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kintoneは本当にノーコード?初心者でも業務アプリが作れる仕組みと活用法
この記事でわかること
- kintoneはノーコードなのか?
- kintoneでノーコード開発できる主な機能一覧
- ノーコードツール導入のメリットとデメリット
- ノーコードツールとその他のツールの比較
- kintoneで業務改善を実現した事例3選
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業務改善のために「ノーコードツールを使ってみたい」と思って調べていると、よく見かけるのがkintoneというツールです。しかし実際に自社で導入を検討するとなると「どこまでノーコードで対応できるのか?」「エンジニアでなくても使いこなせるのか?」といった疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
この記事ではkintoneが提供するノーコード開発の仕組みと限界、実現できる機能の具体例、他のノーコードツールとの比較や導入事例まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
実際の画面イメージや業務での活用シーンを交えながら、kintoneがどのように業務改善に役立つのか、そして本当にノーコードで使えるのかを説明します。ノーコードツール選びで失敗したくない方、kintoneの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
またkintoneの基本的な情報について詳しく知りたい方は是非こちらをご参考ください。
目次
kintoneはノーコードなのか?
業務改善やDX推進の手段としてノーコードツールが注目を集めています。その中でもkintoneは非エンジニアでも業務アプリを簡単に作成できるツールとして広く知られています。しかしいざ導入を検討する段階になると「本当にプログラミング知識がなくても使いこなせるのか?」「どこまでノーコードでできて、どこからがローコードなのか?」といった疑問を抱く方が多いです。
実際kintoneはノーコードで使えると説明されることが多い一方で、高度なカスタマイズを行うためにコード記述が必要な場合があります。そのためkintoneが完全なノーコードツールではないという点を理解し、どこでコーディングが必要なのかを理解する必要があります。本章ではまずノーコードとローコードの基本的な違いを整理したうえで、それぞれの定義や特徴を詳しく確認し、最終的にkintoneがどのような立ち位置にあるのかを明らかにしていきます。
ノーコードとローコードの違い
ノーコードとローコードはいずれも、プログラミングの専門知識を持たない人でも業務アプリを開発できるようにする手法です。どちらも現場主導でのシステム構築を可能にし、スピードと柔軟性を高める点で共通しています。しかし開発の自由度や対応できる範囲には明確な違いがあります。ここではそれぞれの特徴と活用シーンを詳しく見ていきましょう。
ノーコードとは
ノーコードとはプログラミング言語を一切使用せずにアプリケーションや業務ツールを作成できる開発手法を指します。開発のための操作はすべて視覚的なインターフェース上で完結し、ドラッグ&ドロップで画面設計やデータ構造の設定が可能です。そのためIT部門に依存せず現場主導で開発や改善を進められることが最大の特徴といえます。
業務部門の担当者が日々の業務課題に対してスピーディーに対応するためのアプリを自ら作成できる点は、従来のシステム開発とは大きく異なります。また導入から運用開始までの期間が短縮されることから、コスト面や人材面での負担を抑えられるというメリットもあります。
ローコードとは
ローコードとは基本的にはGUIでの操作が可能なものの、特定の要件や複雑な処理を実現するためには一部コードの記述が求められる開発手法です。ノーコードと比較して柔軟性や拡張性に優れており、API連携や外部システムとの統合、複雑なロジックの構築などにも対応できる点が特長です。
その一方でコード記述が必要になる場面では、一定のエンジニアリング知識が必要となるため、利用者によってはハードルが高く感じられる場合もあります。企業のIT部門が主導して内製化を進めるケースや現場の業務担当者とエンジニアが協働する形での導入が適しています。
kintoneは完全ノーコードではない
kintoneは直感的な操作性に優れ、プログラミング不要で業務アプリを作成できる点から「ノーコードツール」として認識されています。しかし実はkintoneはノーコードとローコードの中間に位置するツールと言えます。基本的な機能や業務アプリの作成はフォームの作成やフィールドの追加など、すべてGUI操作で完結するため、非エンジニアでも十分に活用可能です。
一方でより高度な要件に対応しようとすると、JavaScriptやCSSによるカスタマイズ、外部サービスとのAPI連携、プラグインの追加といった「コードによる拡張」が必要になる場面も少なくありません。例えば業務上の特殊な処理ロジックを自動化したい場合やUIの見た目を大幅に変更したい場合は、開発スキルが求められるケースがあります。
そのためkintoneは「完全なノーコードではない」という点を前提に、どこまでノーコードで対応できて、どこからがローコード領域になるのかをあらかじめ把握しておくことが、ツール導入の判断材料として重要になります。
kintoneでノーコード開発できる主な機能一覧
kintoneは業務アプリをノーコードで作成・運用できる機能が豊富に備わっており、非エンジニアでも日々の業務を効率化するための仕組みを簡単に構築できます。特に業務の現場にいる担当者が自分たちでアプリを作成・改善できる点は、他のITツールとは大きく異なるポイントです。
本章ではkintoneでノーコード開発を実現できる主な機能と、それぞれの特徴について詳しく解説します。
アプリ作成機能
kintoneの代表的なノーコード機能のひとつがアプリ作成機能です。フォームの作成や項目の配置など、すべての操作を画面上で完結させることができます。新しいアプリは「+」ボタンから簡単に作成でき、文字列、ドロップダウン、日付、添付ファイルなどの入力フィールドをドラッグ&ドロップで自由に配置することが可能です。さらに一覧画面やグラフの表示形式も視覚的に設定できるため、より簡易的にデータの管理や分析ができ、業務ごとの使い勝手に合わせたアプリ設計ができます。
ユーザビリティに優れたインターフェース機能
kintoneは専門的なITスキルがないユーザーでもスムーズに操作できるように、直感的でシンプルなインターフェースが設計されています。アプリの利用者はフォームにデータを入力したり、一覧から必要な情報を探したりする際に迷うことなく操作できるため、社内全体での導入・定着がしやすい点も特徴のひとつです。またスマートフォンやタブレットにも対応しているため、外出先でも同じように操作ができ、テレワークや現場でのリアルタイムな情報共有にも適しています。
業務別テンプレート機能
kintoneにはあらかじめ用途別に用意された豊富なテンプレートが用意されています。顧客管理、案件管理、日報、問い合わせ対応など、実務に直結するテンプレートを活用することで、ゼロから設計を行う手間を省くことができます。テンプレートは編集やカスタマイズも可能で、自社の運用スタイルに合わせた柔軟な調整ができる点も魅力です。特に初めてkintoneを使う方や自分でアプリ設計を行うのが不安な方にとって、テンプレートの存在は大きな助けとなります。
プラグインによる機能拡張も可能
kintoneはノーコードで基本的なアプリ開発が可能ですが、さらに機能を拡張したい場合には「プラグイン」を活用できます。例えば帳票出力、ガントチャート表示、カレンダー連携など、標準機能ではカバーしきれない部分を補う形でさまざまなプラグインが提供されています。これらのプラグインも基本的にはインストールと簡単な設定のみで導入可能なものが多く、非エンジニアでも扱える仕様になっています。
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kintoneノーコードツール導入のメリットとデメリット
ノーコードツールはプログラミング不要でシステム開発を可能にする画期的な仕組みとして、近年急速に普及しています。特に現場主導で業務改善を進めたい企業にとっては、スピード感や柔軟性、低コストといった点で多くのメリットがあります。一方ですべての業務や開発ニーズに対応できるわけではなく、一定の制限やリスクも存在します。本章ではkintoneをはじめとするノーコードツールを導入する際に押さえておくべき「メリット」と「デメリット」の両面を具体的に解説します。まずはメリットから見ていきましょう。
ノーコードツールを導入するメリット
ノーコードツールの最大の魅力は、プログラミングの知識がなくても誰でも業務アプリを開発できる点にあります。特にITスキルが高くない現場担当者でも、自分たちの業務課題を把握した上で必要な仕組みを短期間で構築できるようになるため、業務改善のスピードが飛躍的に向上します。
またクラウド上で作成したアプリをチーム全体で共有・運用できるため、情報が分散せず業務の属人化も防止できます。さらに外部開発にかかるコストを抑えつつ、運用や修正も自社で完結できるため、コスト効率の高い仕組みづくりが可能になります。
このようにノーコードツールには多くの導入メリットが存在します。ここではそれぞれの利点をより詳しく見ていきましょう。
誰でも簡単にアプリ開発ができる
ノーコードツールでは、専門知識がなくても業務アプリを作成できます。従来であればアプリ開発にはプログラミング言語の習得や開発環境の構築が不可欠でした。しかしノーコードツールであれば、ドラッグ&ドロップの操作や設定画面での項目入力だけで、誰でも短時間で業務に役立つアプリケーションを構築できます。
これにより現場の業務担当者が自ら業務の課題をアプリで解決できるようになり、開発リードタイムの大幅な短縮や社内のIT依存の軽減にもつながります。
開発コストを削減できる
ノーコードツールの活用は開発コストの削減にも直結します。外部のシステム開発会社に依頼する場合と比較して、ノーコードツールを活用した内製開発では、初期費用・保守費用・工数が大きく抑えられます。さらに社内で運用できるため、変更が発生した際の対応も迅速に行うことが可能です。
またクラウドベースで提供されているツールが多いため、インフラ整備やサーバー構築といった周辺コストも不要で、初期投資を最小限に抑えた導入が可能です。
属人化を防ぎ、チームで共有しやすい
業務プロセスをアプリ化することで、暗黙知や個人に依存した作業の標準化が進みます。例えばExcelファイルやメールベースで個別に管理されていた業務がkintone上でアプリとして共有されることで、誰が見ても同じ情報にアクセスでき、業務の透明性や一貫性が確保されます。
またkintoneはアクセス権限やコメント機能も充実しているため、チームでの情報共有や履歴管理がスムーズに行えます。これにより属人化によるリスクや業務の引き継ぎミスを防ぐと同時に、組織全体の業務効率化にもつながります。
ノーコードツールを導入するデメリット
ノーコードツールは専門知識を持たない人でもアプリを開発できる利便性がある一方で、万能ではありません。あくまで「簡易的なアプリ開発」を目的とした仕組みのため、すべての業務要件を満たすには限界があります。
特に部署やシステム間をまたぐような大規模な業務アプリや複雑なデータ処理を伴うシステム構築には不向きな場合が多く、開発範囲が限定される点は注意が必要です。またより高度な処理や細かな条件分岐を実現したい場合には、一部JavaScriptなどのコードを記述しなければならず、「完全なノーコード環境」で運用するのは難しくなります。
そのため導入前には自社の業務規模や開発体制を踏まえ、どの範囲をノーコードで対応し、どの範囲をローコードや外部連携で補うのかを整理することが欠かせません。ここでは具体的にどのようなデメリットが起こり得るのかを3つの観点から詳しく見ていきます。
大規模開発に不向きなことも
ノーコードツールは業務部門が自ら小規模なアプリを構築するには最適ですが、システム全体の構成が複雑な場合や大規模な業務プロセスをまたぐ開発には不向きです。例えば複数部署を横断した統合業務システムや複雑なデータベース設計を伴う大規模な基幹システムなどはノーコードだけでカバーしきれないことが多くなります。そのためノーコードで構築した一部の業務アプリが全社的な業務基盤に適応できず、結果的に部分最適にとどまってしまうリスクもあります。
複雑な表計算の処理に向いていない
Excelなどで使われる高度な関数やマクロのような複雑な計算処理はノーコードツールでは再現が難しい場合があります。例えば複数条件を組み合わせた関数処理、動的な表の生成、クロス集計などをkintoneで完全に再現しようとすると、JavaScriptによるカスタマイズが必要になることもあります。そのため表計算機能に強く依存する業務の場合は、あらかじめノーコードツールの機能範囲を十分に確認し、必要に応じて既存ツールとの併用を検討する必要があります。
システムを提供するプラットフォームに依存してしまう
ノーコードツールは各サービス提供元の仕様や制約の中で運用することになります。例えばkintoneを利用する場合、基本的な機能拡張はサイボウズ社とそのパートナーが提供するプラグインやAPIに依存します。またツールのアップデートや機能変更も提供元の方針に左右されるため、独自のカスタマイズや運用ルールを構築している場合には、変更の影響を受けるリスクもあります。こうしたプラットフォーム依存は、特に長期的な視点で見たときの柔軟性や移行性に課題を残すことがあります。
kintoneノーコードツールとその他のツールの比較
ノーコードツールと一口に言っても、ツールごとに強みや得意領域が異なります。kintoneは国産の業務アプリ構築プラットフォームとして高い柔軟性を持ち、特に中小企業を中心に幅広い導入実績があります。一方でグローバルに展開されている海外製ツールも多く、Microsoftや他の国内ベンダーが提供するノーコード環境も注目を集めています。本章では代表的な2つのツール「Microsoft Power Platform」と「Platio」を取り上げ、kintoneとの比較を交えながら、それぞれの特徴を整理していきます。
Microsoft Power Platform
Microsoft Power Platformは、Microsoft社が提供する統合型ローコード・ノーコード開発プラットフォームで、特に大企業やグローバル企業での利用が多いツールです。業務アプリの作成からデータ分析、自動化、チャットボットの構築まで、幅広い機能をカバーしています。
なかでも「Power Apps」は、プログラミング知識を必要とせずに業務アプリを作成できる仕組みを備えており、Microsoft製品との連携はもちろん、BoxやGoogleなどサードパーティー製品との連携もある点が強みです。
一方で柔軟性の高さゆえに設定項目が多く、初期段階で操作に慣れるまでやや学習コストがかかるという特徴もあります。そのためIT部門やシステム管理者を中心に、業務プロセスの自動化やデータ連携を強化したい企業に特に向いているツールです。
Platio
Platioは国産のモバイルアプリ特化型ノーコードツールです。点検報告、作業日報、在庫管理など、現場での記録や報告業務をアプリ化することで、紙やExcelによる管理から脱却し、リアルタイムな情報共有を実現できます。
Platioの魅力は、テンプレートの豊富さと操作のシンプルさにあります。約100種類以上の業務テンプレートが用意されており、業種や利用シーンに応じてすぐにアプリを構築できるため、初めてノーコードツールを導入する企業でもスムーズに運用を開始できます。
kintoneで業務改善を実現した事例3選
kintoneは企業の現場から自治体まで、幅広い組織で業務改善の成果を上げています。ここでは異なる業界・組織規模でkintoneを導入し、実際に業務効率化を実現した3つの事例を紹介します。情報共有の仕組みづくりから、Excel管理の脱却、行政DXの推進まで、導入目的はさまざまですが、いずれも「現場が自ら動ける仕組み」を実現した点に共通点があります。具体的にどのような変化が起きたのかを見ていきましょう。
少人数でも効果あり!kintoneでメディアリスト管理を一元化
株式会社ハルメクホールディングスでは広報部が記者・メディアとの関係管理を強化するために、Excelで管理していた記者リストや取材履歴をkintoneへ移行しました。従来のExcelではファイル更新の重複や履歴の追跡が難しく、担当者交代時に過去のやり取りが分からなくなるといった課題を抱えていました。
導入後はMSOLが提供する「検索拡張プラグイン」「ルックアップ自動取得プラグイン」「一斉メール送信プラグイン」などを組み合わせ、記者情報や過去コンタクト履歴を一元的に管理できるようにしました。
これにより担当者間で情報がスムーズに引き継がれ、どの媒体とどのような関係があるのかを即座に把握できるようになりました。
Excel管理に限界、航空整備業がkintoneで脱属人化を実現
株式会社 Japan General Aviation Serviceは飛行機やヘリコプターの整備を行う航空関連企業です。以前はExcelで飛行時間や部品交換期限を管理していましたが、データ量の増加により処理が重くなり、複数人での更新による誤入力や履歴管理の難しさが課題でした。さらに在宅勤務ではVPN接続に時間がかかり、作業効率も大幅に低下していました。
そこでJGASは業務の信頼性とスピードを両立させるためにkintoneを導入しました。決め手となったのは、M-SOLUTIONSが提供する「ルックアップ自動取得プラグイン」と「ルックアップコピー先反映プラグイン」です。これらの導入によって、飛行時間や整備期限のデータが自動で最新化され、整備スケジュールを正確に管理できるようになりました。
茨木市がkintoneで申請業務を30%効率化
茨木市役所では健康づくり課とDX推進チームが中心となり、特定健診や予防接種などの事務業務を効率化するために、LGWAN環境下でkintoneを導入しました。これまで複数職員が同時に扱うExcel台帳で管理していた申請や進捗情報をkintoneに移行し、業務のばらつきを解消。入力方法の統一とリアルタイムなデータ共有を実現しました。
導入のきっかけは、M-SOLUTIONSが提供する「ルックアップ自動取得プラグイン」と「ルックアップコピー先反映プラグイン」です。これにより、医療機関情報や助成申請データの連携が自動化され、データ更新や転記作業の手間が大幅に軽減されました。
特に人間ドック助成金申請アプリではExcel時代と比べて作業工数を約30%削減。職員のスキル差に関係なく、誰でも同じ手順で正確に処理できる仕組みが整いました。
まとめ
kintoneは「現場の人が自分で業務を変えられる」ノーコードツールとして、多くの企業や自治体で導入が進んでいます。プログラミング不要でアプリを構築できるため、業務の属人化や紙・Excel管理の課題を解消し、チーム全体での情報共有と効率化を実現します。一方ですべてをノーコードで完結できるわけではなく、高度な要件にはローコード開発やプラグイン活用が効果的です。
ハルメクホールディングスのように情報を「資産」として蓄積したり、茨木市のように作業工数を30%削減したりと、導入事例が示すように成果は明確です。重要なのは「難しいからやらない」ではなく、「できるところから始める」こと。自社の業務に合った形でkintoneを取り入れることで、現場主導の業務改善が確実に前進します。
弊社では、kintoneの初期導入支援からカスタム開発、外部システム連携、kintoneを強化するためのプラグイン「Smart atシリーズ」を提供しています。業務にフィットした使い方を一緒に設計したいとお考えの方、具体的な支援内容や価格についてご興味・ご関心がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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