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【2025年最新】Smart at AI for kintone Powered by GPTとは?
2023年10月にリリースした「Smart at AI for kintone Powered by GPT(以下、Smart at AI)」は、ほぼ毎月アップデートを重ね、機能が大幅に増加しました。さらに、LLMの精度向上により、対応できる業務も広がっています。このブログでは、改めてSmart at AIの概要を解説します。
まだ試していない方や、以前試して機能が不十分だと感じた方も、今一度ご覧いただく価値があります。ぜひご確認ください。
Smart at AIとは?
Smart at AIは、kintoneのアプリをChatGPT、Gemini、ClaudeなどのAIと連携できるプラグインです。プラグインで設定しておけば、アプリ内のデータを活用し、フィールドに入力する情報を自動生成できます。
テキストだけでなく、画像や文章ファイル、Web上の情報もプロンプトに活用でき、さまざまなフィールドに情報を登録可能です。さらに、複数の処理を同時に実行したり、スケジュールを設定して自動実行したりすることで、これまで自動化が難しかった業務も自動化できます。
kintone × Smart at AIのオススメな機能と使い方
Smart at AIは、2023年10月のリリース以降、さまざまな機能を追加してきました。その中でも、特に実用性の高いおすすめ機能を厳選してご紹介します。おすすめの機能は以下の通りです。
ユーザーはプロンプトの作成が不要。AIを意識せず使える
Smart at AIは、プラグインの設定画面にプロンプトを設定できます。そのため、AIに詳しい人があらかじめプロンプトを設定しておけば、利用者は自分でプロンプトを考える必要がありません。kintoneを使える人であれば、自然にAIの利便性を享受できます。
1回の指示で文章を複数生成
Smart at AIでは、設定画面で複数のプロンプトを登録でき、それらを連続して実行することが可能です。これにより、1回の指示で複数の処理をまとめて実行できます。たとえば、ブログ作成では構成の検討、タイトル決定、見出しの作成、本文の作成、メタディスクリプションの作成といった工程がありますが、これらの処理をあらかじめプロンプトとして設定しておけば、1回の指示ですべてを自動で実行できます。
添付ファイルからテキストを抽出する
kintoneに添付されたファイルを解析し、AIに回答させるためのプロンプトとして利用できます。対応ファイルは、画像であればpng、jpeg、jpg、webp、動画や音声ではMP4、MP3、文章ではPDF、DOCX、PPTXなどに対応しています。その他の形式にも一部対応していますが、解析可能なファイル形式はAIによって異なるため、詳細は別途ご確認ください。
この機能でたとえば、PDFの請求書を添付し、請求書の情報を読み取り、データ化することが可能です。2023年10月当初は画像読み込み機能が未対応でしたが、現在ではAIに画像解析の機能がつき、更に精度が向上。指定した情報を高精度で抽出できるようになりました。
この仕組みにより、請求書の処理だけでなく、名刺の取り込み、点検データの数値抽出、手書きメモのデジタル化、物体の特徴のテキスト化など、さまざまな業務で活用できるようになりました。
インターネットの情報を定期的に取得
Smart at AIは、Web上の情報を取得し、その内容をプロンプトに取り込めるようになりました。これにより、顧客情報や自治体・国・業界団体の発表、ニュースなどを自動で取得できます。さらに、エージェント実行機能と組み合わせることで、プロンプトを定期的に実行できるようになり、ユーザーが自ら検索しなくても、新着情報があればkintone上に自動で取り込むことが可能になりました。
kintone内の情報を元に文章生成ができる
Smart at AIにはRAG機能が実装され、kintoneアプリ内の複数レコードの情報を取得し、プロンプトに含めることが可能になりました。これにより、メンバーからの報告を集約する作業の負担を軽減できたり、kintoneに蓄積された情報を活用して新たな情報を生成できるようになりました。
kintoneのスタンダードコース以上では、標準で「kintone AIラボ」機能が提供されており、その中に「検索AI」という機能があります。この検索AIもkintone内の情報を検索できる特徴がありますが、kintoneの検索機能を基にしているため、出力に一定の制限があります。検索AIで希望する結果が得られない場合でも、Smart at AIのRAG機能を使うことで、より柔軟に情報を取得・活用できる可能性があります。
HTML出力で見やすいコンテンツを生成
Smart at AIはHTML/CSSの出力が可能です。これにより、HTML/CSSを表示できるkintoneのスペースフィールドと組み合わせることで、kintoneの標準機能では実現できないユーザーインターフェースを簡単に作成できます。たとえば、データ分析用のダッシュボードを生成したり、見積書や請求書のような帳票形式にデータを変換することが可能です。
導入事例
Smart at AIは導入数が着実に増えてきています。その結果、様々な活用事例が増えてきています。一つずつ紹介します。
住信SBIネット銀行株式会社
住信SBIネット銀行では、VBAやSQLのコード説明、業務資料やテストシナリオの作成に多くの時間と労力がかかっていました。そこでSmart at AIを導入。数時間かかっていたコードの技術的な説明がわずか1分で生成できるようになりました。またテストシナリオも2,000件規模で多様なQ&Aを自動生成。従来は偏りがちだった内容も、AIのニュートラルな視点により品質が向上しました。また、翻訳作業なども効率化され、業務のスピードと正確性が大きく改善しました。
リデン株式会社
リデン株式会社では、農業者向けアプリ「agmiru」を提供し、顧客サポートやマーケティング施策(メルマガ・SNS投稿)にkintoneを活用していましたが、リソース不足により運用が安定しませんでした。そこでプラグイン「Smart at AI」を導入。まずメルマガ作成アプリを構築し、ネタを入力するとタイトルと本文を自動生成。従来1時間かかっていた作業がわずか10分程度に短縮され、週1回の定期配信が可能になりました。さらに、メルマガ内容をSNS投稿用に自動変換するアプリも連携。ハッシュタグ付きで複数案が生成されるため、バリエーション豊かで魅力ある文章が簡単に作成でき、メルマガとSNS投稿の両立が安定化しました。
株式会社ジョイゾー
株式会社ジョイゾーでは、自社の営業案件管理やメール作成に「Smart at AI for」を導入しました。経験の浅い営業でも、案件履歴をもとにAIが次のアクションを提案する「アドバイス機能」により自律的な対応が可能になりました。また、メール作成では履歴+指示による下書き生成で1件あたり5〜10分の作業時間を削減。
週次報告は複数案件を優先度順に自動まとめ、金曜18時に自動生成される仕組みを構築、マネージャーの確認負担を大幅に軽減しました。これにより業務生産性が向上しました。
有限会社矢内石油
有限会社矢内石油では、主に2つの課題を抱えていました。1つはkintoneでの問い合わせ管理、もう1つはブログ・Instagramの投稿に関する課題です。そこで2024年4月から「Smart at AI」を導入し、これらの課題を解決しました。
問い合わせ管理では、メールで届いた内容を手作業でkintoneに転記する必要があり、多くの時間がかかっていました。Smart at AIを使い、問い合わせ内容を自動で各フィールドに振り分ける仕組みを構築した結果、手入力がほぼ不要となり、入力ミスも大幅に減りました。
ブログ記事の作成には1本あたり半日かかることもあり、情報発信の頻度と効率が大きく制限されていました。ブログ投稿アプリを導入したことで、キーワードと要件を設定するだけでAIがタイトル・本文・HTMLを自動生成できるようになりました。現在では月に約20本の記事を効率的に作成でき、地域での認知度向上に貢献しています。運用面では、従業員はkintone上で入力するだけでよく、プロンプトの設計など専門的な知識で運用しています。
まとめ
以上、Smart at AIの最新のおすすめ機能をご紹介しました。2023年10月のリリース時点では機能が少なく、多くの課題を解決できる段階ではありませんでしたが、約1年半の継続的なアップデートにより、さまざまな用途で活用できるようになりました。
また、AIの精度も向上しており、Smart at AIではChatGPT、Gemini、Claudeを使い分けることで、より高品質なデータ生成が可能です。工夫次第で幅広い業務に活用できます。まずは無料で利用できますので、ぜひお試しいただき、自社の業務に合わせてご活用ください。興味のある方は、以下のフォームからお申し込みください。