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支援事例:三重県志摩市 支援事例:三重県志摩市

三重県志摩市の「介護総合相談業務」をkintoneで改革 -部署全体で約625時間が削減

三重県志摩市

三重県志摩市では、介護総合相談業務の効率化を目指し、kintoneを活用した業務改革に取り組みました。今回は、このプロジェクトに携わった志摩市 谷口修デジタル戦略企画監、スマート改革・資産経営課の田畑拓夫課長、池田佑係長、介護・総合相談支援課の喜田珠美課長、浦口こずえ係長にインタビューを行い、導入前の課題や成果についてお聞きしました。

志摩市の概要と今回のプロジェクトの背景をお聞かせください。

 

志摩市は三重県東南部に位置し、人口約4万5千人、職員数約400名の自治体です。2022年からペーパーレス化を推進し、2023年にはサイボウズが実施している「小規模市町村向け 自治体まるごとDXボックス」のプログラムを活用して、介護総合相談業務の効率化を目指しました。

 

導入前の課題についてお聞かせください。

 

主に3つの大きな課題がありました。まず、ExcelやWordで「相談受付簿」や「ケース記録」を作成・使用していたため、複数の職員が同時に作業するのが難しい状況でした。

 

次に、「相談受付簿」や「ケース記録」を年度ごとに分けて作成していたため、過去の記録を検索する際には、毎回ファイルを開く必要があり、情報を探すのに時間がかかり、迅速な対応が難しくなっていました。

 

最後に、カルテの作成時には、ファイルの情報を転記して印刷していたため、この作業にも時間がかかっていました。

 

課題解決はどのように進めましたか?

 

「小規模市町村向け 自治体まるごとDXボックス」のプログラムでは、サイボウズのパートナー企業がそれぞれ支援メニューを用意しています。

 

その中で、M-SOLUTIONSの支援メニューは、5業務まで無償で効果検証できるとのことでしたので、そのメニューを活用させていただきました。

 

介護総合相談業務に関しては、M-SOLUTIONSの支援のもと、現場の職員と綿密なヒアリングを重ね、業務フローと課題を深く理解することから始めました。その上で、kintoneを活用したシステムの構築を進めました。

 

 

アプリ作成後の業務はどのように変わりましたか?

 

kintoneでシステム化してからは、職員全員が情報を共有し、共同で管理できるようになりました。

 

また、年度ごとだけでなく、相談者ごとに応対履歴を確認できるようになり、問い合わせにも迅速に対応できるようになりました。

介護総合相談アプリの画面イメージ

 

らに、これまで転記して作成していたカルテは、ボタン一つで帳票を作成できるようになりました。

プロジェクトの成果はいかがでしたか?

 

まるごとDXボックスで提供されている「業務改善ナビアプリ」を使い、導入効果を測りました。介護総合相談業務では、これまでと比べて職員一人につき1日30分程度、1年間にすると部署全体で約625時間が削減される見込みとなりました。業務効率化により創出される時間を利用して、今後は住民の方からの相談対応に、より注力できると考えています。

 

また「介護総合相談業務」以外でもkintoneの活用が始まっており、実証実験中の業務としては他に、公有財産管理、備品管理、まちづくり記録帖(自治会要望取りまとめ業務)、入札関連業務の計4業務があります。また、運用中のシステムとしては、公用車運行管理、避難所管理の2業務があり、これらの業務の効率化にも期待しています。

 

M-SOLUTIONSのサポートはいかがでしたか?

 

M-SOLUTIONSさんには細部にわたるサポートをいただきました。最初の業務分析では、使い方の整理だけでなく、「ここをこのように変えると効率的になりますよ」といったコンサルティングもしていただきました。

 

作成されたアプリでは、入力画面の色分けなどにより、どこに何を入力すればよいかが一目でわかるように設計していただきました。

 

さらに、オンラインで操作指導を行っていただいたおかげで、問題なく業務に導入することができました。

 

今後の展望についてお聞かせください。

 

DXについて、一気に庁内に広げることは考えていません。DXを推進する上で最も重要なのは、原課職員の方々が「変えていきたい」という意欲を持つことだと考えています。そうした強い意志を持って手を挙げてくれる原課に対してサポートを行い、少しずつ広げていきたいと考えています。

 

最後に、これからkintone導入を検討している自治体の方々へメッセージをお願いします。

 

繰り返しになりますが、大切なのは、原課職員の皆さんに「今の業務を変えていこう、改革していこう」という意欲を持ってもらうことだと考えています。当事者である原課職員の皆さんに「変えていきたい」という強い思いがなければ、DX部門からどれだけ利用を勧めても、実際に活用してもらうのは難しいでしょう。

 

自治体職員の立場からすると、業務改革にはリスクが多く、インセンティブが少ないと感じることもあると思います。それでも、思い切って最初の一歩を踏み出すことが非常に重要だと感じました。

 

今回、介護・総合相談支援課にも協力を得て、最初の一歩を踏み出すことの重要性を示すことができたのではないかと考えています。

 

-お話しいただきありがとうございました。

 

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