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2025/05/22

kintone(キントーン)とOutlookを連携させる方法|業務効率を劇的に向上させる設定手順と活用例

kintone(キントーン)とOutlookを連携させる方法|業務効率を劇的に向上させる設定手順と活用例
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日々の業務でkintoneとOutlookの両方を活用しているものの、「予定が二重管理になっている」「メール履歴をkintoneに転記するのが手間」と感じていませんか?
実はこれらの課題はkintoneとOutlookの連携によって、劇的に解消することができます。

kintoneは業務アプリの自由度が高い一方で、kintoneの基本機能だけではメールを管理することやスケジューラとしての利用には向いていません。
一方、Outlookは予定やメールの管理に優れており、ビジネス現場での使用率も高いツールです。
両者をうまく連携させることで、スケジュール・メール・タスク管理を一元化でき、作業時間を大幅に削減できるようになります。

本記事では、kintoneとOutlookの連携をスムーズに実現するための設定方法や必要なツールの選び方、さらに実際の活用シーンやよくある失敗例とその対策までを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
「業務効率を高めたい」「情報管理をラクにしたい」と考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

kintone(キントーン)とOutlookの連携とは

活用シーン別に見るkintone(キントーン)とOutlook連携の成功例

kintoneとOutlookはそれぞれが異なる強みを持つビジネスツールです。
kintoneは柔軟に業務アプリを構築できるクラウド型業務プラットフォーム、Outlookは予定・メールの管理に優れたMicrosoftの代表的なグループウェアです。
これらを連携させることで業務の二重管理を解消し、情報の一元化と生産性向上が実現します。

この章では、「なぜいまkintoneとOutlookの連携が注目されているのか」「連携によってどのような業務改善効果が得られるのか」を具体的に解説し、両者の典型的な業務フローと課題点についても整理していきます。

なぜ今kintoneとOutlookの連携が重要なのか

近年ハイブリッドワークや業務のデジタル化が加速する中で、「複数ツールの同時利用による情報分散」が深刻な問題となっています。
kintoneとOutlookの両方を業務で利用している企業も多く、それぞれに登録した情報の転記ミスやスケジュールの重複登録といった非効率な運用が発生しやすい状況です。

このような背景から、Outlookで管理するスケジュールやメールをkintone上で自動的に反映させるニーズが高まり、両者の連携による業務最適化が注目されています。
特にMicrosoft Power Automateなどのツールの進化により、ノーコードでも連携設定が可能になったことも後押ししています。

kintoneとOutlookを利用する典型的な業務と課題点

多くの企業では以下のような業務でkintoneとOutlookを使い分けています。

■典型的な業務フロー例

1.Outlookで会議の予定を作成
2.同時にkintone上でプロジェクトの進捗を記録
3.会議後にOutlookメールで議事録を送信
4.kintoneに議事録内容を転記して共有

このようにツールが分かれていると、情報が散在しがちで確認や更新の手間が発生します。
また、ツールごとに入力ルールが異なる場合は情報の粒度や表記ブレも発生し、チーム内での齟齬が生じやすくなります。

これらの課題を解決するには、「Outlookで登録した内容を自動的にkintoneに反映させる仕組み」が必要です。
次章では具体的な連携方法について詳しく解説していきます。

kintone(キントーン)とOutlookの連携で実現できること

kintoneとOutlookの連携の必要性を理解したところで、連携したら実現できることについて解説します。
連携内容によって利用するツールや設定項目も変わるため、事前に自社で実現したい業務フローを明確にすることが連携成功の鍵となります。

ここでは、「カレンダー連携」「メール連携」などの主要な連携パターンを紹介します。
Microsoft Power Automateなどの自動化ツールや便利なサードパーティ製連携サービスも併せて解説します。

kintoneスケジュールとOutlookカレンダーの連携

kintoneのスケジュール機能とOutlookカレンダーを連携することで、予定の二重登録や見落としを防ぐことができます。

たとえば、以下のようなことが実現可能です。

  • Outlookで作成した予定をkintoneの「スケジュールアプリ」に自動登録
  • kintoneの進捗に応じて、Outlookにタスクや会議を自動生成
  • リマインド機能をOutlook側で補完し、チーム内の通知を統一化

この連携にはMicrosoft Power Automateや、カレンダーAPIをサポートするサードパーティ製連携ツールの活用が推奨されます。

kintoneレコードとOutlookメールの連携

業務の中で頻繁に発生する「メールと案件情報のひも付け」も、kintoneとOutlookを連携で効率化することができます。
具体的には以下のような連携が可能です。

  • Outlookで受信したメール内容をkintoneのメール履歴管理アプリにレコードとして保存
  • メールの件名・本文・添付ファイルをkintoneの各項目に自動マッピング
  • kintoneで管理している案件に紐づけて、やり取り履歴を一元管理

Power Automateのテンプレートを活用すれば、数ステップで連携フローを構築することができます。

連携に必要なツールと設定前の準備事項

kintoneとOutlookの連携にはツールが必要になります。
ここでは連携に必要なツールの解説とそのツールを使うための準備をご紹介します。

Microsoft Power Automate

ノーコードでOutlookとkintone間のワークフローを作成できる自動化ツールです。
Office365とkintone両方に対応しており、公式の連携コネクタが用意されています。
ただしkintoneと連携させる場合には有償プランの契約が必要になります。

Power Automateでは、以下のような連携がテンプレートとして用意されています。

  • Outlookで特定の件名のメールを受信したら、kintoneにレコードを追加
  • Outlookの予定が作成されたら、kintoneに自動登録

kintone側のフィールドとOutlook側の項目をマッピングするだけですぐに使えるため、エンジニアの知識がなくても導入することが可能です。

BizteX Connect kintone × M365 コネクタ

ノーコードでkintoneとMicrosoft 365を双方向に連携できるサービスです。
kintoneとOutlookの連携専用コネクタも提供されており、プログラミングの知識がなくてもUI操作で簡単に連携設定が可能です。

設定前の準備事項

連携前にOutlookのアカウント情報を確認しておくと良いでしょう。
Outlook側のアカウントは「管理者権限」または「外部連携が許可された状態」であることが望ましく、社内ポリシーにより制限されていないか事前確認が必要です。

サードパーティ製プラグインの選定ポイント

簡単にkintoneとOutlookを連携できるPower Automateですが、実現が難しい・細かい連携条件がある、UI操作だけで連携選定が完結しない、サポートが英語で分かりにくいといったお悩みから使いにくいと感じることもあります。

そのような場合は、サードパーティ製の連携ツールやプラグインの導入を検討しましょう。
選定の際は以下のチェックポイントを意識するのがおすすめです。

  • 対応しているkintoneバージョン・Outlook環境(クラウド/オンプレ)
  • プラグインの更新頻度とセキュリティ対応
  • 設定画面の分かりやすさ
  • 料金体系(無料トライアルの有無)

具体的な連携設定手順

kintoneとOutlookを連携する方法はいくつかありますが、今回はMicrosoftが提供しているPower Automateを活用した連携方法を中心にご紹介します。
本章ではPower Automateを活用したカレンダー連携とメール連携の設定方法を実際の操作画面を用いて解説します。

kintoneからOutlookカレンダーへの予定送信手順

1.kintoneで予定管理アプリを準備する
日時フィールド(開始日時・終了日時)、件名フィールド(予定タイトル)、備考や場所フィールド(任意)などの必要な入力項目をあらかじめ設定します。

intoneで予定管理アプリを準備する

2.Microsoft 365の管理画面からPower Automateにアクセスする

3.「新しいフローの作成」をクリック
「一から開始」の「自動化したクラウドフロー」から作成します。

「新しいフローの作成」をクリック

「新しいフローの作成」をクリック

4.kintoneのコネクタを設定する
フロー名を入力し、トリガーは「kintone」で絞り込んでから「コードがアプリに追加されたとき」を選びます。

kintoneのコネクタを設定する

フロー編集画面に切り替わり、トリガーに「パラメーターが無効です」と表示されているのでクリックし、kintoneの接続設定をします。

kintoneの接続設定

kintoneの接続設定

すでに接続設定がある場合は該当のkintone接続を選択、ない場合は新しく追加から接続を行います。

すでに接続設定がある場合は該当のkintone接続を選択

kintoneドメインにはサブドメインだけでなく「.cybozu.com」まで必要なのでご注意ください。

kintoneドメインにはサブドメインだけでなく「.cybozu.com」まで必要

接続設定ができたら先ほど作ったkintoneアプリのアプリIDを指定します。

kintoneアプリのアプリIDを指定

ここまでできれば「パラメーターが無効です」の表示は消えます。

「パラメーターが無効です」の表示は消える

5.Outlookのアクションを設定する
トリガーの下の「+」ボタンからアクションを追加し、コネクタ別のOutlookの中から「イベントを作成する」を選択し、Outlookの接続設定を行います。

Outlookのアクションを設定する

kintoneの接続同様に、すでに接続設定がある場合は該当のOutlook接続を選択、ない場合は新しく追加から接続を行います。

該当のOutlook接続を選択、ない場合は新しく追加から接続を行います。

接続設定後、予定作成対象のカレンダーの選択と各kintoneフィールドとOutlookのフィールドをマッピングします。
対象のカレンダー項目の右の⚡️マークをクリックすると前のステップ(今回の場合はトリガーとなっているkintoneに追加されたレコード)から項目を選択できます。

<例>
・kintoneの「予定タイトル」→ Outlookの「件名」
・kintoneの「開始日時・終了日時」→Outlookの「開始時刻・終了時刻」

対象のカレンダー項目の右のマークをクリックすると前のステップ(今回の場合はトリガーとなっているkintoneに追加されたレコード)から項目を選択できる

予定作成対象のカレンダーの選択と各kintoneフィールドとOutlookのフィールドをマッピング

6.設定を保存しテスト送信で動作を確認する

設定を保存しテスト送信で動作を確認する

Outlookからkintoneへのデータ連携設定方法

Outlookで受信したメール情報をkintoneにレコードとして送信する設定も、Power Automateで簡単に構築できます。

1.Power Automateで新規フローを作成
「一から開始」の「自動化したクラウドフロー」を選びます。

Power Automateで新規フローを作成

2.トリガーの設定
フロー名を入力し、トリガーは「Outlook」で絞り込んでから「新しいメールが届いたとき」を選びます。
予定表連携の時同様にOutlookの接続設定を行います。

トリガーは「Outlook」で絞り込んでから「新しいメールが届いたとき」を選びます。

3.kintoneへのアクションを追加
トリガーの下の「+」ボタンからアクションを追加し、kinntoneで検索した中から「アプリにレコードを追加」を選択します。
kintoneの接続設定を行い、アプリIDの指定と各フィールドにメールのデータをマッピングします。

<例>
・メールの件名 → kintoneの「件名」(文字列1行)
・本文 → kintoneの「本文」(文字列複数行)
・送信元 → kintoneの「差出人」(リンクフィールドでメールアドレス)

kinntoneで検索した中から「アプリにレコードを追加」を選択

アプリIDの指定と各フィールドにメールのデータをマッピング

4.条件分岐やフィルタを追加(任意)
「特定の顧客名が含まれている場合のみ登録する」といった条件設定も可能です。

5.設定を保存しテスト送信で動作を確認する

設定時に注意すべきセキュリティ・認証まわりのポイント

kintoneとOutlookを安全に連携させるには、以下のセキュリティ設定も忘れずに確認しましょう。

Outlookアカウントに外部アプリ連携の許可があるか

社内ポリシーでブロックされている場合、IT管理者への申請が必要になります。

Microsoftアカウントとkintoneの認証方式の整合性

OAuthやベーシック認証の違いによる連携エラーに注意しましょう。

通信環境・VPN制限の影響

社内ネットワークを経由してのアクセス制限により、Power Automateが正しく動作しないケースもあります。

活用シーン別に見るkintone(キントーン)とOutlook連携の成功例

活用シーン別に見るkintone(キントーン)とOutlook連携の成功例

kintoneとOutlookの連携は単なる「ツール連携」に留まらず、部門ごとの業務課題を解決し、チーム全体の生産性向上に貢献する手段として非常に有効です。

このセクションでは、代表的な3つの業務シーン(営業/カスタマーサポート/プロジェクト管理)における連携活用例を紹介し、具体的にどのような成果が得られるのかを解説します。

営業部門における訪問スケジュールの効率化

営業現場では、Outlookでの訪問予定管理とkintoneでの案件・顧客管理が別々に行われているケースが多く、予定と商談情報の紐付けがされていないことによる「確認漏れ」や「情報の分断」が大きな課題となっています。
そんな営業部門でkintoneとOutlookを連携すると、以下のような効果が得られます。

  • Outlookカレンダーに登録した訪問予定が自動でkintoneの案件レコードに紐づく
  • 予定が作成されると同時に訪問先の会社名や担当者、目的などがkintoneの履歴に記録される
  • スケジュールの変更時にはkintone側もリアルタイムに更新される

このような仕組みにより、営業担当者は顧客情報を探す手間なくスケジュール管理が可能となり、活動履歴も一元管理されるためマネージャーの進捗把握も容易になります。

カスタマーサポートでの対応履歴の一元管理

カスタマーサポートではOutlookでのメール対応とkintoneでの問い合わせ対応履歴の管理が別々に行われていることが多く、情報が分散しやすいことが課題です。

この課題を解決するのがメールの内容をkintoneに自動で取り込む連携です。
メールの内容とkintoneを連携することで、以下のことができるようになります。

  • 顧客からの問い合わせメールをOutlookで受信すると、その内容がkintoneの「問い合わせアプリ」にレコードとして自動登録
  • メール本文・添付ファイル・返信内容などが、すべてkintone内で時系列に記録される
  • 同じ顧客からの繰り返しの問い合わせも、履歴からすぐに過去の対応を確認可能

これにより担当者の引き継ぎミスや情報の確認漏れを防ぎ、迅速かつ丁寧なサポート対応が可能になります。

プロジェクト管理でのリマインド機能連携

プロジェクト管理においてはkintoneをタスク管理に、Outlookを通知・スケジューリングに利用しているケースが多くあります。
しかし、タスクの期日をうっかり忘れてしまうことや通知のタイミングが曖昧になるといった問題が発生しやすいです。
そこで有効なのが、以下のような連携です。

  • kintoneのタスクアプリで設定された「期限」フィールドをトリガーに、Outlook側でリマインダーを設定
  • タスクのステータスが「未完了」のまま期限に近づくと、Outlookから自動でリマインドメールを送信
  • Outlookの予定にタスクの内容やURLを記載し、すぐにkintoneで確認できるようにする

この仕組みを作成することで作業の抜け漏れを防ぎ、プロジェクトの進行スピードと確実性を向上させることができるようになります。

kintone(キントーン)とOutlook連携のよくある失敗と解決策

kintone(キントーン)とOutlook連携のよくある失敗と解決策

kintoneとOutlookの連携は便利である一方、設定ミスや運用体制の不備によって「思ったように動作しない」「データが反映されない」といった問題が発生することもあります。

ここでは現場でよく見られる失敗パターンとその原因、そして具体的な解決策を紹介します。
連携を安定運用するためのチェックリストとしても活用できますので、参考にしてください。

連携できない・反映されない原因

kintoneとOutlookを上手く連携できない、連携はできたがデータが反映されない、といった問題は起こりやすいです。
その場合は次の4つの原因が考えられます。

kintone側でAPIトークンやアクセス権の設定が不十分

原因としてまず考えられるのは、kintone側でAPIトークンやアクセス権の設定が不十分だったことです。

kintoneアプリに対して発行されたAPIトークンが未設定、あるいは必要な権限(レコードの追加・取得・更新など)が付与されていない場合は、外部ツール・プラグインから正しく操作を行うことができません。

<解決策>
・kintoneの管理画面で、対象アプリのAPIトークンを再確認する
・トークンには「レコード追加・取得」などの操作権限を付与する
・アプリのアクセス権も適切に設定する(特にIP制限・ロール設定に注意)

    Outlook側のアカウント権限設定が不適切

    次に考えられるのは、Outlook側のアカウント権限の設定が不適切である可能性です。
    Outlookのアカウントに対して外部サービスとの連携が禁止されている、または、管理者権限を持たない場合はPower Automateでの連携がブロックされることがあります。

    <解決策>
    ・Microsoft 365の管理者に、連携権限の設定確認を依頼する
    ・個人用アカウントではなく、業務用のMicrosoftアカウントを使用する
    ・Outlookポリシーでの「APIアクセス許可」設定をチェックする

    他連携ツールのフローエラー

    3つ目に考えられる原因が、Power Automateや他連携ツールのフローにエラーが起きている可能性です。

    フローの中に構文エラーや接続エラーがある場合、連携処理が一部停止したりスキップされたりします。
    原因は「フィールド名のミスマッチ」「接続切れ」「トークンの期限切れ」など多岐にわたります。

    <解決策>
    ・フローの「実行履歴」からエラーログを確認
    ・失敗したアクションをクリックし、エラー内容を特定
    ・認証情報の再接続、マッピング項目の見直しを実施

    ネットワーク・ブラウザ環境の影響

    原因として最後に考えられるのは、ネットワーク・ブラウザ環境の影響です。

    VPN環境や社内ネットワークの制限により、Power Automateやkintoneへの通信が一時的にブロックされるケースがあります。
    また、ブラウザのキャッシュやCookie設定によって一部動作が不安定になることもあります。

    <解決策>
    ・通信が安定した環境でのテスト実施を行う
    ・VPN経由のアクセス可否をIT部門に確認する
    ・ブラウザキャッシュのクリアや別ブラウザでの検証を行う

    連携後のデータ整合性トラブル

    せっかくkintoneとOutlookを連携しても、連携後のデータの整合性が取れずトラブルになることもあります。

    整合性が取れないと信頼してツールを実務で活用できなくなりますので、整合性に不安を感じた場合はすぐに原因を突き止め、対処しましょう。

    kintoneとOutlookで同期タイミングにズレが生じる

    kintoneとOutlookで同期のタイミングがすれる場合は、連携時のデータがリアルタイム同期ではなく、バッチ(一定時間ごとの)処理が行われている可能性があります。
    その場合、片方に入力した内容がすぐにもう一方に反映されないことがあるため、まずはトリガー設定を確認しましょう。

    <解決策>
    ・フローのトリガー設定を「即時」実行に変更する
    ・処理の頻度やタイミングを明示した上で社内共有を徹底する

    一部項目が連携対象から外れている

    データが全て連携できない場合、kintoneとOutlookを連携した際に項目が連携対象から外れている可能性があります。
    フィールドマッピングが不完全な場合、例えば「場所」「メモ欄」「担当者名」などが正しく送信されず、連携に抜け漏れが生じることがあります。

    <解決策>
    ・マッピング設定を再確認する
    ・フィールド名の表記揺れに注意する

    更新情報の上書き問題

    双方向連携の設計によって、Outlookで変更された内容がkintoneで自動的に上書きされ、kintoneで独自に記録した内容が失われることがあります。
    双方向で連携を行っている場合は注意が必要です。

    <解決策>
    ・双方向ではなく「片方向(例:kintone→Outlook)」のみに制限する
    ・フィールドごとに上書き可否の設定を細かく分ける

    運用後に多い人的ミス

    kintoneとOutlookの連携は一度設定すれば自動で処理が行われるため便利ですが、運用フェーズに入ると「人為的な操作ミス」によるトラブルが発生することがあります。
    そのため、人的ミスが起きにくい設定を行うことが重要になります。

    重複登録や誤った予定作成

    kintoneとOutlookの両方に手動で同じ予定を登録してしまう、または連携の存在を知らずに別々に入力してしまうことで予定が二重に登録されてしまうケースは多く見られます。特に導入初期やメンバーが増えたタイミングで発生しやすいミスになりますので、連携の存在の周知が重要になります。

    <解決策>
    ・スケジュール登録ルール(例:「予定作成は必ずkintoneから」など)をマニュアル化して明示する
    ・kintoneアプリ側で「日時+タイトル」の組み合わせによる重複チェック機能を実装する
    ・運用初期には「登録前チェックリスト」などを用いて、人的確認を促す仕組みを導入する

    更新処理の誤操作

    連携設定により片方でデータを削除・更新するともう一方にも自動で反映される仕様になっている場合、意図せず重要な情報が失われることがあります。
    特に連携の仕組みを理解していないユーザーが操作した場合にリスクが高まります。

    <解決策>
    ・Outlookやkintone側での削除操作に制限を設ける(例:kintone側で「削除不可」に設定)
    ・重要な予定やデータの更新・削除には承認ステップを挟むワークフローを導入する
    ・誤操作が起きた場合のためにバックアップ機能(アプリの履歴)を活用する

    操作ルールの社内共有不足

    設定担当者や一部メンバーだけが連携の仕組みを理解しており、他のメンバーは「どこに入力すれば反映されるか」「どちらを更新すべきか」などのルールを把握していない組織も少なくありません。
    意図しない操作を防ぐためにも、操作ルールを社内に浸透させることは担当者にとって重要な業務になります。

    <解決策>
    ・操作フローを記載した社内向けマニュアルやQ&Aシートを配布する
    ・新メンバー向けに定期的な操作研修や動画マニュアルを用意する
    ・Slackや社内ポータルなどで運用ルールを可視化・常時アクセス可能にする

    kintone(キントーン)とOutlookの連携において、よくある質問

    kintone(キントーン)とOutlookの連携において、よくある質問
    最後に、kintoneとOutlookを連携させるにあたって疑問に感じやすい点をまとめました。
    導入検討中の企業や、すでに一部連携を始めているユーザーにも役立つ実務的な情報をピックアップしていますので、参考にしてください。

    kintoneとOutlookの連携は無料でできますか?

    ■Microsoft Power Automateを使って連携する場合

    Power Automateの有料プランを契約する必要があります。

    Power Automate Premiumはユーザーごとのライセンス、Power Automate ProcessとPower Automate Hosted Processはフローごとのライセンスになります。
    年単位の支払いになるため、運用開始時期に注意しましょう。

    また、Power Automateには無料試用版(30日間)があるため、導入する際にはまず試用版を使ってみて、使用感を確かめるのをおすすめします。

    Power Automate Premium Power Automate Process Power Automate Hosted Process
    価格 2,248円/ユーザー/月 22,488円/ボット/月 32,233円/ボット/月
    デスクトップフロー アテンド型*¹ 非アテンド型*² 非アテンド型
    AI Builder サービス クレジット 5,000 5,000 5,000
    Microsoft ホステッド仮想マシン*³
    Dataverse のデータベース容量 250 MB 50 MB 50 MB
    Dataverse のファイル容量 2 GB 200 MB 200 MB

    *¹アテンド型:ユーザーがPCにログインしている状態でフローを実行する。
    *²非アテンド型:ユーザーがPCからサインアウトした状態でもフローが実行できる。
    *³Microsoft ホステッド仮想マシン:Microsoftによってジョブ実行毎に新しい仮想マシンが取得されるよう設定されており、アプリの使用を最適化できる。

    参照:Power Automate の価格

    ■BizteX Connect kintone × M365 コネクタ を使って連携する場合

    BizteX Connect kineoneの有料プランと契約する必要があります。

    Microsoft 365の主要な4つのアプリケーション(OneDrive/Teams/Excel Online/Outlook)全てと連携を行いたい場合はkintone特化プラン_Max、
    どれか一つのアプリケーションのみの連携で良い場合はkintone特化プラン_Baseとの契約になります。

    また初めて導入する場合は、初期費用として150,000円が追加でかかります。

    kintone特化プラン_Max kintone特化プラン_Base
    価格 40,000円/月(税抜) 20,000円/月(税抜)
    無料実行上限 500回 250回
    シナリオ上限 5 3

    参照:https://kintone-sol.cybozu.co.jp/integrate/biztex004.html

    Microsoftアカウントは個人用でも連携できますか?

    基本的には業務用(法人向け)Microsoftアカウントでの連携を推奨します。
    個人用アカウントでも一部の機能は利用可能ですが、以下の点で制限を受ける可能性があります。

    • Power Automateの機能が限定される(テンプレート利用不可)
    • Outlookメールの商用利用がガイドラインに抵触する可能性
    • 組織内の共有カレンダーやアカウント管理が難しい

    そのため、Microsoft 365 Business Standard以上のプランで連携を行うのが安全です。

    Outlook側の予定はkintoneに自動で同期されますか?

    同期は設定次第で自動化が可能ですが、kintone単体ではその機能を持ちません。
    Power Automateなどを使って以下のように自動連携フローを構築する必要があります。

    • Outlookで予定を作成 → Power Automateで検知 → kintoneに新規レコード作成
    • 予定の変更やキャンセル → kintone側でも更新・削除処理を実行

    なお、双方向同期(kintone→Outlook、Outlook→kintone)はそれぞれのアクションごとに個別設定が必要です。

    kintoneとOutlook間で双方向同期は可能ですか?

    技術的には可能ですが慎重な設計が必要です。
    双方向同期を設定すると、「どちらの更新が優先されるか」「同時更新が発生した場合の挙動」など、データ整合性の管理が複雑になります。
    推奨される運用は以下の通りです。

    • 基本は片方向連携(例:Outlook→kintone)を採用
    • 双方向連携を行う場合は、「編集可能項目」「同期タイミング」を明確化
    • テスト環境での事前検証と、ログ確認機能の導入

    業務の性質上どうしても双方向同期が必要な場合は、連携フローを精密に設計・監視する体制を整えてから導入しましょう。

    まとめ

    ここまでkintoneとOutlookの連携について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

    kintoneとOutlookの連携は、ただツール同士を繋ぐだけでなく日々の業務における情報の分断を解消し、組織全体の業務効率を底上げする非常に強力な手段です。
    本記事では、両ツールを連携させることで得られるメリット、具体的な設定方法、実際の活用シーン、そして連携にまつわるトラブルとその解決策まで解説しました。

    特にPower Automateを使った連携では、スケジュール・メール・タスクの自動連携による手間の削減が可能となり、営業・サポート・プロジェクト管理といった幅広い業務での効果が期待できます。
    一方で、API権限の設定や同期タイミング、ユーザー間の操作ルールなど、「技術」だけでなく「運用設計」も成功の鍵となる点には注意が必要です。

    これからkintoneとOutlookの連携を導入する方、あるいはすでに導入済みで改善を検討している方は、ぜひ本記事の内容をもとに自社に最適な連携フローの設計と定着化を目指してみてください。

    M-SOLUTIONSではkintoneとOutlook連携の設計から構築、保守まで一貫してご支援可能です。
    ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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    また、kintoneを便利にするプラグインや連携サービス・システム開発を提供中です。
    今回ご紹介した「kintone×Outlook連携」以外でもご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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    プロフィール

    • 中尾典隆(監修)

      新卒で電子カルテメーカーに運用SEとして入社。導入担当した病院の情シスとして転職後、グループウェアの更新時にkintoneと出会い、業務改善の楽しさに目覚める。2020年kintonehive大阪登壇。2023年に合同会社典隆庵を設立し業務改善支援や研修講師を仕事とする。認定資格はカイゼンマネジメントエキスパートを所持。個人としてはサイボウズ公認 kintone エバンジェリストとしても活動。

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