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kintoneでタブ表示を行うための方法とは?おすすめのプラグイン・導入方法・注意点などを解説
kintoneを日々の業務で活用する中で「情報が多すぎて画面が見づらい」「必要な項目にすぐアクセスできない」といった課題を感じたことはありませんか?
特にフォームの項目が多くなった場合、何度もスクロールをしなければならず、ユーザー体験(UX)の低下や誤操作のリスクが発生します。
そんな悩みを解決するのが「タブ表示」機能です。
本記事ではkintoneの画面にタブ表示を導入するメリットから実際にタブ表示を実現する方法(プラグイン活用・JavaScriptカスタマイズ)、注意すべきポイント、業務別の具体的な活用例までを体系的にご紹介します。さらにより便利に使うための関連プラグインも合わせて解説しています。
この記事を読めばkintoneの操作性を大幅に改善し、現場の業務効率を高める具体的な手法が分かります。
kintoneタブ表示を画面に追加する意味とメリット
kintoneは業務に応じて柔軟にアプリを設計できる一方で、データ項目が増えることで画面が縦に長くなり操作性と視認性に課題が生じやすくなります。こうした課題を解決する手段の一つが「タブ表示機能」の導入です。
本章ではkintoneでタブ表示が可能かどうか、なぜタブ表示が求められるのか、そしてその導入によって得られる具体的な効果について順を追って解説します。
kintoneでタブ表示できるのか?
kintoneの標準機能ではフォーム内におけるフィールドの表示順序を変更することはできても、視認性を高めるような「タブによる分類」は実現できません。そのためタブ表示を実現するには外部の拡張手段に頼る必要があります。
代表的な方法としては、プラグインを活用することでノーコードでもタブ形式の画面レイアウトを構築することが可能です。こうしたプラグインを利用すれば、エンジニアでなくても操作性の高い画面を比較的容易に構築できるため多くの企業現場で導入が進んでいます。
kintoneの画面にタブ表示が必要な理由
kintoneのアプリは顧客情報、案件情報、対応履歴、契約状況など、さまざまな情報を一つの画面に集約して表示することがあります。
しかしこれにより表示される情報量が多くなりすぎて、画面を上下にスクロールする回数が増えることで、ユーザーのストレスが大きくなります。また目的の情報にたどり着くまでに時間がかかるため、業務の効率も低下します。
特に現場で日々kintoneを使いこなすユーザーにとっては情報の見づらさが大きな負担となり、結果として誤入力や確認漏れなどのミスにもつながりかねません。こうした背景から視認性と操作性を高めるためにタブ表示のニーズが非常に高くなっています。
kintoneの画面をタブ表示にするメリット
タブ表示を導入することで情報が論理的にグルーピングされるため、どこにどの情報があるのかがひと目で把握できるようになります。これにより情報へのアクセスがスムーズになり、作業の効率が飛躍的に向上します。
また画面が整理されることでユーザーの操作ミスが減少し、業務全体の精度も高まることが期待できます。
さらにタブ単位で内容の表示・非表示を制御すれば、担当者の職種や役割に応じた画面設計も可能になり、必要な情報だけを効率よく表示することができます。このように、タブ表示はユーザー体験の向上と業務効率化の両面において、多くの利点をもたらす仕組みと言えるでしょう。
kintoneタブ表示を実現する方法
kintoneにおいてタブ表示機能を実現する最も手軽な方法がプラグインの導入です。コードを記述することなく、設定画面から簡単に導入できるため、エンジニアでない方でも対応可能です。
現在では複数の企業がタブ表示機能を提供するプラグインをリリースしており、目的に応じて最適なものを選ぶことが可能です。また、無料で試用できるプラグインも多いため、実装前に操作感や画面設計が自社の業務に合っているかを確認することができます。まずはテストアプリなどで試してみるのが良いでしょう。
用途別おすすめのプラグイン
タブ表示に対応したプラグインは複数存在し、それぞれに特徴や適した用途があります。ここでは代表的な製品を取り上げ、機能や価格、おすすめの用途などを簡潔にご紹介します。
ジョイゾー
ジョイゾーが提供するタブ表示プラグインは操作が非常にシンプルで、初めて導入する企業にも扱いやすい設計です。フィールドをグループ化しタブ形式で表示できる基本機能を備えつつ、設定も直感的で迷いません。大規模な機能を求めず、画面の見やすさを向上させたい企業に最適です。
価格:月額3,900円~ / 年額42,900円(税別)~※30日間無料トライアルあり
URL:https://www.joyzo.co.jp/service/plugin/tabview/
日立ケーイーシステムズ
日立ケーイーシステムズのプラグインは柔軟な表示条件やレイアウト調整に対応し、複雑な業務構成にも適しています。大量のフィールドや複数のユーザー権限を考慮した構成を必要とする大規模アプリに特におすすめです。
価格:買い切り型10万円(1年保証)、12万円(Pro:年額)/3年パック20万円/5年パック30万円(税別)
URL:hke.jp
ATTAZoo+/JBCC
JBCCのATTAZoo+はタブ表示機能に加え、入力補助やレイアウト改善など複数の便利機能を一括で提供する拡張ツールです。kintone全体のUX向上を狙う企業に向いています。
価格(改定後):エントリープラン43,200円/年(30ユーザー)、スタンダード86,400円/年、プロ432,000円/年(税別)
URL:https://jbsol.jbcc.co.jp/lp/attazoo/
アディエム
アディエムのタブ表示プラグイン for kintoneは、シンプルモードとアドバンスモードがあるプラグインです。手軽に設定したい場合と細かな設定をしたい場合で、使い分けることが可能です。また1つの項目を複数タブに表示できる柔軟な設定が特長です。
価格:買い切り120,000円(税別)/30日間無料トライアルあり
URL:https://adiem.jp/kintone-plugin/tabview/
ウェブウェア
ウェブウェアのプラグインは機能を絞りつつ導入コストを抑えた設計が魅力です。複数のタブ集合の表示や、タブのネストにも対応しています。中小企業や部門単位での試験導入に適しており、「まずは試したい」というニーズに応える製品です。
価格:月額3,300円(ライトプラン、3プラグインまで)/買い切り44,000円(税別)/30日間無料トライアルあり
Crena
CrenaのCrenaPluginは高機能な30種類を超えるプラグインを利用できるサービスです。プラグイン同士の連携に強みがあり、拡張性の高いタブ設計が可能です。
価格:月額3,000円 30日間無料トライアルあり
URL:https://create-new-air.notion.site/62148321603e4e938af21ec19e1283b0
kintone タブ表示のプラグイン導入の流れと設定方法
kintoneでタブ表示プラグインを利用するにはプラグインファイルを取得し、kintoneにアップロードした上でアプリに適用・設定する必要があります。操作自体はそれほど難しくなく以下の手順で進めることが可能です。
プラグイン導入の基本手順
プラグインファイルの取得
各プラグイン提供元の公式サイトから、ZIP形式のプラグインファイルをダウンロードする
一部の製品ではトライアル版と製品版のダウンロードが分かれているので注意する
kintone管理画面からプラグインを追加
kintoneの「システム管理」>「プラグイン」画面にアクセス
「追加」ボタンをクリックし、ZIPファイルをアップロード
アプリへのプラグイン適用
タブ表示を適用したいアプリの「アプリの設定」画面に移動
左メニューの「プラグイン」から、アップロード済みのプラグインを追加
タブの設定を行う
プラグインの設定画面からそれぞれのプラグインの設定を行う。
設定内容の確認と保存
設定を保存し、プレビューや実際のアプリで表示が正しく行われているかを確認
必要に応じて、ユーザー・組織単位での表示挙動やスマートフォン表示なども検証する
本番運用前の動作確認
一般ユーザーアカウントでも動作確認を行い、表示崩れやアクセス権の問題がないかチェックする
問題なければアプリを本番運用に移行する
kintoneでタブ表示を実現する方法
プラグインを使わずにタブ表示を実装したい場合や業務要件にあわせてより柔軟な制御を行いたい場合には、JavaScriptによるカスタマイズが有効です。標準の表示機能にとどまらず、ユーザー操作や入力値に応じて画面構成を切り替えるような高度な制御も実現できます。
ただしプラグインに比べて導入の難易度は高く、一定の開発スキルが求められる点には注意が必要です。
最低限必要なスキルと知識
JavaScriptでタブ表示を実装するには、以下のような技術的な基礎知識が必要です。
- JavaScriptの基本文法と関数の扱い
- DOM(Document Object Model)操作に関する理解
- kintone JavaScript APIの利用方法
特にkintoneでは、 kintone.events.on() を用いて画面表示イベントを取得し、DOM要素を動的に生成・制御することが基本的な流れになります。加えてCSSを併用してタブの見た目やレイアウトを整える知識も必要です。
サンプルコードと実装のステップ
以下に、kintoneでタブ表示をJavaScriptで実装する際のおおまかな手順を示します。あくまでサンプルコードですのでこちらを参考にしながら、実環境にて調整などが必要となる点はご注意ください。
HTML構造を用意する
タブ切り替え用のボタン(<div>や<button>タグなど)と、表示内容をまとめるセクション(<section>や<div>)をHTMLとして動的に挿入します。
CSSでタブのデザインを整える
非表示状態のスタイルをdisplay: none;などで指定し、選択されたタブのセクションだけが表示されるように設計します。
JavaScriptで表示制御ロジックを実装する
kintoneのレコード表示イベント(例:app.record.detail.show)に対して処理を登録し、選択されたタブに応じて対象セクションを表示、それ以外を非表示にする処理を記述します。
条件付き表示の設定(オプション)
ユーザー情報やフィールドの値によって表示するタブを切り替えたい場合は、kintoneのAPIを利用して条件判定を行い、対象要素の表示/非表示を制御します。
検証と微調整
異なる端末・ユーザー権限での表示確認を行い、画面崩れや表示不具合がないかをチェックします。必要に応じてエラーハンドリングやレスポンシブ対応も検討します。
JavaScriptによるカスタマイズは自由度が高い一方で保守性や実装コストも発生します。そのため、外部への開発委託や再利用性の高いコード設計を前提に取り組むのが理想的です。特に中長期的な運用を見据える場合は、内部の技術者体制やトラブル発生時の対応力も考慮しておくとよいでしょう。
kintoneでタブ表示機能を導入時に注意すべきポイント
タブ表示プラグインやJavaScriptによるカスタマイズはkintoneの画面を整理し、操作性を高めるうえで非常に効果的な手段です。しかし導入にあたってはいくつかの技術的・運用的な注意点があります。特に他のカスタマイズとの競合やスマートフォン対応、仕様変更による影響には十分な配慮が必要です。
プラグインと他カスタマイズの競合
複数のプラグインやJavaScriptカスタマイズを同時に利用している場合、表示のタイミングやDOM構造が干渉しレイアウト崩れや動作不良を引き起こすことがあります。
例えば、タブ表示と条件表示を併用した際に同じフィールドを異なるロジックで制御してしまうと、意図しない動作を招く可能性があります。
これを防ぐためには導入前に各プラグインの機能範囲を明確に把握し、干渉する処理がないかを設計段階で確認しておくことが重要です。また、プラグインやスクリプトを追加するたびに対象アプリで表示や動作に不具合が出ないかを都度検証する運用体制を整えておくと安心です。
スマートフォン・タブレット表示時の注意点
一部のプラグインはPC表示には対応していても、スマートフォンやタブレットなどのモバイル環境では正常に動作しない場合があります。特にタブのレイアウトが崩れる、スクロールができなくなる、特定のフィールドが操作できないといった問題が報告されるケースもあります。
導入前には対象プラグインがレスポンシブ対応済みかどうかを必ず確認し、テスト環境やトライアル版を使って実機での動作検証を行うことが推奨されます。必要に応じてモバイル環境用に簡略化したタブ設計を別途検討することも有効です。
アップデート時の仕様変更への備え
プラグインやkintone本体のバージョンアップにより、これまで正常に動作していたタブ表示機能に影響が出ることがあります。例えば、API仕様の変更に伴いJavaScriptの一部が機能しなくなったり、プラグインが最新のUI仕様に対応していなかったりする事例があります。
こうしたリスクに備えるには、開発元によるアップデートポリシーやサポート体制を事前に確認し、更新情報を定期的にチェックしておくことが必要です。また、重要なアプリについてはテスト環境で事前にアップデート検証を行い、問題がないことを確認してから本番反映する慎重な運用が求められます。
業務別に見るkintoneタブ表示の活用例
kintoneのタブ表示機能は、アプリの種類や業務フローに応じて活用の仕方が大きく異なります。タブによって情報を分類・整理することで、画面全体の見やすさが向上し、ユーザーが必要な情報にすぐアクセスできるようになります。本章では、主な業務シーン別にタブ表示の具体的な活用事例をご紹介します。
営業支援アプリでのフェーズ別タブ表示
営業活動を管理するアプリでは「商談」「見積」「契約」「アフター対応」といった営業プロセスの各段階ごとに入力項目が異なることが一般的です。
これらの情報を1画面に並べて表示すると煩雑になってしまうため、タブ表示を使ってフェーズごとに画面を分けることで操作性が格段に向上します。
例えば「商談」タブでは案件の基本情報、「契約」タブでは契約書情報や取引条件、「アフター対応」タブでは納品後のサポート履歴をそれぞれ表示させることで情報の整理とミスの防止につながります。
人事評価アプリでの評価項目別タブ表示
人事評価を目的としたアプリでは評価者、被評価者、目標設定、最終評価といった複数の項目が含まれます。こうした構成もタブ表示を活用することで非常に見やすく整理することができます。
例えば「評価者情報」「目標」「自己評価」「最終評価」のようにタブを分けることで関係者ごとに必要な情報だけを効率よく入力・閲覧できるようになります。また、ユーザー権限に応じて表示するタブを制御すれば、誤操作や情報漏洩のリスクも抑えられます。
開発・案件管理での工程・進捗別タブ表示
システム開発や業務委託などのプロジェクト管理では要件定義、設計、開発、テスト、リリースといった工程が存在します。こうした進捗を管理するアプリでは、各工程ごとの作業内容や成果物をタブで分けて表示することで、進捗状況の把握がしやすくなります。
例えば「設計フェーズ」「開発フェーズ」「レビュー・テスト」「完了報告」といったタブ構成を導入することで、プロジェクトの管理精度が高まり、関係者間での情報共有も円滑になります。
kintoneのタブ表示をさらに活かす、おすすめの関連プラグイン
kintoneのタブ表示機能は単体でも情報整理に効果的ですが、他のプラグインと組み合わせることでさらに利便性を高めることができます。ここでは、タブ表示と相性の良い補助系プラグインを2つご紹介します。ラベルや吹き出し、条件表示といった補助要素を加えることで、画面の視認性や操作性が一層向上します。
吹き出し表示系プラグイン
フィールドに対して補足説明を加えたい場合や、操作のガイドをユーザーに提示したい場合には、吹き出し表示型のプラグインが役立ちます。タブ内にすべての情報を詰め込むと視認性が低くなるため、重要度の低い補足情報はポップアップ表示にすることで画面全体の視認性を高めます。
また入力ミスを減らすための注意書きや、選択肢の意味を説明する用途でも活用できます。
おすすめプラグイン:kintone吹き出しメッセージ表示プラグイン(エーアイティー研究所)
条件表示プラグイン
特定の条件に応じて表示するフィールドやブロックを切り替えたい場合には、条件表示型のプラグインが有効です。例えば、チェックボックスの選択状況やドロップダウンの値に応じて表示するタブ内の情報を動的に変更することで、業務に合わせた柔軟な画面設計が可能になります。
冗長な項目を常時表示する必要がなくなり、ユーザーにとって必要な情報だけが提示されることで操作の効率が向上します。
おすすめプラグイン:条件分岐フィールド非表示プラグイン(アディエム)
まとめ
kintoneでタブ表示を導入することで、情報の整理・操作性の向上・業務効率化といった多くのメリットを得ることができます。標準機能では実現できないタブ表示も、プラグインやJavaScriptによるカスタマイズを活用すれば目的に応じた柔軟な画面設計が可能になります。
プラグインを利用すれば、非エンジニアでも手軽にタブ表示を実装でき、種類も豊富で用途に応じた選択肢があります。一方、より細かな制御やデザインを求める場合には、JavaScriptによるカスタマイズが有効です。また、導入時には他のカスタマイズとの競合やモバイル対応、アップデートによる影響などにも注意が必要です。
さらに、ラベル表示や条件表示などの補助プラグインを組み合わせることでタブ表示の効果を最大化し、より見やすく、使いやすいアプリを構築できます。自社の業務内容や利用シーンに合わせて最適な方法を選び、kintoneの活用をさらに一歩進めていきましょう。
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