkintone請求書へ移行するメリット

 

自動化による業務効率の向上と入力ミスの削減

kintoneでは、顧客情報や案件データをあらかじめ管理しておくことで、請求書作成時にこれらの情報を自動で反映できます。これにより手作業による転記の手間がなくなり、請求処理にかかる時間が短縮されます。

 

さらに手動入力が減ることで、金額の入力ミスや顧客名の誤記といったヒューマンエラーの発生率も大きく下がります。スムーズかつ正確な処理が可能となるため、業務全体の効率が高まります。

 

データの一元管理による情報共有・検索性の改善

kintoneはクラウド上で情報を一元管理できるため、請求書に関する最新データを営業・経理・管理部門など複数の担当者がリアルタイムで閲覧・更新できます。例えば外出先の営業担当者がモバイルから確認したり、経理が即座に過去データを参照するといった柔軟な対応が可能です。

 

さらに絞り込み検索やキーワード検索などの機能を使えば、必要な請求情報に瞬時にアクセスできます。従来のように紙の書類を探す手間やファイル名を覚えていないと開けないといった課題は解消され、業務のスピードと精度が大きく向上します。

 

法令対応を見据えた基盤整備

近年、インボイス制度や電子帳簿保存法といった法令対応が求められる中、紙やExcelでの請求書管理では対応の限界があります。kintoneを導入することで、請求書を電子データとして保存・管理する仕組みを整えやすくなり、法的要件への対応がスムーズになります。

 

具体的には記録の改ざん防止やタイムスタンプ機能の拡張なども、プラグインや連携サービスを利用することで実現可能です。将来的な制度改正にも柔軟に追随できるため、コンプライアンスを強化しながら安定的な運用が見込めます。

 

kintoneで請求書を作成する具体的な方法

kintoneでは業務に合わせたアプリをノーコードで柔軟に構築できるため、請求書作成業務も自社の運用フローに沿った形で実現可能です。特別なプログラミング知識がなくても、初期設定を理解すれば誰でも簡単に始められるのが魅力です。

 

本章ではkintoneで請求書アプリを作成する方法や公式のサンプルアプリの使い方、見積から受注、請求までの操作フローについて具体的に解説します。

 

請求書アプリの作り方

kintoneで請求書を発行するには、まず「アプリの作成」が必要です。アプリはデータベースのようなもので、請求情報を管理する土台となります。請求書アプリを作る際は必要な項目(フィールド)を画面上で設定し、それを組み合わせて構成していきます。

 

代表的なフィールドとしては「請求先企業名」「請求日」「請求金額」「品目明細」「担当者」などがあり、これらをドラッグ&ドロップで画面に配置することで、直感的に入力画面を構築できます。さらに顧客マスタや案件管理アプリと連携させることで、既存の顧客データを引用したり、案件に紐づけた請求処理も可能になります。

 

アプリ構築が完了したらデータの登録や検索、一覧表示、レコードの承認フロー設定などがすぐに利用できます。これにより単なるデータ入力だけでなく、社内のワークフローと連動した効率的な請求管理が実現します。

 

サンプルアプリやテンプレートの利用方法

アプリをゼロから作ることも可能ですが、サンプルアプリや外部ベンダーが公開しているテンプレートも多数用意されています。これらを活用することで、短時間で実用的な請求書アプリを導入できるのが大きなメリットです。

 

導入後は自社の業務に合わせてフィールド名やレイアウトを自由に編集できるため、テンプレートを基にしながら、独自の運用フローに最適化することが可能です。初めてkintoneに触れる方にとっても、テンプレートは非常に有効なスタートポイントとなります。

 

請求書発行までの操作フロー

kintoneで請求書を発行する一連の流れは見積から始まり受注、そして最終的に請求書の作成というステップで構成すると良いです。

 

まず見積書アプリで作成した情報を元に受注処理を行い、案件が正式に進行する段階で請求書アプリにデータを引き継ぎます。

 

この際アプリ間のデータ連携を設定しておけば、見積内容を再入力することなく請求書に自動で反映させることができます。受注内容に基づいて請求金額や請求日、取引先情報などを自動的に入力できるため、作業の手間が大幅に削減されます。

 

請求書アプリでは入力内容を確認した上で、帳票出力プラグインと連携することで、提出用の請求書を即座に作成することが可能です。さらにワークフローを組み込むことで、上長承認や部門チェックもシステム内で完結できるため、スピーディーかつ正確な請求業務の実現につながります。

請求書発行までの操作フローのイメージ画像

 

kintone請求書に便利なプラグイン

kintoneは柔軟なアプリ構築が可能な反面、標準機能ではカバーしきれない領域がいくつか存在します。特に請求書におけるPDFの帳票出力やメール送信、入金管理、法令対応などの実務的な要件を満たすには、プラグインや外部サービスの導入が必要です。

 

本章では請求書業務に特化したプラグインを取り上げ、選定のポイント、導入事例も交えながら業務規模に応じた最適な選び方を解説します。

 

主要プラグインの紹介

kintoneの標準機能では対応が難しい帳票出力や入金管理、メール送信といった請求書業務の最後の一手を補完するうえで、プラグインの導入は極めて重要です。ここでは実際の業務現場でも多く活用されている3つの主要プラグインを取り上げ、それぞれの特長・機能・活用シーンについて詳しく解説します。

主要プラグインの紹介

 

PrintCreator|帳票出力に強い

PrintCreatorはkintoneのデータをもとに、レイアウト自由なPDF帳票を作成・出力できるプラグインです。請求書だけでなく、見積書・納品書・領収書などの帳票類も一括で設計できるため、帳票出力を業務の中核に据えている企業にとっては非常に便利な選択肢です。

 

レイアウトは直感的なUIで設計でき、複数ページにわたる帳票にも対応しています。印刷設定やロゴ・印影の自動挿入など細部の調整も可能なため、企業独自のフォーマットに沿った帳票を簡単に作成できます。導入企業の中には、手作業での帳票作成から完全に脱却し、工数を半分以下に削減できたという事例もあります。

 

請求管理ロボ|請求・入金管理まで自動化

請求管理ロボは請求書の自動発行に加えて、入金状況の管理やリマインド通知など請求・入金サイクル全体を自動化することができるプラグインです。特に定期請求や複数取引先への同時請求処理が必要な企業にとっては、非常に高い導入効果が見込めます。

 

自動スケジューリング機能により月末や月初に請求書を自動で作成・送信し、入金確認後のステータス変更や未入金先への通知もすべて自動化されるため、担当者の確認作業やフォロー業務が大幅に削減されます。請求漏れ・未回収リスクの低減にもつながるため、経理部門の業務効率と正確性を両立できるのが特徴です。

 

kMailer|請求書メール送信を効率化

kMailerはkintone上のデータをもとに、請求書などのPDFファイルをメールに自動添付して送信できるプラグインです。定期的な請求書送付業務を効率化したい企業にとっては、非常に有用なツールです。

 

テンプレート化されたメール文面に加え、宛先の自動抽出、CC・BCCの設定、送信予約機能なども備えており手作業でのメール送信作業を完全に自動化できます。また送信履歴や未送信チェックもkintone内で確認できるため、業務の抜け漏れや重複も防げます。

 

インボイス制度・電子帳簿保存法に対応するkintone請求書管理

近年の法改正により、請求書の発行・保存方法に厳格なルールが求められるようになってきました。特に2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)と電子帳簿保存法の改正はあらゆる業種・企業規模に影響を与える法令対応です。

 

これらに対応するには単に請求書を作成するだけでなく、帳票上の記載要件や保存形式、検索機能、改ざん防止策などをシステム上で担保する必要があります。

 

kintoneはノーコードでアプリを構築できる柔軟性があるため、これらの法令要件に応じた請求業務のカスタマイズが可能です。本章ではインボイス対応の請求書発行から、電子帳簿保存法に準拠した運用、さらには監査や内部統制の観点から必要な設定やポイントについて詳しく解説します。

 

kintoneでインボイス(適格請求書)を発行する方法

インボイス制度では、請求書に記載すべき事項が法律で定められています。必須は、発行事業者名と登録番号、取引日、取引内容(軽減税率の明示)、税率ごとの対価の合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、宛名の6項目です。

これらを満たし、帳簿とあわせて保存することが仕入税額控除の原則条件です。要件を欠く請求書は基本的に控除対象になりませんが、経過措置や少額特例といった限定的な例外があります。取引先への影響も大きいため、登録番号や税率・税額の整合を含め、正確な発行体制の整備が欠かせません。

 

kintoneなら、アプリのフィールド設計で必須項目を漏れなく管理できます。登録番号を共通の固定フィールドとして設定すれば、すべての請求書に同じ情報を確実に表示できます。さらに、消費税率ごとの小計や税額を自動計算するロジックを組み込めば、手計算のミスや入力漏れを防ぎ、運用のばらつきも抑えられます。

 

さらに、PrintCreatorなどの帳票出力プラグインと連携すれば、kintoneのレコードからインボイスの必須6項目(登録番号、取引日、取引内容の明示、税率ごとの対価の合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、宛名)が漏れなく表示されるレイアウトでPDFを生成できます。

出力テンプレートにこれらの項目を組み込み、採番や発行日、軽減税率の注記まで含めて設計しておくことで、提出・保存に適した形式で一貫運用が可能になります。最終的な適合性はテンプレートと運用ルールに左右されるため、承認フローや保存ポリシーとあわせて整え、日々の業務の中で自然にインボイス対応が完結する仕組みにすることが重要です。

 

kintoneで電子帳簿保存法に対応した請求書を管理するには?

電子帳簿保存法では電子的に作成・受領した帳簿・書類を保存する際に検索性、真実性、可視性の3つの要件を満たす必要があります。具体的には日付や金額、取引先名などによる検索機能を備えること、改ざん防止のためのタイムスタンプ付与やログ管理を行うこと、必要な帳票を速やかに画面表示できるようにしておくことが求められます。

 

kintoneはレコード単位で日付や金額、文字列を条件に絞り込みや並び替えができ、キーワード検索も標準で備えているため、適切なフィールド設計とビューを用意すれば、税務調査や監査の場面でも必要な情報をすぐ抽出できる体制を整えやすい環境です。

一方で、検索対象外のフィールドが存在するため、実務では検索に使う項目を明示して設計しておくことが重要です。 変更履歴や監査ログも確認でき、いつ誰がどの操作や修正を行ったかを追跡できます。

 

タイムスタンプについては、kintone本体に公的な認定タイムスタンプを自動付与する機能があるわけではなく、外部サービスやプラグインとの連携で実装するのが実務的なアプローチです。例えば、認定タイムスタンプの付与や一括検証に対応した連携ソリューションを用いれば、PDF帳票の保存と同時に改ざん防止の記録を残し、電帳法対応を含む高い真正性を担保した保存運用を構築できます。

 

監査・法対応を意識した運用ポイント

制度対応を単なる形式的な対応で終わらせず、内部統制や監査対応まで意識した運用体制を整えることが今後の企業経営において重要になります。kintoneはレコード操作ごとの履歴が自動で記録されるため「誰が」「いつ」「どのような変更を行ったのか」を明確に追跡できる環境が標準で備わっています。これにより証跡管理や不正抑止につながる基盤が構築されます。

 

さらに承認フロー機能を活用することで、請求書発行の際に複数段階のチェックを設定することが可能です。例えば営業担当が請求内容を入力し、上司が内容を確認・承認してから経理が発行するというプロセスをkintone上で再現することにより、組織としてのガバナンスも強化されます。

 

監査時には必要なレコードや帳票データをフィルタ検索し、その場で画面表示やPDF出力を行えるため、対応スピードも向上します。これらの仕組みをあらかじめ整えておくことで、法令順守のリスクを最小限に抑え、持続可能な業務基盤を実現することが可能です。

 

kintone請求書導入の事例と効果

kintoneによる請求書業務のデジタル化は単なるITツールの導入にとどまらず、企業全体の業務効率とガバナンスの強化につながる施策です。特に従来の紙やExcelで請求処理を行ってきた企業にとっては、kintoneの導入によって劇的な改善効果が期待できます。

 

本章ではまず多くの中小企業が直面している請求業務の課題を明らかにしたうえで、kintoneを導入したことで得られた具体的な改善点や効果を解説します。合わせて業種ごとに異なる運用ニーズにも柔軟に対応できるkintoneの事例も紹介し、みなさんが自社の課題と照らし合わせながら導入を検討する際のご参考になれば幸いです。

 

導入前によくある課題(紙・Excel管理の限界)

紙やExcelを用いた請求業務は一見すると低コストで簡易に運用できるように思われがちですが、実際には属人化・非効率・情報分断など、さまざまな問題を内包しています。

 

特に中小企業においては、ITリソースや業務改善に割ける人員が限られていることから、こうした課題が放置されがちです。しかし請求業務は売上回収に直結する重要なプロセスであり、放置することで将来的な経営リスクに発展する可能性も否定できません。

 

ここでは紙・Excel運用によって起こりがちな典型的な問題を3つの観点から整理して解説します。

導入前によくある課題

 

請求書作成に時間がかかる

紙やExcelを使った請求業務では都度顧客情報や請求内容を手動で入力する必要があり、同じような作業を繰り返すことになります。特に月末・月初など請求書発行が集中する時期には、業務負荷が一気に高まり、数日間かけて処理せざるを得ないことも少なくありません。

 

テンプレートを活用していたとしても、品目や金額の入力、税率の計算、合計金額の記載などをすべて人の手で行う必要があり、単純作業に多くの時間が割かれてしまいます。結果として、本来注力すべき経営判断や顧客対応といった業務に時間を使えず、組織全体の生産性が下がってしまう傾向があります。

 

誤記や承認遅延が頻発する

Excelや手書きでの請求書管理においては入力ミスや金額の誤り、請求日付の記載漏れなどのヒューマンエラーが多発しやすくなります。これらの誤記は再発行や訂正対応に余計な手間がかかる原因となり、さらに取引先との信頼関係にも影響を及ぼします。

 

また承認プロセスも紙の回覧やメールでのやり取りに頼るケースが多く、社内の承認者が出張中だったり、確認を忘れていたりすると処理が滞ることもあります。その結果、請求書の発行が遅れ、入金サイクルにも影響が出てしまうなどキャッシュフロー面でもリスクを生じさせることになります。

 

保管・検索が非効率で法令リスクもある

発行した請求書を紙で保管している場合、年度ごと・取引先ごとの分類や整理に大きな手間がかかります。ファイルが増えれば保管スペースも必要となり、過去の請求書を探し出すだけで数十分かかるケースも少なくありません。

 

Excelでも同様にファイル名の付け方やフォルダの管理方法に統一性がないと、必要なデータにすぐにアクセスできないという課題が発生します。

 

加えて電子帳簿保存法などの法令対応が求められる中で、検索性や真正性を担保できない運用方法は監査対応や税務調査の際に不利に働く可能性があります。適切なデジタル保存や記録管理ができていない場合、法務リスクや是正指導の対象となる恐れもあるため、早期に対応を見直す必要があります。

 

導入後に得られる効果(効率化・ペーパーレス・誤記削減)

kintoneを請求業務に導入することで、従来の紙やExcel運用では解消が難しかった課題が着実に改善されます。単に業務が効率化されるだけでなく、法令遵守や情報管理の観点からも持続可能な運用体制を構築できる点が大きなメリットです。

 

ここでは実際にkintone導入によって得られる3つの主要な効果を掘り下げ、どのような変化が起こるのかを具体的に紹介していきます。

導入後に得られる効果

 

請求処理スピードの改善

これまで請求書の作成・発行・送付には、複数の担当者をまたぐ手作業と確認作業が必要であり、1件ごとの処理に数日を要するケースも少なくありませんでした。しかし、kintoneの導入によって入力内容の自動反映、承認フローのシステム化、帳票出力・メール送信までの一連の処理を自動化することが可能になります。

 

例えば案件情報が登録されると同時に請求書のベースデータが生成され、承認が通れば即時にPDF化・送信されるといった流れが、kintone上で実現できます。これにより今まで時間と労力がかかっていた処理が、最短で即日対応可能となり業務全体のスピードと対応力が飛躍的に向上します。

 

ペーパーレス化によるコスト削減

kintoneと連携サービスを活用することで、請求書の印刷・封入・郵送といったアナログ業務が不要になります。これにより毎月発生していた用紙代や印刷コスト、郵送料の削減が見込めるのはもちろんのこと、請求書の保管や管理に関する物理的スペースも不要となります。

 

さらに電子データによる保管は検索性に優れ、必要な情報を即座に取り出せるため、管理工数そのものも削減されます。加えて紙を使わない運用は環境負荷の軽減にも貢献し、SDGsの観点からも企業価値の向上につながる施策として評価されています。

 

誤記・入力漏れの削減

kintoneは顧客情報や案件データを一元的に管理できるため、請求書の作成時にわざわざ情報を再入力する必要がありません。すでに登録されているデータを呼び出して使用することができるため、二重入力や転記ミスといった人為的なエラーを未然に防ぐことができます。

 

またkintoneのアプリには入力ルールの設定や必須項目の制御も組み込めるため、入力漏れや記載ミスのリスクも大幅に低下します。こうした仕組みが業務の標準化・品質向上につながり、顧客との信頼関係を保ちながら正確な請求処理を継続できる体制が整います。

 

業種別の成功事例(製造業/建設業/サービス業)

kintoneの強みは業種・業態にとらわれず、現場の業務フローに柔軟にフィットする点にあります。請求書業務と一言でいっても、実際には業界によってフローの内容や処理タイミング、必要な帳票の種類が異なり、それに伴う業務課題もさまざまです。

 

本章ではkintoneを活用して請求業務の改善を実現した3つの業種の事例を紹介します。それぞれの業務背景に対して、kintoneがどのような形で導入され、どのような効果を発揮したのかを具体的に描くことで自社での活用イメージを明確にしていただける内容になっています。

製造業の効率化事例

製造業では受注から納品、そして請求までのプロセスが複雑化しやすく、それぞれの工程でデータが分断されやすいという課題があります。とある製造業企業ではこれまで紙とExcelを併用していたため、受注データと請求データが別々に管理され、転記ミスや進捗遅延が頻発していました。

 

kintone導入後は受注情報を起点に生産進捗、納品ステータス、請求情報までを一気通貫で管理できるアプリ構成を構築し、各部門で同じ情報をリアルタイムに共有できるようになりました。これにより案件ごとのステータス確認や請求書の発行がスムーズに行えるようになり、事務処理の手間が大幅に削減されただけでなく、納期遅延や請求ミスも大きく減少しました。

 

建設業のプロジェクト請求管理

建設業では案件単位でプロジェクトが進行し、工程やフェーズごとに請求タイミングが異なることが多く、柔軟な請求スケジュール管理が求められます。とある建設企業ではこれまで請求情報を紙と表計算ソフトで分散管理していたため、どの案件で何が請求済みなのか把握するのに非常に時間がかかっていました。

 

kintoneを導入したことでプロジェクトごとの工数や進捗、追加工事の発生状況をリアルタイムに記録・共有できるようになり、それに応じた分割請求や一括請求の判断が即座に行えるようになりました。

 

月末に集中していた請求書発行作業も効率化され、手戻りや請求漏れがほとんど発生しなくなった点が大きな成果といえます。請求業務が見える化されたことで、社内外の確認作業も円滑になり、業務の属人化も解消されています。

 

サービス業の定期請求自動化

定期契約やサブスクリプション型ビジネスを展開するサービス業では、決まったタイミングで繰り返し発生する請求業務が大きな負担となることがあります。とあるサービス業では毎月の定期請求を手動で行っていたため、請求漏れや送付遅延といったリスクが常に伴っていました。

 

kintoneと専用プラグインを組み合わせることで、契約情報に基づいた請求スケジュールを自動生成し、月次の請求書発行・送付までをすべて自動化する仕組みを構築しました。

 

これにより担当者が手動で請求リストを作成する必要がなくなり、請求業務にかかる時間が劇的に短縮されます。人的リソースを他の付加価値業務に振り向けられるようになり、業務の全体最適にもつながっています。

 

まとめ

kintoneは請求書業務における課題を多角的に解決できる柔軟なプラットフォームです。顧客情報や案件データを一元管理し、標準機能で基盤を整えつつプラグインや外部連携により請求書の自動発行やインボイス制度対応まで実現できます。

 

特にExcelや紙による属人的な運用から脱却したい企業にとっては、業務のスピード・正確性・コンプライアンス対応を同時に高められる有効な選択肢といえるでしょう。

 

業種や企業規模に応じた活用方法も多様で、導入事例からもその適応力の高さがうかがえます。業務の見える化や自動化を進めたいと考えている企業は、自社に最適な導入方法を検討し、kintoneを活用した請求業務の改革に着手することをおすすめします。

 

弊社ではkintoneの請求書管理システムの構築はもちろん、kintoneをより便利に拡張することができるプラグインサービスを提供しています。ご相談がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

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プロフィール

  • M-SOLUTIONSメディア編集部

    10年以上kintoneに携わっているkintoneのスペシャリストチーム。 kintoneだけでなく、サイボウズ関連製品や最新テクノロジーにも精通。 kintoneをより便利にする情報をお届けします。 kintone認定アソシエイト・アプリデザインスペシャリスト・カイゼンマネジメントエキスパート取得者所属。

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